タイトル未定2025/12/29 21:29
病院のロータリーの中にあるバス停に着き、マスターはバスが来る時間を確認した。
バス停のベンチにマスターと大門は座った。
「お友達、大丈夫かなぁ」
不意に大門が、マスターに言った。
「もう、しゃべることもできません」
「可哀想……」
「びっくりさせて、しまいましたね」
「七海は……」
「ん?」
「お友達が、寝たままになって、七海は悲しくない?」
「悲しいですよ。でも、こうなることはわかっていました」
黙り込んだ大門は、マスターの肩に寄り添った。
大門を見つめたマスターは、携帯を出してラインを送った。
携帯をしまったマスターに、大門は不安そうな顔で聞いた。
「誰に、送ったの?」
「今夜は、お店を休みにします。そのラインを送りました」
「お店、休んでもいいの?」
「今日はずっと、大門といたいんです」
大門は、マスターの手をしっかり握った。
バスを降りたマスターは電車に乗る前に、まちこの携帯に電話をかけた。
電話を終えたマスターは、大門に言った。
「おまちさんに、今日はマンションに来なくて良いと伝えました。明日の朝、おまちさんが来てくれます。大門、今日の夕飯一緒に作りませんか?」
「七海と?」
「はい。何が良いですか?」
「う〜んとぉ。ハンバーグ!」
やっと大門に笑顔が広がり、マスターは静かに微笑んだ。
電車に乗ったマスターと大門は、マスターの携帯の動画を見ていた。
見ていた動画は、レシピ集だった。
電車を降りてスーパーに寄り、夕飯の材料を買い込んだ。
マンションに戻ると、早速夕飯作りに取り掛かった。
スーパーで見つけた子供用のエプロンを付けた大門は、大はしゃぎだった。




