第37章 自分のできる事をするだけ
どこかの倉庫らしい場所に連れてかれてしまったシンノスケは3人の姉妹に捕まっていた。
「申し訳ございませんがこの縄を外してもらっていいですか? さっきからヒリヒリするのですが」
とシンノスケが訴えっているが無視して3人は話す。
「本当にコイツにできるの?」
長い髪で影が薄くマスクで口を隠しているサヨが心配そうに言う。
「あれれえ~、でもエリちゃんが言ったしい~~大丈夫じゃない?」
3人の中で背が多く筋肉質のある難いでどこかふわふわした感じをだすハナがそう言う。
「大丈夫だよ、僕に目に狂いはない…はず…だけど…大丈夫だよね」
少し自信がない金髪でそばかすがある僕っ子シスターの格好をしたエリがそう言った。
ハナが片手でシンノスケを持ち上げる。
「あ、あの~僕は何を?」
「いいから、話はこのエリちゃんが喋るから黙って。そうすれば放してあげるから」
「ハァ~」
シンノスケは縛られながらエリの前に座らさせられた。
「貴方を優秀な僧侶として聞くけど、これが何かわかる?」
エリは貧相な胸板のポケットから禍々しい石を見せる。
「そうですね、呪いとは少し違いますね。う~ん、封じられているって感じですね。魔術の中に魔物の力が手を加えているようですが…」
3人は目を合わせて頷く。
「僕はエリ、こっちのが長女のサヨ姉、こっちの大きい方がハナ姉。私たちは父が残したメモ帳を手掛かりに旅をしている冒険者です」
「そうでしたか、なぜ僕が僧侶だと? 服装だけで決めつけたわけではないはず。それに僧侶ならこの街に沢山いましたけど」
エリが問う。
「僕は賢者やっています」
「賢者!! 世界で10人もいないと言われている賢者を…そうとう頑張ったんですね。それと僕を選んだ理由は?」
「この街の冒険者にこの石を見せても貴方の様に答えられる人がいなかったのです。あなたのお力を借りたい」
「その前に、この縄をどうにかできませんか? 逃げたり、襲ったりしませんから」
エリは少し黙り考えた後、シンノスケの縄を外す。
縄は魔術で作り出しておりシンノスケのアンデッドの力と相性が悪い効果を持つ縄の魔法が掛かっていたことでシンノスケは動けずにいた。それがなかった普通に外し逃げる事は可能であった。
だがシンノスケは困った女性3人の表情を見てなどうやら行き詰まっている様子だったので協力をしようと考えていた。
「で、僕はどうしたらいいですか? エリさん」
「とりあえず、僕達に付いてきてください。ここでは危険なので」
「危険? この石の解読は出来ています。確信が持てなかったので。アナタの様な優秀な僧侶の確認がしたかったんです」
3人は安心した表情を見せるもシンノスケはまだわからない事が多かったが、関係を持ってしまったので最後まで協力することにした。
●●●
街の下の下水通路に移動した4人。
エリはこの後にすることの説明をシンノスケに話す。
「この石に掛かった魔法を解除したいんです」
「あなた一人ではできないのですか?」
「この石の解除魔法を使うと周りに悪霊などが集まってしまって一人で出来ないのです。お姉たちは僧侶の力を持たないのと、関係ない人がもし来てしまった時のためにはお姉たちは必要」
「まあ僕は優秀な僧侶ですからね。ちなみにお二人の職種は?」
「私はアサシン。隠れて倒す」
「わたしい~~はあ~~…なんだっけえ~~」
「ハア~…。ハナ姉は格闘家だよ」
「どれも上級職じゃないですか!! でも今回の事を考えると使えませんね。わかりました。お手伝いさせていただきます」
エリは強力な魔術の魔法陣を地面に張り、中央に石を置いて詠唱呪文を始める。
サヨとハナも戦闘の準備をする。
「シンノスケって言ったかな? 貴方は強いの? 出来るの?」
「ま、まあ~、足手まといにならないように頑張ります」
エリの詠唱呪文を止めないようにサヨとハナが襲ってくる魔物を退治していく。
シンノスケも二人に負けないように戦う。
あっちこっちにいる魔物を次々と戦う中、魔物だけではなくモンスターも寄って来た。
「な、モンスターまで! (あの石の解除ができるほどこの辺にいる魔物やモンスターが近寄って来ている。なんだ? あの石は!?)」
「シンノスケ、ぼさっとしな」
「すみません」
エリに掛かる呪いや毒をシンノスケが払いのけながら、魔物とモンスターを倒していく。
「すごお~~い、シンちゃん。普通にい~~手ごわそうなあ~~魔物お~~倒していってえ~~るう~~」
「(すごいって話じゃない。倒すのが困難そうな魔物やモンスターまで普通に倒しる。それも簡単に)」
二人が驚く感じをシンノスケは気配で感じ取ってニヤける。
「クロウみたいなことを言いたくありませんが……。」
急に話し出すシンノスケに、サヨとハナは頭の上に?を出す。
「僕を選んでくれて本当に感謝です。 貴方たちは運が良かったですよ。僕以上にモンスターや魔物が詳しい僧侶なんて見つかりませんから」
「どいう~~ことお~~?」
「まあ、みなさんより50年ほど長く生きているので…って言ってもわかりませんよね。 まあ~、信用してください」
シンノスケはサヨとハナにバフを掛ける。
呪いも毒も負けない状態にしたあと、エリを完全防波堤の魔法陣のシールドを張って守る。
一瞬にして現れた敵を一掃したシンノスケ。
エリの詠唱呪文を終えると同時にムカデの様なモンスターが天井から現れ襲って来た。
3人は他の敵を相手して油断している中、エリはムカデのモンスターを見る事無く制圧する。
「解除はすんだ。あとはこの石に」
エリは石に賢者の魔術を掛けた。
「これでもう魔物達は寄ってこないはず。あとはいまいる魔物達を助けだけ。さっさと終わらせよ!」
まだまだ出てくる魔物やモンスターを相手に4人は怯むことなく次々と倒していく。
その後ろから多数のアンデッドも出て来た。その中には大きなアンデッドも紛れていた。
「おやおや、大きなアンデッドだ」
シンノスケは軽々と大きなアンデッドを倒す。
「へえ~やるじゃん。さすが勇者のパーティーの一人だね」
「ありがたい、お言葉。感謝します」
4人は襲ってこなくなるまで戦闘を続けた。
ある程度、魔物達が襲ってこなくなり4人は地上に戻った。
禍々しかった石は透け通るような緑色の石を太陽の光に重ねてみるエリ。
「お父さん……」
安心そうな表情でエリはその石を握り締める。
シンノスケはいろいろと聞きたかったがそれを聞くのは野暮だと思った。
サヨとハナはシンノスケの肩を軽く叩いたり押したりしながら感謝を伝える。
「本当にありがとう」
「シンちゃん、ありがあ~~とう~~」
「いえいえ、御礼なら僕ではなく、僕の仲間に行ってください」
「「「ん?」」」
「僕がここに居られっるのは仲間のおかげなので。本当なら太陽の下に出れなかったし、こうやって顔を出すこともできなかった」
「いろいろあったんだね」
「はい、なので…もしも御礼がしたいのなら仲間の危機の時。仲間を助けてください」
シンノスケが話している、ハナが大きな胸の谷間から指名手配書を取り出す。
「そういえばあ~~、勇者あ~~ってえ~~、お尋ね者お~~だったよねえ~~」
「あ、そうでした」
シンノスケはあっけらかんとした感じでそう言った。
エリはそんな彼を見て笑う。
「いいわ、もし何かあったら助けるわ」
「はい、お願いします」
その時、街の奥の大きな壁が壊され、城の方か騒ぎが起きた。
同時に街中にあるスピーカーからお知らせの報告が鳴り響く。
『元勇者で現犯罪者であるリリネッドと剣聖ユースが王を刺殺しました。まだこの国に残っています。決して逃がさないように』
シンノスケはマジかって顔をしたあと、エリ達の方を見る。
「さ、さすがにこれは無理よ」
「ですよね」




