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第35章 我は王子なるぞ!!


リリネッド一行は岩山から街に向かっている途中で王子と名乗る子供に道を阻むかれていた。

子供はマントを付け、腰に剣をぶら下げて地面に先が付いて引きづった跡が残っていた。

「いやいや、お前さん達が勇者リリネッド一行だな」

「「「「違います、それじゃ」」」」


一行はめんどくさくなりそうだと感じたので素通りしようとしたが岩陰から隠れていた子供のパーティがさっと出てきて一行を物陰に引っ張る。

「我々はあのスルーされた事で泣きそうになっているあの王子のパーティです」

「申し訳ない、お願いだから少し相手してください」

「この通りです」


王子のパーティの大柄男性の筋肉剣士の()()()()、スラッとした体形の男性でイケメン眼鏡の魔法使いの()()()()、高身長で赤い長い髪の女性の()()()()が正座で頭を下げる。


一行は顔を合わせて仕方がないなというしぐさをしてリリネッドが代表で言った。

「ごめんなさい」


そう言って先へ進もうとするも3人だったかすぐに止める。

「アレを見ても行くのか!!」


エクエスが王子の方に指を指す。

王子は背中からわかるぐらい涙を我慢しているがバンバン流れているも叫ぶことを我慢していた。


「やはり、噂は本当の様だなこの犯罪者が!!」

「悪魔!魔帝王!」

「据わり目、片目女」


とリリネッドの悪口をバンバン言ってくるもリリネッドに全く効果がないぐらい気にしてなかったし、逆に受け入れている感じなの意味がなかった。

それも仲間たちはわかっていたが。

「仲間の悪口を言われて平気なわけないでしょ」

「ワシらのリーダーで勇者で問題児をいじめるなよ」

「とりあえず、なんで襲うのかの意味はお前たちを懲らしめてからだな」


クロウ、ナギ、シンノスケは戦闘体制に入り、エクエス、ルーベル、キュルアと向き合い戦闘を開始した。

クロウはルーベル、ナギはキュルア、シンノスケはエクエスと戦闘を行っていた。


リリネッドはそのを見るよりさっきから無視されている王子に近寄る。

「ねぇ、君の名は?」

「オイラ、ポウラ・ジェラだ」

王子は全泣き顔で答える。


「改めて、私はリリネッドです。よろしく」

リリネッドは手を差し出しポウラはその手を握る。

握手する手を見て半泣きポウラは言った。


「リリネッドはオイラの嫁に来い」

「え?」

「それが良い、オイラがリリネッドを守ってやる」

「でも私」

「大丈夫だ、オイラが愛してやる、遠慮するな」

「愛なんて知らないし」

「オイラが…教えてやる」


少泣きの決め顔で言うポウラだったが奥で戦っていたはずのポウラのパーティが全力で来たようでぜぇーぜぇーしながら近くに立っていた。

「「「何を勝手に言ってるんですか王子!!」」」

「いいだろう」


キュルアがリリネッドとポウラの手を引き離し逆に手を握る。

「王子、どうか私のご判断を」

「ダメだもう決めてしまった事だ」

「そ、そんな~」


キュルアはリリネッドを睨む。

「うっえぇ~」


少し遅れてクロウ達が来た。

「リリネッド、お前犯罪者になっているらしいぞ」

「ど、どいうこと?」

「かくかくしかじかだ」

「いや、わからない」


シンノスケが説明を始める。

「彼らと戦いながら話していたのですが、どうやら世界の災難がすべてリリネッドの所為にされているようです」

「というと」

「戦争が終わらないのも、モンスターに襲われるのも、太るのも、すべて勇者リリネッドの所為にだと。そして…」


シンノスケが口をつぐむ。リリネッドが首をかしげる。

それを見てクロウが変わり言う。

「お前は今は勇者ではなく犯罪者として世界に指名手配されている」


リリネッドは目を見開く。


「勇者を剥奪して新しく勇者を決め直すらしい」

「で、でも私たち何もしてないよね?」

「そこだ」

「うん?」

「何もしていないからだ。成果が世界の耳に入っていないんだ」

「なるほど」


危機感を感じてないリリネッドの態度に3人はいったん腰を下ろして座りこむ。


話が終わったところでポウラが言う。

「だから、オイラの嫁に来い」

「もういいからそれ、ギターを弾けるようになってからか指輪を買ってから出直して来いこの野郎!」


ポウラはクロウが何を言っているのかわからなかったので無視して続ける。

「オイラの国は他の国としがって治外法権(ちがいほうけん)があって他の国は手を出せん場所にある。君を助けられる」

「ポウラはどこの国の人なの?」


ポウラの仲間が止めようとしたが喋る。

「オイラの国は北の上にある小島のサイヒ(とう)という場所だ」


シンノスケが驚く

「サイヒ島って立ち入りを禁止している場所じゃないか!他の人との接触も禁止されているともいわれている」

「そうだ、俺たちはそこから来た」

「でも国があるなんて聞いたことがない」」


エクエスが真面目な顔でてつづけて話す。

「公式的に国とし認められてない。俺たちにいた島には俺たち以外死んだ」

「「「!!?」」」

「それもそうだ、文明を伸ばさなければいつしかこういった事になる」


ポウラは皆に聴こえるように言った。

「オイラは自分の国を作り、オイラが偉い奴だと伝える。その為に島を出た。そして勇者となる男だ!!」

ポウラはリリネッドの方を見て言う。

「だから、オイラと!!」

「ごめんなさい」


リリネッドは真顔で答える。


「なぜだ!!、君を守れるんだぞ」

「大丈夫だよ、私には仲間がいるし、勇者になりたいならなればいいし、欲しいなら上げるよ。でも…」

「でも?」

「勇者になりたいなら仲間を説得してからじゃないと私は嫌だ」


クロウ達は嬉しそうな表情を見せる。

「とりあえず、今は頼まれごとを一つ一つ終わらせないと」


リリネッドは街に向かって歩き始めた。仲間もそれについて歩き始めた。



唖然として動けなくなったポウラは仲間たちに言う。

「決めたぞ、オイラは絶対にあの子はを嫁にする。街へ向かうぞ」

「そうですね、あの街へ行くってことは冒険者達に狙われるってことですもんね」


ルーベルは胸ポケットにしまっていた新聞の切れ端を取り出す。

そこにはこう書かれていた。



『勇者。リリネッドを捕らえ、中央国まで連れてきた者に1億を贈呈する』と書かれていた。




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