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異世界で便利屋やってます  作者: 白猫
第一章 猫の世界
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便利屋

此処は『化け猫の国』。

明けない夜、白夜の闇が支配する国。

わたくしミケは、森の奥深くにあるほこらに来ておりました。

この祠にはある言い伝えがありました。


《なにか困りごとのある者は、この祠にお供え物をせよ。さすれば『便利屋』が救世主が如く助けてくれるであろう》


大人たちはこの祠を気味悪がっておりました。

この祠にお供え物をすると、次の日には必ずなくなっているからです。

ですからここ数年、この祠に近づく者はおりませんでした。

だから私は一人で来ました。

言い伝えを信じているわけではありません。

でも…もし言い伝えが本当でこの国を救ってくれるなら、私はそれにすがりたかったのです。

便利屋が何なのかは知らないけど、どうしても助けてほしかったのです。


両手の手のひらをギュッと握り合い、強く願います。

「便利屋さん、お願いします。『白夜の怪物』から私たちを救ってください」




『とある世界の果て』

そこに便利屋はあった。

「おいエース。便利屋の依頼だぞ」

目つきの悪い赤髪の少女クイーン・ガルハートは、昼間からパンツ一枚で昼寝するエース・ベルクに向かってそう言った。

だが少年は起きなかった。

心地よいそよ風に当たりながらとても気持ちよさそうに寝ている。

「ッチ。昼間っからねてんじゃねえ!!」

「ッゴファ!! ゴホッゲホッゲッオェ!!」

クイーンの肘が、エースのみぞおちを襲った。

「ハア…ハア…テメエ何しやがんだクイーン!! 危うく昼飯ゲロるところだったろうが!!」

「仕事だボケナスが!! 昼間っからゴロゴロしやがってこの廃人が」

「うるせえ!! 気づいたならお前が行けよ。わざわざ俺を起こさなくても」

「化け猫の世界はお前の担当だろうが。それに私はこれから『炎の国』の龍退治の依頼がある」

「…めんどくせえなクソッ」

ボソリと、クイーンには聞こえない声でつぶやいた。

「はあ…しゃあねえ、行くか。今回はちゃんと給料でるんだろうな」

「それはキングに言ってくれ。私に言われてもどうしようも出来ん」

クイーンはそう言って、店の奥に消えていった。

「しゃあねえ、俺も行くか」

は思い腰を起こし、店の奥に歩く。



『異世界扉の間』

店の奥には異世界へと繋がる扉が100存在する。

それは現在、存在が確認されている異世界と同じ数である。


「あれエース、これから仕事かい?」

おにぎりを咥えてエースに話しかけた金髪の少年。名前はジャック・バビル。エースの同僚である。

「まあな。なにかお見上げでも買ってこようか?」

「今回は、どの世界に行くの」

「…化け猫の世界だっけかな」

「ふーん…じゃあ、マタタビゼリーを頼むよ」

「オッケー。そんじゃまあ行ってくるわ」

そう言って、エースは扉を開け、そして光の中に入っていった。

「…行ってらっしゃい。最強くん」




















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