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学園血戦:NO MORE RULES  作者: 歌を忘れたカナリア


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1話 転校生

一ノ瀬蓮司。俺の名前だ。

俺がいる学園は少し変わっている。

国ではなく教育委員会独立の学校であるからだ。

そのため学費は高く学園に入学するにはある程度の学力が必要になる。

「静かに。今から転校生を紹介する」

「転校生?」

「珍しいな」

「女の子かな」

転校生というワードだけでクラスは騒ぎ出す。

「入れ」

教室の扉が開き転校生が入ってくる。

その歩き方は規則正しく本当に人間かと疑うほどだ。

「桜井白瀬です」

クラス皆に見える位置に立ち礼儀正しくお辞儀する。

一目見て言葉に表すなら容姿端麗といったところか。

「これからこのクラスでお世話になります」

天真爛漫っぽさもあり男なら見惚れるであろうその顔に男子たちは釘付けになっている。

「可愛い~」

「女の子だ!」

「まじか・・・」

などまたもやクラスが騒ぎ出す。

「蓮司、あの子可愛いんじゃないか?」

俺の親友ことハルトが俺の肩に手を置きニヤニヤしながら転校生を見る。

「そうだな」

「相変わらずの奴だなお前は」

ハルトはやれやれと言わんばかりの顔で首を振る。

「あーそうだな。蓮司の隣の席に座れ」

「わかりました」

転校生・・・桜井白瀬は机の間ぶつかることなくスムーズに歩き俺の席の隣に来る。

「えーと蓮司君だっけ?よろしくね!」

「あぁ」

「ずるいぞ蓮司!」

「そこ変われよ」

など野次馬共から非難の声が上がる

「フフッ、賑やかなクラスだね」

「賑やかすぎるくらいだ」

真顔で返す。

「・・・・」

ハルトは何か感じ取ったのか何かを探るような目で転校生を見る。

それに気づいたのか気づいていないのか転校生は一瞬だけ笑顔をやめる。

だが一瞬。次の瞬間にはもとの可愛い笑顔に戻っている。

今の一瞬垣間見えた白瀬の目の奥の何か。

「この学校に来たばっかで何もわからないから後でいろいろ教えてくれない?」

「時間があればな」

「え~、そんなこと言わずに教えてよ。蓮司君」

「蓮司め・・・」

「クッソ~なんであいつが」

男子共から嫉妬の視線や言葉が飛んでくる。

『こいつらがターゲット』

蓮司やハルトには見えない絶妙な角度で誰かにメールを送る。

「じゃあ後で案内よろしくね」

「じゃあ授業始めるぞー」

教師が教壇に立ち黒板に授業内容を書き始める。

「ねぇ、わかってるんでしょ」

さっきまでの明るい声音はどこへやら。

そこには冷酷と言えるほどの冷たい声があった。

「なにが?」

警戒しながらもそっけなく返す。

「ごまかさなくていいよ。どうせ私のキャラが偽りだって気づいてんでしょ」

「・・・」

とりあえず無視してみる。

「あ、そうだ。さっきから後ろの彼こっち見てるけど……君の友達?」

気づいてたのか。こいつはかなりやり手だな。

ハルトはあえて何も気づいていないような顔をしてスマホをいじっている。

「君たち、仲良さそうだね」

白瀬はこっちを探るような目で見ている。

『こいつら少し警戒したほうがいいかも』

またもや白瀬は誰かにメールを送る。

静寂が訪れる。

教師が黒板をチョークで叩く音しか聞こえない。

スマホが振動する。

ハルトからの合図だ。

『気を付けたほうがいいかもしれない。おそらくただの転校生じゃないぞ』

『わかってる』

そう返し怪しまれないようノートに授業内容を書き込んでいく。

白瀬を横目で見てみる。

真面目にノートを取っているようだ。

油断は禁物か。


・・・


「ここまでだ」

チャイムが鳴り授業が終わる。

「つっかれたー」

「長すぎー」

などクラスの男女ともに疲れの声を上げている。

「蓮司。連れション行こうぜ」

白瀬は自分もついていこうとしたのか少し動いたがあくまで連れション。

女がついてこれないシチュエーションだ。

それをわかってのことだろう。

ハルトが耳元で

「蓮司。トイレで話したいことがある」

「わかった」

誰にも聞こえない声量で話す。

教室を出てトイレに行く。

「どうした?」

トイレに着き早速要件を聞く。

「蓮司。あの白瀬だっけか?あの子はヤバいかもしれない」

「だろうな。しばらくは猫を被ってるかと思ってたが自ら本性を現しやがった」

「そうだな。それは別にさほど問題じゃない。本当に問題なのは白瀬の目的だ」

「あいつがどんな目的を持っていようと俺たちに関係ない。ただ俺たちに害を加えてこようとしたときは容赦しない」

「あははは。そうだな。お前らしい答えだ」

「だが油断はするなよ蓮司。万が一でもお前が負けたら嫌だぞ?」

「誰に言ってる。とは言えないんだよな」

「おいそこはかっこつけろよ」

「うっせ」

「あははは」

一頻り笑った後教室に戻った。

席に座ると早速白瀬が話しかけてくる。

「連れションなんて考えたね」

「考えたも何もただ用を足しにに行っただけだけどな」

「考えただけ・・・ねぇ」

白瀬は射抜くような視線を向けてくる。

それをハルトは後ろでスマホをいじりながら見ている。

「ねぇねぇ、白瀬ちゃんは前の学校で何してたの?」

「それ俺も気になる」

男子共が休み時間に今だと言わんばかりに質問を飛ばす。

こういう時はありがたいな。

「え?前の学校?そうだなぁ~、部活に専念してたかな」

「何の部活?」

「テニスだよ」

「テニス、いいね!白瀬ちゃん運動もできるんだ」

それを横目に俺は本をカバンから取り出し読み始める。

「後で案内してあげようか?」

男子の一人が案内役を買って出る。

よほど白瀬と関係を持ちたいんだろうな。

いいぞ、もっとやれ。

心中で男子たちを応援する。

「ごめん。案内役は蓮司君がしてくれる約束なの」

「え~、そんなぁ」

男子が俺を睨む。

クソ、俺に話を振りやがった。

白瀬はこちらを向きやってやったという顔をしている。

「約束なんかしてない。お前たちの方が詳しいだろ?案内してやれ」

睨みつけてくる男子にそう言う。

するとその男子は希望の光にでも照らされたかのような笑顔で白瀬を見る。

「白瀬ちゃん!蓮司がそう言ってるんだし俺が案内するよ」

「え、で、でも」

白瀬は予想外だったのか少し焦っている。

このくらいで焦るなら甘いぞ。白瀬。

白瀬は俺を睨みつける。

この男やりやがったわね。

笑顔とは裏腹に歯軋りをしながらその男子の誘いを渋々受ける。

「じゃあお願いするね?」

「よっしゃー!喜んで!昼休みね!」

そう言い残し男子たちは散っていった。

「やってくれたわね。なんていうとでも?君がそういうことは知ってた。じゃあなんであいつの誘いに乗ったかって?そんなの決まってるじゃない。君のことを根掘り葉掘り聞き出すためだよ」

「俺のことを聞き出してなんになる。そっちにメリットはないだろ」

「どうだろうね」

そう言い残し白瀬は席を立ち女子のグループに紛れに行った。

じゃあさっきの歯軋りは何だったんだ・・・。

「蓮司。教室の扉を見ろ。さっきからずっと見てきてる奴がいる」

ばれないように教科書を準備するふりをして教室の廊下側を見る。

確かに一人の女子がこちらを伺うように見ている。

普通の人が見ればただ少しそわそわしているようにしか見えない。

だが彼女の眼にはこちらを探り入れようとする圧を感じる。

「あいつが白瀬がメールを送っていた相手か」

「お前も気づいてたのか」

ハルトが驚いたようにこっちを見ている。

「なめるな」

「すまんすまん」

こっちを見ていた女子は何事もなかったかのように立ち去る。

「追いかけて白瀬のことを問い詰めてみるか?」

白瀬の口角が一瞬上がったのを俺は見落とさない。

「罠だな。普通の奴には怪しまれなくても俺たちに気付かせる絶妙な見方だった。あの白瀬って女、転校初日にしては動きが完璧すぎるんだ。俺たちの仲の良さも、お前の性格も、最初から知ってたみたいにな。さっきの女子も俺たちに『見つけさせた』んだろう。旧校舎に誘い込んで俺たちが何らかの『接触』をしたという既成事実を作るという作戦かもしれないしな」

蓮司、結構考えてるんだな。

「そうだな。そう言われるときな臭くなってきたな」

「なんでこうなるかね」

俺はそう毒づき溜息を吐く。

俺たちの戦いが今始まる。

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