四十七話
龍斗Side
「オイッ!返せ。」
怒気を込めた千遥の声が響く。
ついついさっき騙された事に腹が立ってしまい千遥の持っていたサンドイッチを取り上げてしまった。
千遥は奪い返そうと手を伸ばしている。
だが、俺のほうが身長が高いので届かない。
「返してほしい?」
「当たり前だ。」
「……ヤダ♪」
「……っ!」
俺はがぶりとサンドイッチにかぶりつく。
「……うん、美味しい!」「……。」
千遥は嫌悪感丸出しの顔をしている。それは何となく分かるが風雅達が呆れたような顔をしている。
「どうした?」
「龍斗ぉ、それ……、」
「フウ、言わなくていいよ。」
風雅が何かを言いかけるが、翔が止める。
「なんだよ。」
「……なんでもねぇ。」
「……?変なの。」
もう一口食べようか考えたが、千遥の視線が痛いほど突き刺さるので返した。
「ったく、かなり減ってんじゃねーか。どんな口しているんだよ。」
悪態をつきながら残ったサンドイッチを頬張っている。
「そういえば小テストがさー。」
「……むぐ?」
「63点だったよ。ありがとう。」
「……ふぉの………っくん、その程度しか取れなかったのかよ。せいぜい85点取れよ。」
サンドイッチを飲み下して出て来る言葉は案外不満げだ。
「いやいや無理だから。初めて再テストじゃなかったから。」
そう言ってみたが、
「どんだけ勉強しねーんだよ。あんな簡単な問題、10分足らずで解けるだろ?」「無理!」
「即答かよ。」
呆れたような顔をされる。
「そうだ。」
「……なんだよ。」
「サンドイッチ、食べちゃった分。」
そう言って千遥の口に俺の弁当の一つ、唐揚げを押し込む。
「むぐっ!」
「どう? ……って言っても冷凍食品だけどね。」
そっぽを向きながら、
「……悪くは……ない。」と、言われる。
「良くもないからな、勘違いするな。」
「はいはい。」
「じゃあ会話終わりな。」「うん……、ってええ!もうちょっと、話そうよ。」「……。」
「千遥?」
「……。」
「………もう!」
千遥がしゃべってくれなくなってしまった。しょんぼり……。




