1/9
救いようがないし救いたくもない
作品番号 No.20
2024.7.31 21:08〜21:28
百年前は考えられなかっただろう夜の街の輝きは、規則性のない数々の家の光によって作られている。全ての建物がその「規則性のない光」を発していることは間違いなく、一部の人間には迷惑なほど眩しかった。
建物以外にも迷惑なものはあった。特に車。窓ガラスから見える「動く光」の正体はほぼ全て車で、なんだか細々しかった。
目の前の窓ガラスには、ベットごと反射した俺がいた。夕方に降った雨のせいで、向こう側の俺は少しばかり濡れている。その窓の後ろに、また車が通る。何台も、何回も。
そこまで現実は嫌いじゃあない。そりゃ、「生きていれば楽しいことは起きる」から。でもそこに行きつくまでのプロセスは辛い。
苦しみを、ただ苦しみながら経験するのはおかしいことではない。でも、その苦しみから、人は救われない。何故か。救われる気すらもないからだ。
作品解説
入院中に書いた一作。
「窓から夜景を見る情景」について、「恐怖心に近い心情」を含んで描いている。




