ケンジの葛藤…
部屋で休んでいると、『コンコン…』とドアがノックされた。横になったまま「はい…」と返事をすると、トオルが顔を出した。
「ケンジ君、具合はどうかな?」
「最悪です…身体があちこち痛い…」
体を起こそうとしたケンジを制し、トオルは一冊のファイルをケンジに渡した。
「これは?」
「君の戦闘データだよ。」
そのファイルには、事細かにケンジの行動内容と、ターゲットの行動内容、エリアでの罠の場所、戦闘で使われた武器の詳細などが書かれていた。
ファイルの下の欄にシゲさんからの評価が書かれていた。
『動きは悪くないが、周りが全く見えていない…
銃撃戦の途中でも周りの敵の動きに敏感に反応
しなければ、背を取られて殺される。
気配を消す術を身に付けろ。カモフラージュの
レベルが低すぎる…
…………
………
……
… 』
云々…
長げ〜……
「ハハッ!それでもシゲさんは喜んでたよ!
鍛え甲斐がありってね」
「嬉しくねぇ〜……」
トオルはコホンと咳払いをして、真面目な顔でケンジを見た…
「分かったと思うがこれよりも厳しい戦いを今後は君にも参加して貰う…油断は即、死ぬ事になる。」
ケンジは俯いて考えをまとめて、トオルに…
「何のためにこんな戦いをしないといけないんだ!何故殺し合いなんだよ…」
感情が爆発した。
しかし、トオルは真面目な顔のまま…
「これはゲームなんだ…FPSなどではなく本当に命懸けのデスゲーム…運営は、間違いなく世界規模の組織だろう…でなきゃ武器などの調達が不可能だからね…
私たちは運営からしたら、単なる駒でしかないだろう…」
「トオルさん…あんた…何でそんなに落ち着いていられるんだよ!」
ケンジの叫び声を聞き付けて、ミオとシゲルが駆けつけた。
「ケンジ!あんたヤメなって!トオルに八当たりしても意味ないんだよ!」
「ケンジ!落ち着け!トオルだって早くこのゲームから抜け出したいのじゃ!恋人の為に!」
「クソ!……」
悔しがるケンジに俯き加減にトオルが背を向けながら
「ケンジ君、前にも言ったがこのゲームに参加したのは君の意思だ!!それ以上、私に文句を言う筋合いはない!」




