48.順番
「あ、あなたは・・・?」
と健吾が言うと同時にリリィとキョウコは椅子から立ち上がっていた。
キョウコは片膝を付き、リリィは両手でスカート部分を少し持ち上げて礼をしている。
(おお、ソレってカーテシーとか言う礼だよなぁ、初めて見た。)
(って事は相手は目上の人・・ん?聖女様より目上の人・・・!?・・という事は!?)
(王族!!?)
さすがにヤバいと感じ咄嗟に日本式のお辞儀をする。
「ああ、そんなにかしこまらなくてもいいよ、僕が無理言って会いに来たのだからね。」
「うーん、コレほんとに美味しいねぇ、あ、君!もう一つ頂けるかな?」
カツサンドをペロリと平らげ、またおかわりを所望している王族らしき青年。
「僕の事覚えてる?謁見の間で一応玉座の横に居たんだけどね。」
「す、すいません!召喚されてすぐで気が動転してましたので・・・。」
「はは、いいよいいよ。国の為に色々貢献してくれているみたいだし、・・・レベルアップの提案とかね?」
(え、それって帰ってきて裏門でした提案の事・・?情報はやっ!さすが王族・・!)
お昼前に裏門に到着し、そこで提案したレベル上げの話を聞き、30分も経たないうちに王族自らがやってくるという情報網の早さに感心してしまった。
とりあえずこのイケメンさんに同じテーブルに座ってもらい話を聞いてみる事に。
「先に名乗っておこう、僕はケビン。ケビン・エーリックだ。この国ゴールドランドの第一王子で王太子をしているよ、是非お見知りおきを。」
キザなポーズを取りバチン!とウインクをしてくるイケメンマッチョ。
しかし料理長特製のとんかつを食べる手は止まっていない。
「おおお、次期王様!・・ですよね!?す、すごい!」
「ふふふ、・・・スゴイだろう!?」
すごくノリがいい王太子殿下。
現世、特に現代日本では一般人が王族や貴族と会う機会がほぼ無いため、階級というものの理解に乏しい。
普段会わない貴族よりもブラック会社の課長の方が偉い、健吾にはそんな認識だったので純粋な王族と会えるのはかなりトキめいた。
不敬にならないか精一杯配慮しながら尋ねてみる。
「そ、その王太子殿下が来て頂くほどの要件が・・・僕に?」
「そうなんだよ、先ほども言ったけど騎士団全体のレベルアップの話でね。」
「は、はぁ・・・。」
ふと横を見るとキョウコは王太子とテーブルを共にするという奇跡に感動して震えていて、聖女様は王太子と一緒にとんかつを美味しそうに食べていた。
(王太子がいてもこの変わらなさ・・・聖女様ってかなり高位貴族様・・?)
「いやしかし、このとんかつのレシピを教えてくれてありがとう。それにこのソース、本当に美味しいねぇ。」
「でしょう~?」
聖女様と一緒にニコニコしながらパクパクと食べまくっている。
「おおっと、話が逸れたね。そう、僕が来たのはそのレベルアップの順番の話なんだよ。」
「ああ、はい。申し訳ないですが騎士団同士はあまり仲がよろしくないと聞いています。」
ハッキリと言う健吾にキョウコはビックリ、聖女様は気にもしていない。
「そうそう我が国の騎士団は3つあってね、まぁ・・・一番偉いのが近衛隊もいる第一騎士団なんだけどさぁ・・・。」
「よ わ い ん だ よ ね。」
「ええええ」
王太子ともあろう人からの超絶ディスりに驚く。
「そ、そんな事言っちゃって・・いいんですか?問題になるんじゃ・・・。」
「ああ、いいのいいの!」
「だって僕が「第一騎士団長」だからね!」
「えええええ!!」
自分が所属する第一騎士団、しかも団長、なのに自らディスる。
やたら軽いノリのケビン王太子の爆弾話に思考が追い付かない健吾。
健吾 (楠本健吾) レベル19 火魔法使い
聖女様 (リリィ・ノーブレット) レベル31 聖魔法使い
序列三位さん (キョウコ) レベル50+ 風魔法使い
金髪マッチョ(ケビン・エーリック) レベル??? 王太子 第一騎士団長




