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第二十四話「弁当」


蒼の正面に弁当を机の上に出した綾音と望海が座っている。教室にいた生徒たちが興味津々で視線を向けてくる。

「二人は、いつも一緒に食べてるの?」

「いや、そんなにないよ。僕は、一人の時が多いし」

「私は、基本的に友達と食べてるよ」

「ふ~ん。ねぇ。二人はいつから仲が良くなったの?」

「ここ最近だよ。綾音から声をかけて来たんだよ」

「へぇ~。以外」

「そう?」

望海は、蒼と綾音のことを色々と聞き出す。

「入山君は、いつも購買なの?」

「まぁ。そうだね」

「それじゃ、栄養バランスおかしくなっちゃうよ。私が弁当作って来てあげようか?」

綾音の箸が止まる。

「え!いいよ。悪いよ」

蒼は、両手を横に振り断るが。

「気にしないで、私がそうしたいから」

困り顔になる。

「相川さん。蒼が困ってるよ。購買でいいって言うんだから」

「いやいや。駄目よ西沢さん。入山君には、ちゃんとした食事をとらせないと。というか西沢さん。ここ最近一緒に居るのに一度くらい入山君に弁当を作ってあげなかったの?」

「そ!それは……」

望海の指摘に言葉が出てこず、歯をくいしばり悔しがる。その場の空気が少し悪くなる。

「相川さん。弁当を作ってくれるのは、嬉しいけど朝練とかあって大変になっちゃうよ」

場の空気を変えようと蒼は、微笑みながら言うと。

「ううん。大丈夫」

あっさり否定。拒否された。まるでこの提案が出た時にすでに結果が決まっていたかのように。

「……蒼。相川さんのご厚意受け入れなさい」

綾音は、下を向いたまま呟く。

「綾音……じゃ、毎日じゃなくていいから気が向いたらでいいから」

「うん!そうするね」

望海は、笑顔でそう言って食事を再開する。それから一言も言わずに綾音も箸を動かし始めた。蒼は、この先この二人が言い争いなどにならないでほしいと、心からそう思った。

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