↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『転生したら村人Cだったのに、なんで俺が世界救ってんだよ』  作者: 甲斐悠人
本編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
54/155

第54話『笑いの迷宮、そして無表情な少女』

俺たちはギルドの受付嬢から渡された地図を手に、森の奥へと足を踏み入れていた。今回のクエストは「笑いの迷宮」とかいう、なんともふざけた名前のダンジョンの調査だ。


「なぁ、ヨシオ。なんでよりによって“笑い”の迷宮なんだ? 敵がギャグとか言ってくるのか?」

ウケールが眉をしかめる。


「逆にそれ、こっちがギャグで応戦すれば相殺されるんじゃね?」

俺が軽口を叩くと、リリィが呆れた顔でこちらを見た。


「それで本当に命が助かるなら、あなたはすでに不死身のギャグ戦士よね」


「やかましいわ!」


いつもの調子で突っ込みを入れつつ、俺たちは迷宮の入り口に到着した。木々が鬱蒼と茂り、地面には奇妙なマリオネットのような像が並んでいた。どれも顔がにやけていて……正直、不気味。


「入るよ。みんな、気を引き締めて」

リリィの言葉で、一同頷いた。


迷宮の中は、想像以上に静かだった。石造りの通路に淡い光が差し込んでいるが、不気味なほど物音がしない。


と、そのときだった。


「……誰?」


突如、声が響いた。驚いて前を見ると、そこにいたのは――


「……少女?」


10歳くらいに見える、人形のように整った顔立ちの少女。白いドレスを着て、壁にもたれかかっている。


「誰? ……あなたたちは、また“笑わせに来た”人たち?」


「笑わせに……?」


彼女は無表情のまま、淡々と語り出した。


「この迷宮では、笑わなければ……出られない。でも、私は笑えないの」


どうやらこの少女、迷宮に囚われて長いらしい。しかも、“笑えなければ出られない”という、謎の呪いがあるようだ。


「つまり俺たちがこの子を笑わせれば、クリアってことか?」

ウケールが拳を握った。


「よし、なら俺の十八番いくぜ。『ホラ、焼きそばパン買ってこいよ』って命令してくるヒョロい上級生のモノマネ!」


……沈黙。


「し、渋いのいったなウケール。あ、俺もやってみる!『肩幅が宇宙レベルな冒険者のギャグ! “ボディがでかすぎて、ドアが拒否反応!”』」


……完全沈黙。


「……レベルが低い」

少女が、ぼそっとつぶやいた。


俺とウケールが床に崩れ落ちていると、リリィが前に出た。


「仕方ないわね。女は度胸よ」

彼女はポケットから何かを取り出した。


……バナナの皮だった。


「ズルッ」


彼女は自分でバナナの皮に乗って、派手にスライディングして倒れ込んだ。しかもその瞬間、地響きのような音とともに、天井から謎の紙吹雪が舞い降りる。


「!? 反応が――ある!」


少女の口角が、ほんの少しだけ、ピクリと動いた。


「……クスッ」


その瞬間、迷宮の壁がゆっくりと開いた。どうやら、本当に笑わせることで突破できる仕組みらしい。


「やった……! リリィ、最高!」


「まさか自分の身体を張ることになるとは……羞恥プレイだったわ」


俺たちは、迷宮を脱出しつつあった。


少女は、俺の袖をつかんで言った。


「……ありがとう。久しぶりに、面白かった」


「名前、教えてくれないか?」


少女は少し考えてから、ぽつりと答えた。


「ミーナ。私は……元は旅芸人だったの。でも、もう一度、外に出たい」


そのまま、少女――ミーナは俺たちのパーティーに加わることになった。


ウケールが肩をすくめる。


「やれやれ、また賑やかになりそうだな」


俺は笑って答えた。


「笑わせてやろうぜ、毎日。ギャグだろうがなんだろうが、全力でな」



---


迷宮を抜けてからというもの、俺のパーティーは少し賑やかになった。なんせ、無表情だけど実は笑いのツボが渋いミーナが仲間入りしたんだからな。


ギルドに戻ると、受付のサラが「あら、ヨシオさんたち、おかえりなさい! ミーナちゃんもね」と笑顔で迎えてくれた。


「ただいま。今回は無事に迷宮クリアできたよ」

俺がそう答えると、仲間たちも疲れながらも満足そうな顔で戻ってきた。


「ヨシオ、ミーナちゃん、さっそく次の依頼をチェックしようぜ」

ウケールが早速掲示板をのぞき込む。


「お、面白そうなクエストあるな。『闇の森の魔獣討伐』だってよ」


リリィが首をかしげながら言った。


「魔獣か……まあ、行けそうね。でも、今回も慎重にいかないと」


ミーナはまだ表情が硬いが、すでに仲間として馴染んでいるのが不思議だった。


「俺はみんなといると安心する。これからも一緒に戦っていこうな」


そう思いながら、俺は仲間たちの笑顔を見た。


さあ、次の冒険がまた始まる。けど、その前に……


「ヨシオ、今日はギルドでのんびりしようぜ。ミーナちゃんも疲れてるだろ?」


ウケールの提案に俺も賛成した。


「そうだな。みんなで楽しく過ごそう。明日に備えてな」


こうして、俺たちのギャグと友情に満ちた日常は続いていくのだった。



---


「面白かった!」




「続きが気になる、読みたい!」




「今後どうなるの!!」




と思ったら




下にある☆☆☆☆☆から、作品への応援お願いいたします。




面白かったら星5つ、つまらなかったら星1つ、正直に感じた気持ちでもちろん大丈夫です!




ブックマークもいただけると本当にうれしいです。




何卒よろしくお願いいたします。




あと、感想もお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。