閑話 【新婚旅行の許可の取り方】 パパと陛下…♡♡
「採取ってやっぱり、あれですよね。
ちゃんと俺、白衣を着た方がよろしいですよね?」
結構真面目に陛下にお尋ね。
今日は、わりとご機嫌がよろしいようにお見受けするので。
雑菌が混じるのも怖いけれど、一番ヤバいのは周囲の人間の遺伝子混じっちゃったりするのが一番不味い。
周囲って、俺以外居ないか。
陛下に、そういうもの(子種?)を頂く時って。
申し訳ないけれど、俺の口を使ってなんて絶対NG。
百万が一でも、俺の遺伝子を唾液から読み込まれたら大変じゃん。
《マケル人間製作工場》の仕組みを把握はしてはいないけれど、俺は大学·ユニで遺伝子工学の基礎授業は受けた。
ユニでは、主に物作り関係の講義を受けていたから、人工受精とかの‘なまもの’扱う方は、専門外なんだけど。
作り方は専門外でも、作っちゃったエライものやら、処分に困るものやらはちょっと見慣れたかも。
仕事の方で。
陛下に関係する事で、そんなモンスターを見ることになるのは、絶対に嫌だよ。
「そうだな。」
おりょ?陛下どうしたんですか?意外です。
「白衣の下に着衣は不要であろうな?」
うえええ、それって‘裸エプロン’の親戚かなんかですか?
‘裸白衣’?
嘘、外科手術する医者も看護師も白衣の下に衣類無しで治療するのなんて、聞いた事もないぞ?
「マケル宰相の茶番に付き合う馬鹿ばかしい真似は、一度きりで充分だ。」
仰る通りです。陛下。
「故に、失敗をしては面倒だ。」
ん?
「失敗の無いよう、事前に演習を重ねておく事は、作戦の成功を導く。
サリュー、お前も軍を預かる身として異論はあるまい?」
「ええええ?陛下、あのよくお話が分からないのですが?」
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どうして、白衣着ての予行練習を、今ここで?
アラフォーの‘裸エプロン’違った‘裸白衣’って痛すぎますって。
「陛下、私の年齢をご存知ですよね?
今年で、40に成りまして、20歳の坊やの2人分ですから。」
「プッ ‘私’だと?
お前は、20歳の小僧の頃とさほど変わらん。」
「ここもな。」
ここって、どこですか?
白衣脱ぐんなら脱ぎますけど、どうして中途半端にたくしあげるんですか。
白衣の衛生上これ、絶対にいけない使い方ですよ。
「この形の‘白衣’は、勝手が悪いな。
次は、上下に別れたものが、脱がせる手間もかかって興が乗るやもしれぬ。」
「次? 次って何ですか陛下。」
「まあ、これはこれで、なかなか。」
立ったままで、後ろから前に手を回されると
キツいです陛下。
陛下に寄りかかるのもどうかと思うし。
陛下の前に回った手を払おうと必死で抵抗しても、力入んないし。
えっと、このソファー長椅子の後ろに掴まってろって事かな?
「足を開け!」
うわ、ここでこのまま作戦の遂行?
ちょっと、無理かも、若い時と違ってホントに。
ええ、片足持ち上げられたら、関節外れますよ。本当に。
陛下曰くの、予行練習の2回戦目を、寝台に場所を移して。
息がぜーぜーしながら、もう‘おねだり’してやる。
「あの、陛下、作戦の本番の前に《家族旅行》に行ってもよろしいですか?」
「家族旅行?なんだそれは。
今、お前のところの飼い猫2匹、外に放逐してあるのではなかったか?」
「あの、……
マケル宰相のお嬢様と。
えっとうちの家令や、ミラージェン嬢の婆やさんは絶対に来るって言うだろうし。団体旅行で。」
「ほお。」
あ、この‘ほお’怖いやつだ。ご機嫌急降下かな?
「長くは時間を取りません。すぐに陛下の元に帰還致します。」
軽く敬礼、うんちょっと俺、陛下に‘お願い’要領分かって来たかもです。
‘陛下の元に’のフレーズを何気に混ぜたからさ、凄腕おねだり。笑
「ほお。」
あれれ、3回戦突入って、これは本当に無理だってば。陛下。
スーっと視界が落ちる寸前に耳元で、陛下が囁かれた。
「サリュー、命を惜しむならマケルの娘を抱くな。分かっているな?」
陛下、命が惜しくてこの商売はやっていられません。
でも、もうこれ以上‘面倒臭い’を抱える気力も体力もありませんから。
アラフォーですって。
陛下、初めてお目にかかってから27年ですよ。もう。




