第11話「警察24時」
ひぇぇえ、
……み、み、見られたぁぁぁあ!
冷蔵庫に保存中のオーク肉見られたぁぁぁあ!!
「え、これ…………。ちょっと、マジでこの量のオーク肉ってマジでどうしたの?」
「あ、あー……き、キンジョデモラッタ」
うん、嘘じゃないよ?
近所で、貰った。
「…………じとー」
そ、そんなに見るなよ。
照れるじゃねーか。
「じとじとー……」
叔父さんとっても、
「───テヘ」
ピッピップー。
「あ、もしもし警察ですか?」
「ちょ──────!」
な、なんで? なんでノータイムで警察に電話するの?!
オジサン、叔父さんですよ!?
俺、YOUの身内ですよ?!
……や、やめーーーーーい!!
「え、恵美ぃ!!」
ガバチョ!!
で、電話をさせんぞッ! まずは話を聞けぇっぇええ!
「キャー……オシタオサレルー」
「誰がじゃぁあ!!」
だ・れ・が・姪・を・押・し・倒・す・か!
クソったれぇ! 棒読みで悲鳴上げるなー!
電話を取り上げるだけじゃー!!
ファンファンファンファンファン!!
ぎゃーーーーーーーーーーーーー!!
「──いいですか? 今回は厳重注意だけに留めますが、繰り返しあると、悪質として、公務執行妨害で逮捕もありえますからね!」
はい、はい!
「すみませんでしたー!!」
「スミマセンデシター」
ペコォ。と頭を下げる高橋に、警察官はしっかりと注意だけに留めて帰っていった。
先日、ダンジョンが発生した時に一番早くに来たあの警官だったおかげで事なきを得たところ───。
……最近、よくパトカー来るなーと思考が停止しそうになるが、
パトカーが去っていくまでしっかりと頭を下げ続けたところで──────……「ちょ~っと、来たまえ恵美ちゃ~ん」
「えー。お肉食べてからにしようよー」
わかったわかった、しゃーないなー…………って、
「食っとる場合かぁぁぁあ! って、もう食っとるしぃぃい!!」
そのお肉のせいで通報しようとした奴が何言っとるかね?!
とりあえず、コイツはノーウェイトで警察に通報するような危ない奴だから、色々胡麻化しつつ、オーク肉のことを言わねば。
あと、賄賂として多めにくれてやらねば……トホホ。
「───まず、肉はくれてやる! 好きなだけもってけ!」
「え? ほんと! じゃー半分」
……………………遠慮はしろや!!!
「わ、わかったわかった。もってけ泥棒」
「わーい♪」
「……で、だ。これはホントにご近所さんに貰ったの!」
そう、ポンタ君がね。
「んー? まぁ、色々怪しいけど、それで貰えるならいいや」
「んんんー、現金んんんんんん!!」
───今時のJKって現金んんん!!
(ったく、通報しておいてコイツ……!)
「それにしても、こんだけあるなら売ればいいのに。結構なお値段になるよ?」
「売れたら文句はねーよ。知ってるだろ? ダンジョン管理法」
今時、学校で習う常識。
関係者以外は、取引禁止ってやつだ。
「知ってるよん? でも、簡単じゃん? アタシのバイト先で売ってこようかにゃん?」
「………………ホワイ?」
え?
何言ってんのコイツ?
バイト先で──────……え?
……バイト??
も、もしかして、援助的な奴?
ゴクリ───この体で月10万以上も……。
「ん? お母さんに聞いてない? アタシ今サポーターのバイトやってんの。ってか、なんか目がヤバイんですけど。殺しますよ?」
……殺すなし!!
──っていうか、恵美さん、高校生なのにサポーターしてんの?!
え、え、え?
うそ?! 仕事してるのー?!
※ ポンタの戦果:なし ※
《料理:オーク肉ステーキ(700g)》




