スバルくんを好きなことがバレたら生きていけない
そのメイセイの頬は熟れた桃のようで、目は夢を見ているように泳いでいる。
「なあ、宵野!」
「メイセイ。」
「……メイセイ、お前……」
「スバルくん、看板はできたし。見て!」
メイセイが指差した方を見た瞬間、スバルの顔が輝いた。
「看板……学園祭の?……え?クオリティすごくない!?
よし、仕上げやろうぜ。」
そこから二人は、日がとっぷりと暮れるまで作業を続けていた。
作業の合間合間に、スバルは、メイセイの切れ長の涼し気な目や、
意外と品のいい整った横顔を、チラリチラリと盗み見ていたのだった。
***
駅に向かう人通りのない下り坂。
「宵野、お前……」
「メイセイ。慣れて?」
「担当ポスターは何だっけ。」
「【21世紀に引退した列車たち】」
「それは熱いな。トゥルリラインバータ入れた?」
「当たり前でしょ。走行音だけのBlu-ray買ってるし。」
「まじか!高いでしょ。」
「高かったけど、音だけ流して勉強したりしてる。」
思わずスバルはメイセイを横目で見た。
「お前さァ、やっぱ鉄ちゃんじゃん。
なんで部活に来ないわけ?前は来てただろ……勉強?」
メイセイは一瞬黙って地面を見たが、ポツリと言った。
「スバルくんがいるから。」
「僕?」
生温かい風が二人の間を吹いている。
「部活に行ったらバレると思った――俺がスバルくんを好きなことが。
バレたら生きていけないっしょ。」
メイセイの諦めたような小さな声が、大きな並木の間を縫っていく。
「スバルくんが部長になってからは完全にダメだった。」
「な……なんで?」
「見ちゃうし、勃つから。」
※サクサク読みやすい短さでポンポン更新し、今週中に完結予定です。
『【BL】終局の悪魔―俺を利用するはずの白髪高官が、なぜか俺の目を美しいと言ってくる―』
ドルチェ×フィーネ(左右固定)、終盤に向けて身体接触も保証です。
全51話、9月16日完結予定。
https://ncode.syosetu.com/n4565ml/




