神殿に戻り
狩りを終えた二人は広場で別のパーティーの話を聞いた後、爺さんのいる神殿へと戻ります。
アフロオークに言われた事が腑に落ちないまま、私達は神殿へと向かった。
折角手に入れた最初の獲物を、爺さんに自慢しない手はない。
神殿に到着すると、もう夕方になっていた。
爺さんは、またも焚き火の前で干し肉を食べている。
私は爺さんに声をかける。
「よう!爺さん。今度はちゃんと狩れたぞ!」
私は狩ったオオカミの肉を、爺さんに見せつけた。
「おぉ、それは良かったな!で、そちらの方は?」
「ああ、彼は・・・あれ?名前なんだっけ?」
そういえばハゲの名前、まだ聞いていなかった。
「爺さん、コイツは広場で見つけたハゲだ!コイツと一緒に狩りしてきた。」
「ちょっと!酷い紹介の仕方ですね・・・まあ、良いですけど・・・」
少し不満そうだが、結局ハゲは名乗りもしなかった。
「ほれ!爺さん、世話になってるお礼だ。受け取ってくれ!」
私はさっき爺さんに見せ付けた肉を斧で半分に割り、爺さんに手渡した。
爺さん、良い笑顔だ。私も喜んでもらえて嬉しい。
「で、そこのお主、”彼”とか言われて紹介されたけど、本当は"彼女”じゃよな?」
爺さんが変な事を言い出した。
「はい、まあ、そうですけど。」
ハゲが答える。
「え?女だったの?」
私はビックリしてハゲの顔を覗き込んだ。
「あなた!相当失礼ですね!私の事を男だと思っていたんですか?」
・・・なんて事だ、ハゲ、女だ。
「あと、お主、何故格闘家なのにローブを着ておるんじゃ?」
・・・爺さんが、また変な事を言い出した。
「え?爺さん、ハゲは呪術師じゃないの?」
「ええ?お主、一緒に狩りをしていて気付かなかったのか?」
爺さんは驚いた顔で私の顔を覗き込んだ。
「ええ!?私って格闘家なんですか?」
・・・なんて事だ、ハゲが一番驚いている。
爺さんが言うにはハゲが呪術だと思ってやっていた事は、様々な動物の力を
自己の肉体に宿らせるオーク格闘術における技の一つなのだそうだ。
それを、このハゲは呪術だと勘違いして、自分のことを呪術師だと思い込んでいたらしい。
・・・私が呪術をかけて貰ったと勘違いしながらも、イマイチ効果を感じ取れなかったのは、
実際のところ私には何の術も掛かっていなかったから。という事らしい。
そりゃ、一匹のオオカミを狩るのに大変な思いをする筈だ。だって、私に術が掛かってないんだもの!
「この、インチキ呪術師め!」
私は腹が立ってハゲの頭をペチンと叩いてやった。
「何するんですか!このッ!」
私はハゲに腹を殴られた。とても痛い!ハゲの放つボディーブローは、それは見事な物だった。
そりゃ、格闘家なんだもの、パンチが痛くて当たり前だよな。




