閑話 【マコの結婚家族合わせとパパの休日】
お父さんお母さん、そんなに《平民レジスタンス》気になさってたんですか?
いやいや全然ですって。
信念の元で、ゲリラ活動って、俺は大好物ですよ?それ。
今日はマコの彼氏、レヴィオン·ビステル准将の御両親が、我が家に足を運んで下さっている。
ミラ様も、‘家族合わせ会’にいらして下さった。
《ミラ様ルーム》もうちの中に完成して、マコがどや顔で自慢。
独身女性の部屋に足を踏み入れるのは失礼なので、俺は見ていません。
?独身女性? 変かな、まあいいや。
スールさんに任せておいたら間違いないや。
レヴィ君のお父様が最初に口にした言葉にビックリした。
《家格の差》?ってなあにかなぁ?
俺、ちょっと嫌味に聞こえちゃうか?と心配しながら。
「お宅のような古い家柄の息子さんとは、成り上がりの傭兵上がりの娘では家格が不足とご不満に思われるって事でしょうか?」
ケンカ売る気なんて、無いんだけれど初っぱなからちょっとびっくりしちゃってさ。
「パパあーーー! 何を言ってるのよ!
レヴィのお父様は、そんな事仰ってるんじゃないわよ!
パパの馬鹿あ!」
マコが絶叫した。
「マコちゃん、お黙りなさい!
あなたのお父様は、馬鹿ではありません。
少しばかり、忍耐が足りないだけですわ。
黙ってお話の先をお聞きなさいませ!」
ミラ様、それってナイスフォローって言うんでしょうか?
ちょっと疑問です。
はい、ここでぶった切ったらダメっ事ですね。
ちゃんと、お話しますって。
「ビステルさん。
乱暴な言い方に聞こえましたら、申し訳ありません。
私自身も、《平民レジスタンス》の志を高く信念を貫かれていらしたレヴィオン君の御両親に負けず劣らず、実の無い因襲で長らえて来た‘名家’が大嫌いなもので。
過剰反応してしまいました。
申し訳ありません。
お詫び申し訳あげます。」
一人称の‘私’何年ぶりにかに使ったね。
威張るもんでもないけど。笑
「ただ、先に誤解のないよう、一言。
自分もこの帝国において要職を賜り、長年忠誠を尽くして生きて参りました。
ですから帝国の有り様を根底からひっくり返したいという、革命理論を持ち合わせている訳では無いことをご理解下さい。」
「家は家でも、その家の手の内の人間に幸せをもたらすように。
時代の流れを正しく判断して、自身の才覚で家格を保って来ている家。
そこには、ある程度の尊敬をもちつつ、軽蔑をしようとは思いません。
ですが、その家の家格を保つために逆に、本来なら幸せを与えられるはずである人間を薪の代わりにする家には嫌悪しか持ち得ませんが。」
うん、伝わったかな?
マコうるせえぞ、小声でも聞こえてるぞ!
『パパちゃんとした話もできるんだ?』
それ、なんだよ。
それから、ビステルご夫婦は、自分たちがなぜ《平民レジスタンス》に身を置くことになったのか。
親の代からの出身と背景を端的に話をして下さった。
とても、頭の切れる方達だね、レヴィ君の御両親は。
人に聞かせる為の家の名前など無いこと。
自身の過去の行動が帝国に弓を引く事と誤解をされないかを。
とても危惧していらした。
こっちは、うっかり本音を言ったら、馬鹿貴族をいくつか潰しておいてくれたのは、お見事って言いたいよ。
逆にこの帝国の為じゃないですか?
横のミラ様目線が、宰相閣下みたいで怖いから言えないけどさ。
そのお年まで、今も信念の仕事をやり続けてきて、筋を通した傑物でしょう?
あなたは。
マコには最高の舅様ではないですか?
俺なんか、とてもじゃないけど、その年まで働く気力なんてないって。
もう全然ですよ。
すでに息切れしてますから、仕事やめたくって。
もうひとつ、お話を伺ってるうちに、ええ?あれれ?
と、驚いた事発見した。
俺って、この帝国軍の広報に、どういう広げられ方をしているんだ?
軍の中はともかく、外にはどっちかって言うと、秘密主義っぽく扱われているものだと思っていた。
俺って、《古い王国のお姫様と、この帝国に剣で仕えた名家の息子》の間に産まれた子供らしいよ。
間違ってもいないけれど、色々違ってるぞー?
俺の任官に際して、あっちこっちを黙らせるのに、苦肉の広報活動が普及されていた訳なんだ。
はあー。どうせマケル宰相の采配だよね。
浮浪児とたいして変わんない傭兵上がりを、陛下のお側に箔をつけないで置けないって事かね。
庶民感覚では、思いもよりませんでした。
これは、今日はちょっと気力がいりそう。
でも、しょうがない、頑張るよマコのパパだからさ。
「ビステルさん、その私の出自ですが。
嘘ではないけれど、正確とも言えないってところでして。
あの、失礼ではなかったら、今日は軍の会議でもないので、そろそろ地を出して話をさせていただいてもよろしいですか?
なんせ、俺、レヴィ君みたいにちゃんと士官学校出てるエリートと違って傭兵上がりの叩き上げなもんで。
行儀良く話をするのに、時間制限のスイッチが背中に付いていて、そろそろ起爆しちゃいそうでして。」
爆笑いただきましたので、楽にさせていただきます。
スールさん、メイドさんが、お酒や飲み物、オードブルをいいタイミングで運んでくれています。
はい、俺は飲みません。
ミラ様、スールさん、こっちに目配せくれなくてもわかってます。
まず、乾杯。
なるほど俺のグラスは、ノンアルコールですね。
ビステルさんにお話をしていただいたように、こちらの事情も端的に話しました。
俺の母親は、今はもうない宗教公国ターリスランの山ほどいた10何番目の名ばかりの王女で。
父は当時は帝国軍で少佐の、昔は剣を使う家の息子であった事。
子供のうちから修道院に入っていた母が、国が滅びた後に戦後処理の任でその地を訪れた父と一緒になって、この帝国にくっ付いて来た事。
父は、親が後押しをした正妻が既にいたので、自分は脇腹であるので、そんな大層な家柄もへったくれもない事。
海辺のスラムでは、‘かろうじてないけれど’くらいの家で産まれ育った事。
妹が1人いる事。
父が戦死をしたあと、立て続けに母も亡くなったので、士官学校の幼年部を途中退学して妹と2人で帝国を出て生計をたてるに至った事。
運良く、知識を得る大学に奨学生として学ぶ事が出来た事。
妹はその間に、縁あって他国に嫁いで今は元気にしている事。
先日、妹が慌ただしくこの帝国に数時間だけ寄港した時に、レヴィ君に紹介する機会があったばかりだと。
マコとマコの弟アロマの母親と自分は結婚には至らなかった事。
彼女は大学時代の先輩で、事故で既に亡くなっている事。
マコの母親の父も、同じ大学の出身の学者であったが、早くに亡くなった事。
こちらも、質問を重ねられない程度、でも要らないことは言わないでと、言葉を選んで話をした。
向こうにしたって、大事な息子さんがワケのわからんのと一緒になるのは気味が悪いだろうしね。
ね、ホントにたいして自慢できる事がなくって申し訳ないですって。と
面白かったのは、ミラ様も真面目なお顔で自分の出自、結婚歴、それは良いのにと思った事まで話してくれていた。
この人って、根が生真面目な人なのかもしれない。
それから、食事会が和やかに行われた。
とても美味しくて、今日の日のために家のみんなが色々と、心を尽くしてくれたのが良くわかってありがたかった。
お酒も進んだことで俺以外は盛り上がって。
なんだよ、レヴィ君のお母さん、ずっとあまり話してなかったけれど。
いける口ですね。
明るいおかみさん系じゃありませんか。
気が合いそう。
その、お母さんが
「ターラン家では、式はいつ頃にお考えですか?」
「いやいや、ターラン‘家’も何も、俺は2人で何でも良いように、2人のいいタイミングでって事で口を出すつもりは全然ないです。」
「うちもそれに同感です。」
レヴィパパが。
「あまり婚約期間が長いのも、私などは昔の古い頭のせいでしょうか?
世間様にだらしがないと、思われる気も致しますのですが。」
レヴィママが仰るのを受けて、ミラ様も。
「軍での地位が、ビステル准将の位になりますと、
次の軍事広報新聞で、婚約の発表が載せられる事になりましょう。
私もビステル婦人の仰るように、あまり長い春というのも如何なものかと思いますわ。」
えっと、どうしてみんなで、俺を見るのさ?
「はい、どうぞ皆さんでよろしいように。」
マコが
「出たわ!パパの丸投げ作戦。」
************[だいぶ完成近いよ!《サリューのおもちゃ》]
目が覚めたら、背中がパンパンで利き腕が上げられない。
うわ、これが噂の『‘四十肩’』、ホントにじいさん仕様なっちゃった俺。
ベッドで『うんうん』唸っていたら、白シャツさんが飛んできて。
「8時間、微動だもせずに座りっぱなしでは。
そのように長くモニター前で打ち込みをしていらしたら、
誰だって体が固まります。」
と、言われてしまったです。
今日は、10日に1回の完全オフの日です。
入院なんかして見せてから、俺のくせに?ちゃんと休みをとらせて貰っています。
それにしても、昔は2日や3日寝なくても何ともなかったぞ?
劣化するばっかりで、嫌になるって。
昨夜は、俺、頑張って部屋の入り口に向けて
『今日は中断をしたくないです。お願いいたします陛下』
のオーラを全身で放っていた。
甲斐があって、夜に食事をとってから明け方までの時間。
頭の中に妄想作成しておいた、20年以上の設計の貯金を。
一気に外に打ち込んで、吐き出しができました。
これで、だいたいの《中心の心臓部以外はまだの、外側とか》は目処が着いてきたかも。
後は、エンジン装置とその周辺をもう少し精査して、ドーンとはめ込む。
出来ているところまで、後で製作チームに下ろして来ようっと。
楽しみ。
ワクワク。
今日の休みを使ってあっちこっち説明して歩いても、1日では足りないか?
でも、行けるところまで、頑張るぞーと。
明け方、やりきった感いっぱいで、水分とって、シャワー浴びてバッタリ。
5時間位寝て起きたら、こんな有り様でした。
アラフォーは、頭と体の連動の齟齬が著しいです。
何のことはない、『体力がついていかない!若い人のようなはいきませんなぁ。』
ぼやきじいさんになっているわけです。
ちょっと、白シャツさんにお願いして。
「すいません、少しで良いので、ベッドに上がって背中押して貰えませんか?
そうして貰ったら、動けるようになりそうな気がするんですけれど。
お願いします。」
はじめはベッドの上で、うつ伏せになった俺の背中に立ちあがって、足で‘踏み踏み’をお願いしたんだけれど、大人の男の人だと安定しなくて。
子供たちが小さい時は、これやって貰うと、子供もキャアキャア喜ぶし、こっちはちょうどいいマッサージで良かったんだけど。
しょうがないから、俺の尻のあたりに跨がって座って貰って、肩甲骨から背骨に沿って体重をかけて貰った。
「わあっ気持ちがいい。ほー。」
変な声が、出ちゃいそう。
これで、熱いお風呂に浸かって肩を回したら動けそう。
こんなんじゃ、銃も剣も振り回せないよね。
傭兵上がりだよね?俺、情けなすぎ。
ふーふー、気持ち良いです言っていたら、おっかない顔で腕を組んで仁王立ちの陛下を発見。
「何をしている?」
別に変な事なんかしていないです。
凝りをほぐして貰うように、俺がお願いしているだけですから。
「ほー。ではほぐしてやろう。」
陛下の奥向きで、熱いお風呂につけられてマッサージされた。‘陛下に’ね。
あれやこれやで、体の血の巡りは良くなったけれど。
朝からの(昼に近かったのかな?)運動とマッサージでふらふらですけれど。
それでも、少しでも早く製作の形に入りたかったので、
製作チームの凄腕達には、ちょっと無理を言って集まって貰った。
説明に取りかかったのが夕方。
結局ざっと説明を終えたら明け方になっていた。
秘密事項が外部に漏れる心配がないのが、軍の組織のありがたいところ。
凄腕さんに預けられるところは、皆さんに預けさせて貰って。
戻って今日(もう明日ではなくなって)の仕事に備えて仮眠を取りました。
また、ドクター‘マドク氏’に、陰険な嫌みをたっぷり言われそう。
製作チームは、みんな俺と同じオタク気質満載。
キラキラお目々で、鼻息荒く変なテンションになっていたから、ちょっと心配。
『生きていて良かったーー。死ぬ気でかかります。』
死んだら元も子もないから、死なないで作って欲しいですけど。
目に入れて下さった方が、どう思って下さったのだろう?ドキドキ
今日の暇潰しや気分転換になってたりしたら嬉しいなあと思っております。
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(〃⌒ー⌒〃)ゞ




