(14) 冒険に行く
春→はる
お姉ちゃんに選んでもらった服とリュックをしょって、いつでもいける格好になった春。
玄関でお姉ちゃんを待っている。
「はーやーく行こーうよー」
「うん、今……よしっ行こう」
寒く凍えるくらいの気温。少し弱い風が吹いている。
曇りの今日、陽が出ない分一段と寒い。
春は、行く方向を決めずに適当に歩いている。
(楽しそうな春…かわいい。なんで行きたい!って思ったんだろう…)
・・・・・・
いつの間にか駅に着いている。
「あ!オブジェクトだ!」
駅のシンボルであり、学生や大人たちの集合場所として使われるこのオブジェクト。
「変な形?かな?でも、丸くてツルツルしてるね」
「そうだね、春は何に似ていると思う?」
「うーん……箸?いや、あっ、太いコンパス!」
「太いコンパス?」
「棒のところが太くて、先端が金具で丸い!だから太いコンパス」
「あーそうかもしれない」
「次行く!」
今日は、妙に切り替えが早い春はどんどん先へ進む。
次に着いたのは、市の図書館。
「大きいね~」と春。
「入ってみる?」
「うーん…………」
(気分が乗らないのかな?)
「いい。そこの公園で休みたい」
「分かった」
・・・
温かい紅茶を入れてきた水筒を開け、コップに注ぎ春に渡す。
「はい、気をつけてね」
「うん、ありがと」
ゆっくり飲んでいく。
「はぁぁー」と一息ついた春の息は白い。
館内から見えない死角のベンチを選んだ春は安心した顔だ。
「楽しい?」とお姉ちゃん。
「うん。散歩冒険できて嬉しい」
「なんで行きたいと思ったの?」
「うーん、分かんないんだ。うずうずして行きたいと感じたんだ」
下を向きながら言う春。
(さっきより少し落ち込んでいる雰囲気…)
「大丈夫だよお姉ちゃん。僕落ち込んでないから」
「え?」
「地上に来ればなにか見つけられるって思ったんだよ」
「………」
「上からみてた景色は好きだけど、降りて探したいかなーって」
(どこの話をしているのか分からないけど、春には繋がって話しているんだなー)
「(館内に)入りたいと思わなかったのは、情報量が多いから。あと、あいぅ………が………から」
(ぼそぼそって言い聞き取れなかった)
「なんか懐かしいなぁって」
(春の記憶が思い出してきている。屋上で何を感じたんだろう…)
「もう休んだから大丈夫、行こお姉ちゃん」
(あの察し力どこで身に着けた?昔にあったっけ?察し力)
「ん?行こうよー」
(降りたいってどういうこと?)
「ねぇー」
揺らして気づかせてくれた春が、疑問そうに見てくる。
「あぁぁ、うん行こう」
「うん」先を行く春の背中は少し、大人びた中学生に見えた。
・・・・・
帰り道、いつも通る静かな道は騒がしかった。
なぜなら、中学生たちが部活帰りなのか、前から喋りながら歩いて来る。
春は声と姿を見た時、スッと立ち止まった。
「春?」と呼び顔を見ると怯えている顔だった。
手が小刻みに震える。
(あの制服と体操着を着ている子たちは、春が通っていた中学校。早くこの場所から離れないと)
「春、私の目見て」
大きく開いている春の目を私の目と合わせる。
「深呼吸だよ春」
「スッ、スッ、スッ……ハァ…ァァ……」
「そう。長くスーーハァーーーー」
「ススッ、スッハァー」
「そうそう出来てるよ」
「スーハァーァァ……」
「今度は右足を後ずさりのように動かしてみて」
30~40m先から聴こえてくる声らはだんだん近づいて来る。
「そう。今度は左足。」
春の両手を前で握り、転ばないように、そして安心させる。
「じゃあ今度は、私だけを向いて今歩いて来た道を歩こう」
コクっと頷く。
ゆっくりながらも、速く歩く。
道をいくつか曲がり、小川の横にある屋根付きのベンチで休憩。
春は黙ったままだ。手の震えは収まりつつある。
「紅茶飲も?」
小さく「いい」と言われる。
「飲むと落ち着くから、ね?」
「………」
言われた通りに飲む。
二人とも黙ったまま、10分ほどした。
「帰ろ春」
「うん………」
立ち上がった二人は、家の方向に進む。
「お姉ちゃん。散歩やめたくない………」
その時、私は何も返せなかった。
こんにちは、
ここ数日、「混在」のページビューが増えてて、謎ですね。タイトルでもジャンルにしても、検索に引っ掛からないはずなのになぁーって。シェアされてるのかなー?
何回か増えるんですよ。びっくりしたのは随分前の70ビューで、次の日が44ビュー。特に深夜にぐわっとしてたね。
数日前の「反転」も深夜1時に18ビューしたからびっくりした。
僕、新しいの上げてないよ?!って疑問でしたね笑
だって、ジャンルは「その他のその他」でタイトルが「混在」だぞ?引っ掛かる訳ないでしょ笑笑
僕が反転の上げる時間帯は基本午後なんで~
春くんかわいいねー またー




