表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
バベルのこどもたち   作者: 苫夜
16/40

第16話・DREAMS COME TRUE? ①

「DREAMS COME TRUE?」編スタートです!

「わ、私が生徒会長???」


そうベリーズはすっとんきょうな声を上げた。


「ええ、そうだわ。『学校』の生徒全員で行う「生徒投票」の結果、ベリーズちゃんが次期生徒会長に選ばれたの。」


そう友人のアスカは答える。


ここは、50階層、通称『学校』。

バベル唯一の教育機関であり、平民層の子供から、富裕層の子供まで適齢期になったら全員がここにはいる。期間は6年だ。この6年の間に、子供たちは最低限の読み書きや、計算、マナーを学ぶ。ここで優秀な成績を修めた者は、卒業後に『軍隊』や『政府』に引き抜かれると言うのがもっぱらの噂だ。

現在、最終学年であるベリーズたちの中で、1人だけ『学校』において特別な存在として認められる。それが生徒会長。

他の階層とは違い、この50階層では、「階層管理者」の地位は生徒会長に与えられる。


「階層管理者」とは何か?

それは、『政府』が認めた、その階層のトップであり、各階層に一名任命される存在である。

「階層管理者」には、かつての民主主義国家でいう、「議員」となり、このバベルにおける問題や要望を「会議の間」で開催される、「階層会議」で話し合うことができる。

要するに、


「ベリーズちゃん「階層会議」にでれるのかあ。いいなあ。」


ということである。

生徒会長選挙は最終学年全員候補制であり、6学年全ての生徒が1票ずつ候補なら誰にでもいれることができる。

投票の判断ポイントは、「この『学校』をどうやったら発展させることができるか。」である。『学校』の大広間に貼られた候補者全員のポスターには、顔写真、名前と、その問いに対する答えが書かれている。

ベリーズが答えとして書いたのは、


「もう凄いびっくりした!ベリーズちゃんあんなことを考えつくなんて!」


ということである。


「別に、普通のことを書いたつもりなんだけど…」


「ううん!私じゃとてもそんなこと思いつかなかった。「階層会議」は来月らしいから、急いで準備しないと!」


友人からの、過剰にも思える褒め言葉を聞いて、ベリーズは少し照れながらも、走るアスカの後ろを追いかけていった。しかし、実際生徒会長に選ばれたのだからその褒め言葉は正当なものである。それだけベリーズは皆に支持されたということなのだ。


ベリーズは慌ただしく生徒会長就任における様々な儀礼をこなし、『学校』の授業もこなしつつ、皆からさらに意見を集める。


そして、あっという間に1ヶ月は過ぎ、いよいよ「階層会議」当日となった。


リフトを使って、一気に98階層まで上がった。

上がりきったベリーズの前に見えるのは、漆黒の壁と床と天井。

周りをキョロキョロおのぼりさんのように見ながら、ベリーズは案内役の『軍隊』の後をついていった。そして、「会議の間」に到着すると、自らの席にベリーズはついた。どうやら、ベリーズが来る予定の階層管理者のラストであったようだ。


空気が張り詰める。


そして、1人の男が奥から現れて、1番上座に座る。

男の名前は、アルテン・ヨードルジャフという。

またの名を、「バベル総階層管理者(マスター)」。


『政府』のトップであり、このバベルを牛耳る男。


「それでは、「階層会議」を始めるとしよう。」


ヨードルジャフは、低くよく通る声で、そう宣言した。







ブックマーク登録や、ポイント評価よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ