Ж-15 魔 言 変 換 ~Trance Code~ ②
≪バンデッド・コボルド! W・STRUCK!!
PRICELESS FOR YOU! 我が主よ!≫
と、 まぁこんなカンジ。
今の同時攻撃、 恐らく魔導じゃ間に合わなかった。
【魔導】っていうのはその性質上、
どうしても 「溜める」 「放つ」 の最低二動作が必要。
コレに 「狙う」 「(形を)変える」 「操る」 「加える」 「減らす」
それに 『詠唱』 まで入ってくるとどうしても時間の掛かる
複雑複合動作になる。
当たり前だけど 「戦闘」 っていうのは一瞬の交錯。
止まってる相手なら兎も角、 常に動いて様々な攻撃を仕掛けてくる相手に
一々魔導で対処出来る筈がない。
だからまずその 「基本」 として遣える異能を可能な限り徹底的に鍛える。
魔導はとっておき、 奥の手、 『切り札』 というくらいの認識で丁度いい。
出来れば異能のみで、 大抵の相手を封殺、 倒せる位にまでは磨いておきたい。
瞬発的には無論、 あまり 「応用」 する余地が今のところ無いからだ。
≪CAUTION!≫
って言ってる矢先にキター!
急なENCOUNTはどうしても魔導に不向き。
『詠唱』 も頭に流れるからどうしても意識するし神経削られる。
“オーガ・ウォーリア” 、 だってさ。
オレの倍近くある巨躯に手にした得物はどこにあったんだ!?
っていう大きな鉄球、 スパイクみたいなトゲトゲが付いてるヤツ!
坂の向こう側からいきなり突進してきて、
でも振り被ったから回避は結構容易だった。
その代わり地面が大きく抉れて土と石が飛んできて痛てーけど、
魔物の歯や骨片が肉ごと飛んでくるのもヤダなぁ~。
でも、 必要距離保てたしここはオレの推論が正しいかどうか
試させてもらおう、 ダメなら修正しなきゃだしね。
いきり立つオーガにオレが執った 「構え」 は、
踵を浮かせてやや半身、 左腕は直角に近く曲げたまま腰の辺りで
超脱力させ、 右腕は一応顔の前でガードさせておく。
所謂ボクシングのフリッカーに近い、
ってかほぼ丸パクリのフォーム。
そしてその左腕を振り子のように小刻みに揺らす、
当然オレの細腕じゃオーガの突進なんて打撃で止められないし、
第一距離が腕4本分は離れてる。
それにオーガも意表を突かれたようだ、
すぐ追撃に移行せずこちらを警戒してる、
野性の本能ってヤツか? 良い勘してるよ。
この場合はダメダメだけど!
シュガァッ!
振り出した左腕、 拳も握ってない以前に届いてない、
にも関わらずオーガの顔面まで鍛えたような厚い皮膚が裂けた。
今日はここまでです。




