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覇王様の子守唄 第2章  作者: 日明
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歌姫に迫る新たな刺客

 いつもは王やマルドアの手伝いをするディーナだったが、姉達のことがあり暫くは一緒にメイドや庭師の仕事を手伝っていた。


 イルリカは庭師の元へ行き、ディーナとレオナは廊下の掃除を一緒にしていた。


「ねえディーナ」

「何?レオ姉」


 レオナに声をかけられディーナは掃いていた手を止める。


「イル姉ってマルドアさんのこと好きなのかな?」

「え!?」


 唐突な言葉に思い切り驚く。


 あのクールで何事にも動じないイルリカがマルドアを好きなのかと言われて思い当たる節が全くなかった。


「ど、どうしてそう思ったの?」

「昨日さ、イル姉がケーキ二個持ってったじゃん?で、誰と食べたのかなー?と思ってギドさんとメルフィに聞いたんだけど二人共食べてないって話だったから、イル姉に直接聞いたら『内緒』って。ちなみにどっちあげたのって聞いたらヨーグルトのケーキだったし」

「?内緒にされてるのとヨーグルトのケーキをあげたことがイル姉がマルドアさん好きっていうのと繋がるの?」

「だって!別に何とも思ってない人となら内緒にする必要なんてないでしょ!?あれイル姉なりの照れ隠しだから!ヨーグルトのケーキだって持っていくとき『疲労回復にいい』って呟いてたし、それって相手のこと心配してるってことでしょ!?」


 確かにイルリカはディーナやレオナの誕生日の時よくサプライズをしてくれていた。そして誰がしてくれたんだろう!?とか聞くといつも『内緒』と答えていた。あの頃は父か母だろうと思っていたが、時が経つにつれすぐにイルリカがやってくれたんだと分かるようになった。


 だが・・・正直それだけでは材料は足りない気がする。


「マルドアさんにあげたのならマルドアさんを労わってあげてただけじゃないのかなぁ?イル姉マルドアさんのこと尊敬してるみたいだし」

「イル姉は尊敬してたとしても絶対一線引くもん!『貴方のことは尊敬してますがそれ以上は近寄らないでくださいオーラ』全開にするもん!」

「レオ姉はイル姉がマルドアさんを好きであって欲しいの・・・?」

「だって今までイル姉に浮いた話なんてなかったじゃん!大抵父さんがぶち壊してだけど、イル姉自身も恋愛ごと興味なさそうだったし。だからイル姉がマルドアさん好きなら私が面白い!」


 面白がってるだけだ・・・っ!!


 城で半ば軟禁のような状態は動き回っているのが好きなレオナには中々苦痛なのだろう。それは理解できるがだからといって姉で暇を潰すのはいかがなものかとディーナは思った。


「あれー?ここのメイドが駄弁ってサボってるのなんて見たことなかったのに・・・。オレらがいない間に随分とレベルが下がっちゃったのかな?」


 低くも高くもない少年のような声にディーナもレオナも振り返る。


 そこにはブルーの髪の中性的な人物と眼鏡の青年、ダークグリーンの髪の男性が立っていた。


 ブルーの髪の人物は髪が肩ほどまであり服も体型が分からないようなダボダボの服を着ているため性別が分からない。


 眼鏡の青年は朱色の髪をポニーテールにしており、瞳は赤。送られる視線は何処か軽蔑を含んでいるように思う。


 ダークグリーンの髪の男性は髪を短く刈り上げ、瞳は黒。酷くこちらを睨んでいるように見えディーナは少し身をすくめた。

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