第4話 : 『プーニャ』 との再会
『プーニャ』がまだ生きているか半信半疑であったが、蓮花おばちゃんの居たあの湖沼に向かった。
おばちゃんはもう黄泉に召されたのであろう。
でも『プーニャ』は、おばちゃんの言ってた通りに、僅かばかりの湖沼に残された処に行っていみれば、
「居るかもしれない」、そう思っていた。
僅かばかりの残った湖沼に辿り着いた。僕は、他の生き物に気が付かれないように、
「プーニャ、プーニャ」と呼んでみた。
暫くすると、湖面にプーニャが顔を出し、
「ぼんず……さん? ですか?」と
『プー』、『プープー』としか言えなかったプーニャがそこに居た。
『プー』、『プープー」としか言えなかったプーニャと心が通じた。
プーニャは、あれからの事を話し始めた。
「あの時、蓮花おばちゃんが突き離してくれなければ、プーニャも今此処には居なかったと……。おばちゃんと離れてしまったのは、悲しいですが……、蓮花おばちゃんのお陰です。
でも、もうこの池も開発が進み埋め立てられそうです。折角、ぼんずにいちゃんともこうして仲良くなれそうなのに残念です。
連花おばちゃんの最期も観ました。プーニャも此処で最期を迎えるなら、それでもいいな……、宿命? ……なのかな。
あんなに大事にしてくれたおばちゃんのためにも……」と、
その時僕は思った、
「プーニャ、この俺にしがみ付けるか? いや、しがみ付いてでも旅に出よう」
プーニャには、しがみ付くその自信は無かった様だが、僕は、心を鬼にして
「此処に居ても、蓮花おばちゃんの様に……」
僕には、あるあてがあった。
そう、孝君は優しい子で生き物好きで、僕の木も、そして幾つかの水槽もあった。
もし、この『プーニャ』をその水槽に放ち、育ててくれれば……。
「うん、解った。ぼんずにいちゃんなら、自信は無いけど……、しがみ付いて旅してみる」
と言ってくれた。
「いいかい?、この腹にしっかりとしがみ付いて……、飛ぶぞ!!」
そして、孝君の家へと向かった。
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孝君の家に着くと、60センチメートル程の水槽かな?(一番大きな水槽?)にプーニャをポトンと落とし、
「ここの孝君は、きっといい人だから、プーニャの事も解ってくれる、もしかすると、心の言葉も解ってくれるようになる。
ぼんず兄ちゃんもこの木でお前を見守っているから、いいね……」
するとプーニャは、最初は『プープー』と言っていたが、最後は、解った『プー』と返事をしてくれた。
僕は、まだ眠りに就くのは早かったので、そしてプーニャの事も心配だったので、近隣を飛んでいた。
すると早速次の朝、孝君は、水草一杯のその水槽に興味を持ち、
「母さん、何か居るよこの水槽に!、育ててみていい?……」と
母さんも、
「孝が興味あるのなら、飼ってみれば……」
僕的には一安心である。
この孝君なら、大切に育ててくれる、きっと大丈夫だと。
しかし、この『プーニャ』のその能力には、その時、誰も気が付かなかった。
次回作は、恐らく過去についての執筆となる予定です。
「フォワァ」とした過去の事を……。
『プーニャ』の再出動は2.3話後かな? 未来話でガンバル予定です。
読んで下さっている方「ありがとうございます」