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倉庫ごと異世界転移したので、何でも屋を始めます  作者:


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広がる手応え、次を描く休息

大きな仕事が一段落し、

かおりは久しぶりに、はっきりと「休み」と呼べる時間を取っていた。


作業場の喧騒から少し離れた場所で、温い飲み物を手に、静かに息を吐く。


「……終わった、か」


荷馬車の件。

領内向け、領外向け、どちらも流れに乗った。



これで、流通はかなり改善されるはずだ。


運ぶ量は増え、一度に動く距離も伸びる。


何より――領外から来る商人たちが、この領地で作られた道具を持ち帰ってくれる。


「勝手に、広げてくれるのよね」


商人は、使える物しか扱わない。

使えた道具は、別の商人の目に留まり、また別の土地へと運ばれていく。


口コミで広がり、評判が積み上がり、仕事が、自然と運び込まれる。



かおりは、その流れを頭の中でなぞった。


自分が前に出なくても、売り込みをしなくても、道具が、仕事を呼んでくる。


「……いい循環」


これは、かおりが最初に思い描いていた形に、かなり近い。



だからこそ――次を考え始めていた。


「次は……何を作ろうかな」


既にある物を、少し良くする。

過激じゃない。魔法も使わない。


でも、確実に“楽になる”物。


運ぶ道具は、一通り揃った。

ならば、その次。


「……扱う、か」


「……守る、か」


道具は、まだまだある。



かおりは、ふっと笑った。


焦る必要はない。急ぐ理由も、もうない。

流れは出来ている。支える人も、育っている。


「ゆっくりで、いい」


休息の時間は短かったが、その分、頭の中は静かに、確かに動き続けていた。


次の一手を、領地の未来に、無理なく置くために。

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