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反転  作者: 雨人
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(2) 過去のこと

 眠りに落ちた僕は、夢を観た。


 小学生のときはよく元気に遊ぶ明るい子だった。それによく熱をだして休むことが当たり前でもあった。

 よく家族でショッピングモールに行っていた。けれどそこで僕が走り回って、迷子になって家族に心配をかけまくっていた記憶がある。だいたい見つかる場所は、端っこの静かな場所で、たまにテーブルのしたで耳を抑えて涙目になってたらしい。

 笑える話だよね。なんでモールに来るのは楽しいはずなのに、僕だけ弱くなってしまうのだろう…と思った。

 何故、あんな行動をするのか?何故、モールに行くと耳を抑えて泣くのだ!と怒られた記憶がある。

 中学生になって、勉強と部活が忙しくなるにつれてショッピングモールには行かなくなった。けど、教室や部活で怒られている生徒を見ると、耳を抑えて走って逃げてしまうことが増えた。

 異常だと思った家族は、かかりつけ医のいる病院で検査をお願いしたらしい。そのときのことは覚えてない。


 弟の(はる)は、過去の夢を観ると過呼吸になることがよくある。だから今も……

「春!春!起きて!」身体を揺らしながら叫ぶ。

「ハァハァハァッ……うっ…くっ、ハァハァハァ」

「大丈夫、ゆっくり深呼吸」

 吸って、と心配そうな顔で言われる。

「ス――ハァーァァ……」

「春、白湯飲んで」

 温かい飲み物を飲むと、身体が落ち着いてくる。

「春、少ししたら歯磨きして、お昼食べよ」

 僕の方を見ながら言う。

「………」

 優しく背中をさすってくれる。


 遅めのお昼を食べてお昼寝の予定だけど、さっき寝たから眠たくない。

「お姉ちゃん、僕眠たくない。予定と違うよ」

「じゃあそれまで、本読んでいたらいいよ。きっと読んでいたら眠くなってくるから」

「うん、分かった。ありがとう」


 ヨーロッパのサイクリングロード(EuroVelo)を制覇するお話。

今回は、EV 6のリバーズ・ルートを巡るお話で、フランス大西洋からルーマニアの黒海までを結ぶ、最もサイクリングロードで人気が高いルートだ。

 川沿いを走っていく、10ヵ国横断する。国ごとの違った景色や文化が楽しめると事細かく書かれている。途中のアクシデントやホテルでの虫による恐怖体験も書かれてあって面白い。

 読んでると、疲れて眠くなってきた。

「春、寝るの?」

 トロンっとしてきたのを見逃さない。

「ん」

「じゃあ、ベッドで寝よう」

「ん」

 目をこすりながら、お姉ちゃんに手を引っ張られ、トイレを済ませたらベッドのあるところへ連れてってくれた。

「おやすみ、春」

「おやすみなさい……」

 確かヨーロッパ2000km?だったかな、そんな感じのタイトルの本だった気がする。読んだの随分前なんだけどね笑。


 春くんの具体的なことは、次回に

 じゃぁー またー

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