表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

59/400

Ж-15 魔 言 変 換 ~Trance Code~ ③





『LUGA!?』


 そうだろうねぇ~、 解らないだろうねぇ~、

魔導は遣ってないからねぇ~。

 ドンドンいくよ!




 ギシュッ! グァシュ!! ズヴァシュッッ!!





 腕を振り出すごとに、ランダムと云って良い無軌道さで

オーガの巨体に裂傷が走っていく。

攻撃の 「起点」 が視えてないから反射的なガードも難しそうだ。

 その為に腕をゆらゆら揺らしてるんだけどね、

オレでさえ精確には把握してないよ。

 もうお解りの通り、 オレは打撃(パンチ)を撃つ瞬間にだけ

異能を発動させて爪を延ばしてる。 相手に命中(ヒット)したら即座に戻す。

 肩も腰も入れずほぼ手首のスナップだけで撃ってるから

鞭みたいに(しな)って余計に視辛いんだよね、

しかもベルトライン下方からクるからさ。




 ズァババババババババババババババババババ

ババババババババババババババババババ!!!!!!!!!




『GUAAAAAAAAAGAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!!!』 


 目論見通り。 しかも安全圏内から反撃を許さず一方的に攻撃出来るなら、

当然こちらの回転も調子(テンション)も騰がっていく。 

 正直、こんなに巧くイクとは想わなかった、

コレが、魔皇の地力(スペック)ってヤツ?

爪を()ばすタイミング、

ヘタすりゃ爪同士が空中衝突でも起こすんじゃないかという

懸念(けねん)はあったが杞憂(きゆう)だったみたい。

そこらへんの微調整は 「技量」 や 「敏捷」 という

総力値(ステータス)』 が補ってくれてる。

昨日の虎共を 『貪喰(アバドン)』 で()ったのが効いてるのかもね。

 おっと、 すまない、 ンなコト考えてる間に当のオーガは血達磨(ちだるま)だ。

コレだけオレの爪撃を受けたまだ立ってる 「生命力」 と

肉体自体の 「防御力」 は大したモノだがね。

 だから――。


「もう、 止めた方がイイ」


 言葉が通じるかは解らないが、

オレは攻撃を止め構えも解いた。

 本来の戦闘なら甘過ぎるって解ってるけど、

今回に限りオレは 「殺し合い」 じゃなく 「実験」 してただけだからね。

生殺与奪の権利くらいは譲らないと公正(フェア)じゃない。

 体中オレの魔爪(エビル・クロー)で蜂の巣になって

肉の裂け目から骨や脂肪が剥き出しになっている。

 素直に 「降伏」 するなら回復してあげてもイイ、

近寄るから完治はさせられないけど。

『GUARUAAAAAAAAAAAAAAAAAAA――――――――

――――――――――――――――――――――ッッッッッッ!!!!!!!!』


 僅かな逡巡の後、 瀕死のオーガは全身の疵口から血を噴きながら

鉄球を(ふる)い上げ決死の突貫を仕掛けてきた。


――あぁ、()()()()()()()()


()』 だもんな。

 矮小な小娘()に一方的に甚振(いたぶ)られて、

ソレで助けてもらうなんて『本能(誇り)』が赦さないよな。


挿絵(By みてみん)


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ