106.土壁構築
星の数ほどある作品の中からこのお話を見つけて読んで頂きありがとうございます。
少しでも楽しんで頂ければ幸いです。
新章始まります。
・・人物紹介・・
楠本健吾 Lv50 火魔法使い 元社畜廃人ゲーマーおじさん
スティング Lv90 風魔法使い 筆頭宮廷魔導士 王太子派
リリィ・ノーブレット Lv50 聖魔法使い 筆頭聖女 勇者PTの聖女の妹
テーズ Lv70台 風魔法使い スティングの師匠 ジジイ
コッヂ Lv70台 土魔法使い スティングの師匠 ジジイ
辺境伯 Lv70台
3人が空からいち早く森の外へ出る。
廃城のある旧領都から伸びた一本道が森を通っていて、森を抜けるとその先に新領都が見える。
「森から領都まで1kmくらいですかね。」
「じゃな。」
「ココで食い止めんと四方に散らばれたら厄介じゃ。」
テーズが森を出た先の一本道に降りる。
「あ、テーズさん、負担かけて申し訳ないのですが、地面スレスレを飛んだままにしてもらえませんか?魔力譲渡しますので。」
「な、なぬうう!?」
「走りながら壁を作るのはコッヂさんの体力を無駄に消耗します。なのでお願いします。」
「かーっ!こりゃワシも本気出さんといかんな!好きにせえ!」
「ありがとうございます!ではまずこの道から左方向へ森を囲むように壁を作っていきましょう。」
「おう!任せとけ!」
テーズが飛行魔法で3人を低空に浮かせたままコッヂが呪文を唱え始める。
「なぁ、ワシがレベル上げを70でやめた理由分かるか?」
「えっ?」
コッヂの詠唱中にテーズが唐突に問いかけてきた。
「えっと、風魔法の最大のメリットである「飛行魔法」を覚えるのがレベル70だからってスティングさんに聞きました。」
「そうじゃな、空を飛んで移動できるのと出来ないのでは天地ほどの差がある。」
「だから風魔法使いはレベル70を目指すんじゃ。」
「おおー。」
「まぁレベル高すぎてこの国には3人しかおらんがの!がっはっは!」
「そ、そうですか・・・。」
テーズに魔力譲渡をしながらコッヂの詠唱完了を待つ健吾。
「土もな、あるんじゃよ。」
「飛行魔法が!?」
「違うわ!これ覚えたら一人前どころか卒業ってくらいの土魔法じゃ。」
「お、おおお!」
詠唱を完了したコッヂがニヤリと笑う。
「それがこれじゃ。」
「大地神の壁!」
その途端地鳴りが響き、道から左側へ横に10メートル高さ5メートル厚さ3メートルの壁が、大地からモリモリと隆起していき完成した。
「これくらいでいいか?高さ5メートルありゃ登れんじゃろ。」
「そうですね、完璧です。」
「よし!じゃあこれを南の山まで延々繰り返すだけじゃな。・・・無理じゃね?」
この作業を100回繰り返したとしてもまだ南の山には届かない。
さすがに時間や魔力切れなど色々と心配になるコッヂ。
「コッヂさん、この土壁は魔力で出したものではなく地面を隆起させたもの、という認識でいいですか?」
「ん?あ、ああ・・。火や水のように一度顕現させるのと違ってその場にある土をただ盛り上げているだけじゃな。」
「これだけでも十分スゴいんじゃがな。」
テーズの言う通り、こんな大きな障害物を作れる魔法は希少である。
「ではさらに魔力操作で無駄を省きましょう。」
「地面の下の方の土を盛り上げて壁を作ってる感じです?・・出来ればそれを森側の地面を集めて壁にしてほしいんです。」
「つまり・・・どういう事じゃ?」
「つまり、森側の地面を低くして、低くした分の土を上に盛る感じで壁にするんです。」
「そうすれば5メートルの壁ですが、壁に近づけば地面が下がるので実際にはもっと高くなります。」
「ま、また無理難題を・・・。」
「・・・。」
テーズが呆れているがコッヂは今の要望を真剣に検討していた。
「そこまで器用にはできん。」
「が、森側の土を壁に利用する事は出来る。壁の前に堀を作る感じになるかのぅ。」
「おお!それで構いません。ではコッヂさんは土魔法で「森側の地面を削って土を盛り上げる」と意識しながら壁を作ってください。」
「・・・なるほど、イメージを定着させるのか。」
「そうです。指定せず周りの土を集めて壁を作るだけでは大きな魔力を消費します。」
「なので削る対象を決め、削った土を盛るだけ、とイメージを固定すれば魔力も抑えられ、作る速度も上がります。」
「んー・・・、こんな感じか。」
コッヂがイメージしながら壁を作る。
森側の地面がボコっと4~5メートルほど陥没し、その分の土が盛り上がって5メートルの壁が出来た。
「おお、いいですねぇ。どうですか?魔力量的に。」
「確かに対象を決めて土を移動させるだけになるから随分と楽じゃ。これはいいな。」
「がっはっは!70レベルの土魔法が壁を作る魔法ではなく、「土を自在に操れる魔法」になってしまったな!」
テーズもコッヂも面白がって次々に壁を作成していく。
だが、呪文は詠唱し終えたので魔法名「大地神の壁」を唱えれば堀と壁は出来ていくが速度は遅い。
「テーズさん、地面スレスレのままゆっくりと山に向かって飛んで下さい。」
「コッヂさん、1回づつ壁を出すのではなく、1回の魔法で持続的に壁を作るようにイメージしてください。テーズさんが移動速度を合わせてくれます。」
「む!?要は魔力を消費しながらずーっと壁を作り続けろ!と言う事じゃな!?」
「そう!そうです!」
「うほおおおお面白しれえええええ!やあってやるぜえええ!!」
「そ、そんな使い方出来るんか・・・?」
「出来ると思いますよ、飛行魔法と一緒です。最初に浮く物を指定して浮かせれば、後は魔力操作の力も借りて「魔力を持続的に消費しながら引っ張って飛ぶ」。これと同じです。」
「た、確かに!・・・お前・・・すっご・・・。」
これで何度目か分からないテーズの驚きの顔。
コッヂは持続して壁を作るイメージが固まったようで健吾を見た。
「よーし!やってみるぞい!」
コッヂが森側の地面を削り、その分を盛り上げて壁を作っていく。
テーズがゆっくりと移動開始すると、それに沿って堀と壁が途切れることなくモリモリと完成しながらついて来る。
「こ、こんな感じか!?」
魔法の操作でいっぱいいっぱいながらコッヂが聞いてくる。
「はい!ばっちりです!このまま行きましょう!」
「逝きましょう!に聞こえてくるわい・・・。」
「がっはっは!!」
こうしてアンデッドを食い止める土壁がすごい勢いで構築されていった。
滞在している国ゴールドランドにある8つのダンジョン
低級
南の森ダンジョン Lv20 ゴブリン・狼系 王都から南へ1時間
国立墓地ダンジョン Lv20 アンデッド系 王都から南東へ30分
川沿いのダンジョン Lv20 スライム・動物系 王都から南西へ2時間
中級
深森のダンジョン Lv40 亜人・動物系 王都から東へ1日
鉱山のダンジョン Lv40 昆虫・爬虫類系 王都から西へ1日
草原のダンジョン Lv50 亜人・動物系 王都から西へ2日
上級
湖畔のダンジョン Lv60 水棲亜人系 王都から北へ2日
廃城のダンジョン Lv70 アンデッド系 王都から北へ3日 今ココ
騎士団のレベルと人数
第一騎士団 所属人数 約400人(再編成中)
レベル20台200人 30台100人 40台70人 50台20人 60以上10人
第二騎士団 所属人数 約1000人
レベル20台~40台 0人 50台970人 60以上30人
第三騎士団 所属人数 約2000人
レベル20台~40台 0人 50台1980人 60以上20人
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