第1章 勇者の誕生
世界は魔帝王国によって支配されている。とある場所では魔帝のモンスターの縄張りになっていたり、とある国では魔帝の幹部が王様となっていたりと悲惨なことが起きている。
魔帝王を倒すために冒険者がたくさん犠牲になる中、100年前まで世界を混沌の中に追い込んだ災厄の王・怪物の王と呼ばれるものがいた。そしてそれと戦った勇者がいた。
その勇者が使っていたとされるどんなモンスターも一撃で倒せると言われる剣がトダイカ国のギョク城の地下の奥にカビや、コケだらけの場所の中央の台座に剣がささって見つかった。
ギョク城の王は世界に報じ、『この剣を引き抜いたものが世界を救う次の勇者へとなるチャンスを手に入れさせよう』と。
そして翌日には続々と勇敢なる者たち集まり列ができた。城の兵士たちは戦士たちを並べさせ列を作り、一人一人、その剣を抜かせていった。ある者は巨大なドラゴンを倒した者、ある者は国の英雄と呼ばれた者、そしてある者は、囚われた姫を助けた剣士とそれぞれが困難な戦いを通ってきた勇敢なる戦士たち。だが、誰一人として剣を抜ける者は現れなかった。
その中、列の一番最後で並んでいた二人組が話をしていた。
「あの剣を抜いたものは勇者となれるって話は本当なのか?」
「多分な、この国で一番偉い王がその称号をくれるそうだぁ」
「マジか!てか、イマイチ勇者の称号って何もらえるんだ?」
「知らないけど、噂だと、何処の店もタダになったり、勇者の称号を見せれば遠くの街まで手続きも不要になるとか」
「マジで!絶対に抜いてやる!!」
「お前に抜けんのか?」
「俺を知らないのか、俺は魔帝の幹部を一人を追い詰めたことがある男だぜ」
「ああ、スタダスの街に現れた幹部を追い払ったって話のやつかぁー、でもあれって頭の…」
「いいんだ‼、もういいんだ俺の話は、、、ところでお前は?」
「俺はお姫様を救った経験がある」
「っち!…目つきが悪い癖にお姫様を救ってウハウハって事かよ、いーなあああ」
「別にウハウハってわけではねぇ~よ」
と戦士の二人が話していると順番が来た。
「見てなぁ、俺様が抜いて勇者となる瞬間を」
「いいから早くやれよ、シンイチ」
「わかってるよ、サイゲツ。まあ、見てな」
シンイチは台座の前に立っていたら、少し離れたところで何かが割れた音がしたのでシンイチはそちらを見ると無料で配っている戦士たちが用の飲み物に城の侍女らしき少女が落として割ってしまっていた。
「何をするだァーッ 、貴様‼」
「ご、ごめんなさい。少し喉が乾いたので」
「これは戦士たちの飲み物だぞ」
「そ、そうですよね、ごめぇんあ~あああああ」
と侍女がその場から離れようと移動した際に足がもつれて転びそうになりフラフラとシンイチの方へ移動してきて剣のグリップに手が触れてそのまま転倒した。
「だ、大丈夫か?」
「は、はい。ご迷惑おかけしてすみません、戦士さ…ま?」
シンイチや他の戦士や兵士ならびにその場のいる人たちすらみんなが驚いた。なぜなら、侍女が剣を引き抜いたからである。
●●●
数時間後、街ではパレードが始まり中央広場で王様と兵士そして剣を引き抜いた少女が立っていて住民はそれを見ていた。
「皆の衆、こちらにいる者が剣を引き抜き魔帝王を倒す勇者である。世界に広めるのだ。新の英雄になるこの顔を‼」
回りの住人は喜びと歓迎で騒ぎはじめる。ある人達は酒を飲み、ある人たちは踊りだしたりと新たな勇者を歓迎祭りを起こす。
「ところで君の名前は?」
王様が少女に聞くも少女は今起きていることがまだ理解していない状態であった。
「まあいい。兎に角、これから旅に出るのであれば一緒に行く仲間が必要なのではないかな?」
「え?」
「私の国の兵を連れて行くと言い。(我が国の兵が魔帝を倒したパーティにいたとなれば我が国も大王国へとなりおるわい)」
「は、はあ…」
勇者の前に兵士たちが数人立っている。
「彼らは我が国の兵士です。職業は戦士や魔法使い、武闘家などがございます。パーティは最低でも4人が…」
「じゃ~この人で」
勇者は適当に指をさして一人の兵士をさした。
「え」
「この人だけで」
●●●
さらに数時間後、勇者と一人の男の兵士は旅を始めた。
「なんか、よくわからないまま話が続いて理解しないまま今の状態までなってしまったけど。私は、何をすればいいんだっけ?」
「勇者様、あなたは世界をほぼ支配している魔帝国の王を倒すことが目的であります」
「なんで?」
「そりゃ~その剣を引き抜いたからですよ」
「こんな薄汚い剣が」
「はい、その汚らしい剣が魔帝王を倒すことができるとされているからです」
「こんな剣が?」
「そんな剣がですよ」
「ふう~ん」
「(コイツで大丈夫なのか? こりゃ~世界は終わったな)」
「ところでそのマテイオウ?ってのはどこにいるのか知ってるの?」
「魔帝王です。もしかして勇者様は新聞とか見ないタイプですか?」
「見ないかな、世界に疎い」
「そうですか…」
「で、場所は知ってるの?」
「はい、知ってますよ」
「え、知っているの?、なら…」
●●●
魔帝城。そこは空は暗く黒い煙がったいこんでいるところ。人間たちが入ってこれない裏世界に存在している世界。
魔帝王国の王が玉座に座って目の前に秘書のような魔物が王に向かって話す。
「で、あるからして、現在の幹部9名のうち2名の連絡が取れなくなり、3名が完全に国を乗っ取ることに成功なさりました。いかがになりますか王よ」
「そうだな、ならば…うん?」
と秘書の魔物の真横に勇者が現れた。
「え!?」
勇者は固まっていると兵士があとから現れた。
「あ、勇者様。間違えました」
そう言って兵士は勇者の肩に触って二人は消えた。
魔帝王は言う。
「勇者…だと」
●●●
勇者は泣き目の顔で剣を振り回しながら逃げる兵士を追う。
「すみません、間違えました」
「間違えで済まさないよ!!」
数分後、勇者は疲れてしゃがみ込む。
「とにかく、一回落ち着こう」
「じゃ~この辺で野宿でもしますか」
「うん」
焚火を作り二人の話をする。
「そういえば、貴方の名前を聞いてなかったね」
「俺か?、俺は…適当でいいですよ、一兵士だったんで名前なんて無い様なもんでしたんで」
「私も似たような感じだから、一侍女だったから」
と数分沈黙があった後に兵士が話し出す。
「じゃ~俺は城にいた時に名乗っていた、クロウ。 クフェア・クロウで行きますよ。それじゃ~勇者様は………適当にリリネッド。 ネリネ・リリネッドでいいですか?」
「別にいいけど、それなんか意味とか由来あるの?」
「ないですよ。珍しい名前ぽい感じしたし検索すればすぐにヒットしそうな感じがあったから。あと敬語つかれたんでやめてもいいですか?」
「好きにして」
「じゃ~好きにする」
勇者・リリネッドは疲れて眠りについた。
●●●
その頃、魔帝城では。魔帝王は映像を使い仲間に連絡を取っていた。
「天界国、深海帝国、ならびに幹部どもよ。新たな勇者が現れた。いいか皆の衆、勇者を捕らえよ。決して忘れぬ、勇者にされたあの屈辱を」
世界に新たな勇者の誕生が広まり、勇者・リリネッドの冒険が今始まる。