五十五話
「お待たせしました。限定チョコレートブリュレです。」
翌日、私はお菓子屋に来ていた。昨日忘れてたお菓子を引き換えなきゃだし。
ここのは美味いんだよな。特に限定物は最高だ。
どうやって作っているのか見てみたいが企業秘密というやつがある。
目当ての物を貰い、何となく他の商品を見てみる。
クッキー、焼きメレンゲ、マカロンなどたくさんの焼き菓子がある。
特に目を引くのはタルトだ。真っ赤なラズベリーやクランベリー、落ちついた色のブルーベリーにブラックベリーが乗ったベリースペシャルは大好物だ。
ただ、値段が……。
「一切れ1250円……。」
お祝い事のある時に父さんが買っているが……、やっぱり高校生の私には痛い出費だ。
バイト代は基本、大学用に貯めているし……。
「千遥ちゃん。タルト、食べたいの?」
「ん?」
振り返ってみると……早田か。
「んだよ。」
「いや、ずっとタルトを見ていたから。」
「そりゃな。」
「じゃあちょっと待ってて。」
「……?」
早田はそう言ってどこかに行った。
5分ほど経って、戻って来た。
「はい。」
「なんだ?」
「タルトだよ。」
「えっ?」
思わず目を見開く。結構高い物なのに。
「買ったのか?」
「違うよ。貰った。」
「貰った?」
耳を疑うような事を言われる。
「ここのパティシエの鮎澤さんが俺に惚れてて。」
「利用したのか?」
「まさか、俺が何となく『ベリスペ食べたいなー。』って言ったらなんかくれただけ。」
「なるほど。」
ようするに……、結局利用したのだな。
「単純な奴だな。」
「でしょ?」
そう言った早田は多分腹黒だな。気をつけよ。
「千遥ちゃんは今日はどうしたの?」
「菓子買いに来たぐらいの理由しか無いと思うんだけど。」
「それもそうだ。」
ケラッと笑う早田。
「千遥ちゃんは学校どう?俺、今結構大変なんだ。」「何が?」
「特進選抜αテスト。」
「ああ、あの学校そういうのあったな。」
「知っているの?」
「私もお前の学校受けたの。滑り止めでな。」
「どのコース?」
「特進選抜。」
「……凄っ!」
藤谷大学附属高校のコースは5つある。
特進選抜、特進、進学選抜、進学総合、総合だ。
主に滑り止めとして受けるのは総合が多い。特選はほとんどが単願だ。
私は頭が良くて自信があったからな。←オイ
「どうだった?」
「受かった。」
「えー!俺、単願でなんとかなったのに。」
「だってお前は私立でよかったのだろう?私は公立がよかった。」
「なんで?」
「楽だから。」
「……東高校に純粋に行きたかった人かわいそう。」
失礼な事を言うなぁ、純粋に私だって行きたくて行っているんだぞ。
「千遥ちゃんは「やっと見つけた!」……?」
誰かが私たちの方にに向けて大声を出した。
学年末試験が大変……。
なんで範囲広いんだ!




