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学園血戦:NO MORE RULES  作者: 歌を忘れたカナリア


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2話 昼休み

昼休み。

「蓮司、一緒に飯食おうぜ」

「なら私も」

「白瀬ちゃーん!案内するから行こう!」

白瀬が俺たちについて来ようとしたその時、白瀬を案内する男子が突撃してきた。

「わ、わかった。今行くね」

白瀬は少しイラ立っているのか笑顔が少し引きつっている。

こういう時は男子の空気を読まない突撃がありがたい。

「じゃあ行くか、ハルト」

「そうだな」

ハルトと教室を出る。

「いやーあいつが来てくれて助かったな蓮司」

「そうだな」

白瀬が昼飯についてくると言い出すと思ってあいつを案内役にさせた甲斐があった。

「これも作戦の内なのか?」

「そうだと言いたいけどたまたまだな」

あの男子が案内を昼休みにと言わなければこうはなっていなかっただろう。

完全に賭けだった。

「運が良かっただけ・・・か。けど運に頼ってばっかじゃ勝てないぞ?」

ハルトが警戒してのことか耳元で呟く。

「わかってる。そろそろ計画を立て始めてもいいかもな」

ハルト、俺の親友は俺と対等に「思考の化かし合い」を楽しめる数少ない男だ。

こいつが味方だと心強い。

「お前と親友でよかったよ」

「な、なんだよ急に・・・照れるじゃねぇか」

「冗談だ(笑)」

「な!冗談でそういうこと言うんじゃねぇよ!」

「すまん」

「謝るなら最初から言うなよな。まぁ、学食でも食いに行きますかね」

「あぁ」

俺は付箋に暗号を書きわざと落とす。


・・・


食堂。

「おっ、やっぱ蓮司はうどんなんだな」

「お前こそ毎日豚カツで飽きないのか?」

「若いうちに食っとかないと年を取ってからはなかなか食えないだろ?」

「俺は油物食うと胃もたれするんだ」

「お前まだ若いだろ!w」

そんなくだらない会話をしながら食堂の左奥の窓際の席に腰を下ろす。

しばらくハルトと話しながら飯を食っていると廊下から俺たちを見ていた女子が近づいてくる。

「お隣、いいですか?」

話しかけてきた。

早速仕掛けてきたのか?

「いいですよ」

ハルトが笑顔をその女子に向け席を開け俺の向かい側に座りなおし空いた席に女子が座る。

つまり俺の隣だ。

ハルト、なんで俺の隣に座らせた?

少し動揺しかけたがすぐに冷静さを取り戻す。

「これ、落としましたよ?」

渡された付箋には俺とハルトにしかわからない暗号が示されていた。

その暗号の意味は「尾行されていた」と記されている。

ハルトはそれを見て何事もなかったかのように豚カツを貪るように食べる。

「落としちゃってたか、ありがとう」

付箋を受け取りポケットに入れる。

「あの暗号はなんなんですか?気になっちゃって」

その笑顔は好奇心がある少女のそれにしか見えない。

けどその笑顔の裏に『なにか』が潜んでいることはわかっている。

「ただ暗号勝負をしていただけだよ。負けちゃったけどね」

あははと、困ったように笑う。

「負けちゃった暗号の内容、気になりますね」

含みのある笑顔で蓮司を見据える。

こいつ、暗号の意味を分かっているのか?

「ブー」

俺のスマホが鳴る。

スマホを開くと知らないアドレスから一通のラインが来ていた。

『どう?私の相棒。君のとどっちが優秀かな?』

「・・・」

十中八九白瀬からだな。

こんなことを送って何がしたい。暇なのか?

「では、私はこれで」

席を立ち離れていく。

しばらくしてからハルトが俺の隣の席に座りなおす。

「……蓮司。あいつ、白瀬と同じ匂いがするな」

ハルトがこちらを見ずに言う。

警戒しているためだろう。

「あぁ」

俺もハルトを見ずそっけなく返す。

あの付箋は俺たちの右側に落とした。

右側には壁があり反対方向から来ていた人には見えない位置に落とした。

つまりこれを落としたと気づけるのは俺たちの後ろにいた奴だけってことだ。

教室を出てからの違和感。

あいつが尾行してたってことだ。

昼飯もゆっくり食えないとは。

これからの学園生活は厳しくなりそうだな。


・・・


昼休み終了。

飯を食い終わり教室に戻る。

何やら教室が騒がしい。俺とハルトが教室の入るとみんながこちらを向きソワソワしている。

なんだ?

特に男子が俺を見て睨む奴もいれば疑問の視線を飛ばしてくる奴もいる。

白瀬は女子のグループとなにか話している。

一瞬こちらを向きニヤッと笑いすぐに元の笑顔に戻る。

「何かしたのか・・・」

警戒しつつも席に座る。

「なぁ蓮司」

白瀬の案内役だった男子が話しかけてくる。

「なんだ?」

「お前と白瀬ちゃんって付き合ってんのか?」

「は?」

俺の思考回路が一瞬ショートする。

付き合ってる?俺が白瀬と?そんなわけがあるか。

「だって白瀬ちゃんがお前に告白して付き合ってるって言ってたぞ」

「告白?」

「ごまかすなよ。もうみんな知ってる。なんでお前が・・・」

男子は俺の胸ぐらを今にも掴みそうな勢いで睨んでくる。

クソ、やられたか。

どうする。ここで変に誤魔化しても誰も信じてくれない・・・か。

だからといってはいそうですと言うわけにもいかない。

「蓮司君をあんまり責めないであげて?」

白瀬が男子をなだめる。

「けどなんで蓮司なんだよ!こいつみたいな奴がなんで・・・」

おいこら。本人の前で何好きかって言ってんだ。

付き合ってる。俺という存在をクラスに目立たせ変な行動をさせないようにするためか。

油断も隙も無いやつだな。

「そんなことないよ。蓮司君はかっこよくて優しいんだよ?蓮司君の悪口は私への悪口にも聞こえちゃうな」

少し潤ませた眼で男子を見据える。

「そ、それは」

男子は戸惑っている。

そりゃそうだ。あんな上目使いで言われたら戸惑うに決まってる。

にしても心にもないことをよくもまぁそんなぺらぺらと吐けるものだ。

「私蓮司君と付き合っちゃダメかな?」

白瀬はさらに畳み掛ける。

「でもさっき蓮司は白瀬ちゃんの案内を断ったじゃないか。それで付き合ってるって言われても信じられないよ!」

おっ、いい反撃。その調子だ。

「実はさっきの態度は、みんなの前で恥ずかしかったからなの。蓮司君、照れ屋さんだから……」

白瀬が俺を見てほほ笑む。

クソ、カウンターを用意してやがったか。

「うっ、わかった。けど蓮司に何かされたら言ってね!その時は俺が蓮司をボコボコにするから!」

そう言い残し男子は逃げるように去っていった。

流石に今ので反撃する気は失せたようだな。

「ボコボコにするから、だってさ。私に何もできなくなっちゃったね」

白瀬は笑いながら席に座る。

「まぁせいぜい頑張りなよ」

それから午後の授業は男子からの嫉妬や憎悪の視線を浴びながらの授業だった。

やられた。完全にやられた。まさかこんな手を使ってくるなんて。

放課後。

「ハルト、帰るぞ」

帰りの準備をして席を立ちあがる。

「そうだな」

ハルトも支度をさっさと終わらせ立ち上がる。

「にしてもやられたな蓮司。まさか恋人にしちゃうとはな」

「まったくだ。してやられた」

「アハハ。でも大丈夫だ。これで終わりじゃない」

「わかってるさ」

校門。

「じゃ、また明日な」

ハルトに手を振る。

別れ道で、ハルトは軽く手を振って去っていった。

「蓮司を消すのは俺が許さない」

ハルトは蓮司に聞こえない声で呟く。

駅へ向かう道すがら、一度も後ろを振り返らなかった。だが、その手元では絶え間なくスマホを操作し、白瀬やあの女子に関する公開情報を洗っているのがわかる。

「ハルトも本気だ。出し惜しみするのは下策…か」

一人になった帰り道、スマートフォンの通知が短く鳴る。

知らない連絡先からの、簡潔なメッセージ。

『今日は残念だったね。明日、楽しみにしてるよ』

送り主の名はない。だが、その言葉の端々に、あの白瀬の屈託のない笑顔が張り付いているような気がした。

「楽しみ・・・ねぇ」

その言葉すらも白瀬の企みに沈んでいった気がした。

白瀬の攻撃はまだ始まったばかり。蓮司はこの四面楚歌の状態をどう打破するのか? 次回、急展開をお楽しみに!

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