ひと段落
「えっと、その、えんしぇんとどらごんさんはこどもをたすけたかっただけなのぉ!」
「キュィッ!(お母さん!)」
「グルァァア!(ハクっ!無事だったのね!)」
ハクはボロボロになった母の元へ飛び付いた。
一同はエンシェントドラゴンの元々の性質を知っていたため、信憑性があると感じた。それなら先ほどの殺気がない事も納得だ。
しかし、それはあくまでも大人が言った場合。この幼い子供に何故そんな事がわかるのか、勿論嘘を言った所で何の得にもならないが。
「おいチビ助。」
「あい!」
「おまえ、その状況を見ていた…訳でもなさそうだなぁ…その話に根拠はあるのか?」
団長のブレインはニヤニヤしながらクロエの反応を伺う。
クロエはチビ助と呼ばれた事にイラっとしながらもハクと《念話》した事を告げるかどうか悩んでいた。
えぇい!ここはハクとお母さんを助ける為だ!
言ってまえ!
クロエは半ばヤケクソになりながらもブレインに告げる事にした。
「わたしはこのこ…はくと《念話》したんでしゅ。」
…………
「ククッ…アッハッハ!嘘つくならもっとまとも嘘つけよ!クク、こんなチビ助が無属性中級の魔法が使える訳ねぇだろ!…あー笑った。」
むっかぁぁぁ!正直に言ったらこれかい!
確かに普通なら3歳児で使えないよ?普通ならね?
それなら実演しますよっ
クロエは精神を集中させ、ブレインに念話を送る。
「ぶれいんだんちょう、
(私はチビ助じゃなくてクロエだ!この馬鹿阿保極悪人面ぁぁぁ!!)」
「うわっ!!!お前………………
って…だぁれが馬鹿阿保極悪人じゃぁぁぁ!!」
ブレインは一瞬驚いたが、それよりもその暴言の方が気に障ったらしい
ぐりぐりぐりぐりぐりぐりぐりぐり
「ぴぎゃぁぁぁ!!」
痛い痛い痛い!
「まさか本当に使えるのか!」
「うちのクロエが…無属性中級…だと?」
一同は驚きを隠せずにいるがクロエとしてはそんな事より助けてぇ!と心のなかで叫んだ。
涙目になりながらもキッとブレインを睨むとブレインはニヤリと笑いまるで獲物を見つけた獣のような顔をした。
お、恐ろしいっ!まるで人を何千人も殺して来たような悪人面だ!
「ほぅ。…お前、まぁた俺のこと悪人面とか思ってねぇよな?」
「ひょえ!」
何故わかった!
「顔見りゃ分かるわ阿保。あーほんと、お前、中々弄り甲斐があるな。ククッ」
「うるしゃいっ」
「あーおもしれ。」
「団長…遊びすぎです。」
ひょいっとクロエを持ち上げてブレインから解放してくれたのはなんとゼノ様だった。
「じぇのさまぁ…」




