Ж-23 殲 滅 の 誓 約 ~Lime Light~ ③
「オレは、 オレを、 傷つけるヤツを赦さない」
もう此処如何に由っては、 腹芸は用いない。
「オレを理由にして、 関係のないヤツを傷つけるヤツも赦さない」
在りのまま、 素の言葉で是非を問う、 自分でも驚くほど静かな声だ。
「邪魔なら、 出てく。 でもその場合、
オレは二度と此処には戻らない。
例えこの村の住人が皆殺しにされても、
多分気にしない。 それ以前に気づかない」
初めてオレの言葉に聞き入るハーフ・エルフ達、
静寂が、 草鳴りだけを耳に届かせる。
「リュカは、 残ってくれるかもしれない。
でも、 オレはソレを保証しない」
そう言って相方の傍に立ち、 その胸に手を当て寄り添ってみせる。
「オレとアンタ達なら、 リュカは多分オレの方を選ぶ。
理由は、 言わなくても解るよね?」
いや解らんよ、 という心の声は無視してオレは艶冶に微笑んでみせる。
これくらい己惚れさせてくれよ、 こっちのが付き合い長いんだから。
出会ってまだ一週間経ってないけどね。 ジョジ〇第5部か!
でも相方がそれと解らない表情で一瞬睨んできたのは解るよ。
「だけど此処に居てもいいのなら、 誰も邪魔をしないのなら、
自分の居場所は、 自分で護る。
此処はアンタ達の村だから、 ソレを脅かそうとするヤツは、
オレが皆殺しにする」
そう言って魔導発動、 『不 夜 ノ 旋 風』
夜空に向かって撃ち出された風が、
頭上の雲を掻き散らして穴を開け、 蒼い月がその全容を現す。
コレがオレの意志表示、 敵対するヤツには容赦しない。
ソレが誰であっても。 実行できるだけの魔力は在る。
暗黙のうちにそれだけ告げると、 少しも寒くないわ、
とどこぞの氷の女王張りに不敵な笑みを浮かべて
家に戻り振り向かずに閉じる。
今日は取り敢えずこれでいいよ、
いきなり声援に囲まれて万歳とかされた方が不安になる。
誰も、 無い事は証明出来ないから、 魔皇のオレが言った処で
何をか況やさ。
でも想った以上に緊張してたのか、 ドア閉めた瞬間膝が抜けて
ふぁ~とへたり込んじゃったよ。
明日からどうなるかしらんけど、
まぁ取り敢えずこいつだけはオレの肩から離れないんだろうな。
すり寄ってくるピンクの物体を指で突いてみた。