妖精界編「ぼく、王様になりました?」
僕は異世界に来て、早くも王様になりました。
「いや!おかしいでしょ!?」
僕はお披露目のあと、すぐに皆(ドワーフ、スプリガン、ケットシー、ゴブリンは仕事の都合上帰った)に集まってもらった。
そして今の僕の現状を聞いた。
「確かにこの世界に新たな王様が必要なのはわかるよ?でもそれを僕にって・・・この世界の皆じゃダメなの?」
と僕が言うとアクアがまぁまぁとぼくを落ち着かせ言う。
「あなたがこの世界の王になるのには一応理由があるの。これ、なんだかわかる?」
と言って手に何かの布を出す。
そこには何かの紋章が描かれていた。
「もしかして旗?」
「そう。ちなみにこの紋章は君の傘下に入った証としての紋章よ」
つまり僕の旗か・・・ってなにそれ?
「実はお父様からの意見なの。この世界もそして私達や他の世界でも奴等の攻撃に苦しむ人たちがいる。そして奴等はまたいつ襲ってくるかわからない」
確かにその奴等がこれで終わりなんて思えない。
現にアースドランには何度か攻めてきてたんだっけ。
「この旗の紋章には私たちとこの世界を繋ぐワープ空間を作る魔法が込められてるの。プラス侵入警報付きの結界もついてる」
「・・・なるほど。つまりこれを立てておけばこの世界のピンチに颯爽と来れると」
それは便利ですね。
助けた世界がまた襲われたは嫌だけど。
「それで、この世界のまだパラレル世界を認識してない人達に対してこの旗をたてるためには新たな王様を祭り上げる必要性がありました」
・・・ん?なんかいきなり無理矢理な設定が。
「魔王の娘であるアクアを異世界の王様にするのはまずいし、適任かな?って。世界を救った英雄なのはホントだし」
とイリエが軽く言う。
いいの?この世界の中心人物をそんなに軽く決めて。
でも、とりあえずお披露目はしてしまった。
皆も歓迎してくれた。いきなり決まったのに、人信用しすぎではないかな?
僕は今、逃げ場がない!つまり僕は
「今日から妖精王様?」
「「「「はい!よろしくお願いします!」」」」と四大妖精が元気に言う。
(これでアカシにここに帰ってくる口実作れたなぁ。今はアカシも異世界のことで忙しいやろうし、終わってからゆっくり口説けばええや)
ブルッ!・・・な、なんだろ?ミリアの笑顔の中に蛇みたいオーラが見えたような。
「アカシ君」
とアクアが袖を引っ張る。
「本当にごめんなさい。あなただって他に帰る世界があるのに・・・でも・・・押しきられて」
アクアが遠い目をした。
え?押しきられて?つまりこの話は彼女達の立案で、本来はその必要性は無い?
「フラッグは確かに今後必要だけど、君が王になる必要は全くないわ」
「へ?」
「そんなことしたら他の世界でも君は王になる必要があるってことよ?無理でしょ?」
「じゃあ何で!?」
・・・。
アクアは口ごもる。おい?
対には震え出す。
「怖かったわ・・・四人もの妖精にまぁいろいろと・・・」
ちょっ!何があったの!?
てかもう一人の救世主怖がらすなよ!
「アカシ様」
今度はノルンが袖を引っ張る。
僕にちょいちょいと指でもっと近付いてとするので、足を曲げ、耳を近付ける。
「アクア様を責めないであげてください。アクア様も勿論反対なさってたんです」
と言い、アクアのフォローする。
「妖精界の女は気に入った男はけっして逃さないという信念がありまして、その時の皆といったら・・・あれだけでオークたち倒せたかもしれませんね?」
なんと!
「まぁそれはアクア様もおなっムグッ!」
と何かいいかけたところで赤面になったアクアが口を塞ぐ。
「なに言ってるのかしら?この妹っ子は?」
また怖い笑顔。でもいつもより慌ててる顔だが、でもその塞ぎ方、息が、あっ。
「ム・・・・むが」
「ちょっとアクア!?ノルン白目向いてる!」
「え!あっ!!」
アクアはハッとなり、すぐに手を離す。
「ぷはぁ。ぜー、ぜー!・・・アクア様いくらなんでも」
「ごめんなさい」
「・・・それはそうと、アカシ様」
とちょっといたずらっ子な顔で言う。
「私もその一人ですよ?」
え?
「・・・ロリコン」
等とコントしてるが、結局僕はこの世界で王様になってしまった。
そんなこんながありましたが、今は僕は落ち着いて今は明日の旅の準備をしに、外で市場で買い物をしていた。
「あのさアクア、ノルン」
一緒に買い出し、してる二人に話しかける。
「ん?どうかした?」
「あの・・・やっぱり荷物持たせてください」
荷物持ちをしてる僕を心配そうにするノルン。
「ううん。大丈夫。ところでさ、なんかどんどん話進んでるけど、いいの?僕、次の世界に行っても。と言ってもやめるわけにはいかないけど」
アクアとノルンはなんだ。そんなこと?と言った顔で最初にノルンが言う。
「問題ありません。あの旗のお陰ですぐにこちらにこれますし、それに他の世界でもこちらと同じことが起きているなら助けねべなりません!」
「そうよ、アカシ君。それにあなたは王様になっても勇者なんだから・・・よく考えたら王様が勇者って結構すごいかも」
・・・また呑気な。僕の考えすぎなのかな?
「私らが信用できないか?アカシ」
と突然現れたイリエが言う。
「イリエ?いきなりどうしたの?」
「用事があってきたんだが、お前たちが買い出し行った聞いたから、来ちゃった」
用事?そう言ってイリエは何か棒状の包みをアクアに渡した。
「はいよこれ、アクアの親父さんから預かっていた物だ。あんたに返すよ」
そう言われ、アクアは包みを受けとる。
「・・・預かっていてくれて、ありがとう。イリエさん」
なんだろ?何か大事な物みたいだな?
すると新たに増えた声が聞こえる。
「おーい!アカシ君!アクアさん!」
クララだった。
クララはてくてくと走って来て、言う。
「探したよ。君らの言ってた店、早くいかないと売り切れるよ?」
おーそうだ!!大事な用事があったんだ!
僕らは急ぎ目的地に向かった。
あれから目的の物を買って城に戻り、皆と旅前の晩餐をした。
あー。食べ過ぎた。
次に案内されたのは風呂場だった。
アクアの提案で作ったらしい。
やっぱり日本人はお風呂だよね?
ゆっくり湯に浸かり、疲れを癒す。
明日から新たな旅が始まる。
・・・この世界ともしばしのお別れか。
なんか最初から色々あったな。
いきなりデカイ肉食植物に襲われて
妖精達は戦争しようとしてたり
この町の外壁にはびっくりしたな。
でも肉食植物のバクウさんが殺されて
新たな敵ゴブリンの存在が明らかになって
オークとベノム。あいつらは・・・思い出したくないな。
ノルンは捕まる、四大妖精はピンチなる。
暴走したオーク、食われたベノム、新たな武器キリキザンデスサイズでオークの魂を冥土に送った。
そして平和になったこの世界の王様にぼくはなった。
「王様か。勇者パーティーに入れなかった僕が王様にジョブチェンジ・・・へへっ。すごいな」
と苦笑いする僕。誠士郎だってここまでできたことはないよな。
・・・僕は誠士郎に追い付いてるのかな?僕はいつもあいつの背中を追いかけてる。
なんか今回の事件もあいつが関わってるきがする。・・・気のせいだよね?
などと考え耽っていると風呂の扉の方で物音がした。
ん?兵士さんたちかな?
すると湯けむりの中から現れたのは、
「あ、アカシ君!?」
「ア、アクア!?」
タオル一枚を体に巻いたアクアだった。
なんで!?ここに!?
「なんでアカシ君がここにいるの!?」
「ここは男性浴室って・・・」
・・・まさか誰かの策略。
「男性浴室というよりは王族専用浴室だね」
と今度は水着を着用したクララが現れた。
「ってクララ!?なんであなただけ水着!?」
「君がはしゃいで人の話を聞かないからだろう?ほら君用の水着」
アクアは、慌ててそれを受け取り、脱衣所に駆け込む。
よかったー。色々危うかった気がする。
って僕には水着ないの?
僕は近くに置いたタオルを腰に巻く。
「生憎、男性用の水着はご用意できませんでした。申し訳ありません」
といつの間にか近くにいたノルンが謝る。
いや、それより
「・・・それで?二人は僕が入ってるの知ってて入ってきてたよね?」
じゃなきゃ水着なんて用意してるわけないし、僕が入ってることにもまったく驚いてないし。
「気付いているなら話が早いですね。実は二人に・・・アカシ君に頼みたいことがあって」
話す前に二人は体を流したあと、湯に浸かりながら言う。
・・・水着とはいえ目のやり場が。
「そ、それで?なにかな?頼みって」
僕が質問するとノルンが答えた。
「実は・・・私を旅のお供に加えてほしいんです!」
「・・・はい?えぇぇっ!」
僕は目が飛び出るほど驚く。
だってノルンが一緒にってそれって
「ダメだ!危険だっ!いやそれよりなんで僕らと一緒に行くなんて話になったの!?」
今度はクララが答える。
「はい。危険なのは百も承知です。勿論私も反対しました。ですが」
「私、異世界のすべての人とつながりを持ちたいんです!いつかこの世界以外の世界と交流する。この新たに作った国は元々異世界との・・・アカシ様の世界とも交流ができる国として作りました。私は・・・その時、あなたのそばにいたいです」
つまり秘書みたいな?
しかもこの国って外交用としても活用してるの?というか僕の世界のことも考えて・・・。
「それで今のうちに異世界の知識を色々学びたいんです!これでも自分の身ぐらいは・・・って拉致された私が言っても説得力がありませんけどその」
ノルンが困っている。
本気なんだろうな。でもこれから行くところがかなり危険な所の可能性大だし。
「いいんじゃない?私たちが一緒なら」
と水着に着替えたアクアが戻ってきて言う。
「ア、アクア。でも」
「私たちが守ってあげればいいのよ。私もちょうど力手に入れたし」
アクアが何もない空間から棒状の何かを出す。
あ、それ市場でイリエが渡した奴。
「これお父様がこの世界の来たとき、賭けやってたみたいでその時負けて渡した魔王具なんだけど・・・」
ちょ・・・あの人、何賭けてんの?
「言いたいことはよくわかるわ。それでこの魔王具『幻惑の魔女の杖』って名前の杖で唯一私が使える魔王具なの。最近知ったんだけど」
おお!てことはこれからはアクアも一緒に戦えるってこと?
「っていってもこの杖の能力は幻惑。相手に幻を見せて混乱させるくらいの能力だから。まだ君に頼りっぱなしになりそうなんだけど」
「ううん。それだけでも心強いよ・・・わかった。それじゃノルン一緒に行こう」
この子は僕たちが護る。ひとり守る子が増えただけだし、これからのこの世界のために頑張ろうとしてる。それを邪魔するのもなんかいやだし。
「はいっ!よろしくお願いします!アカシ様、アクア様!」
あ、でも。
「ひとつ条件がある」
その言葉にノルンはなんでしょう?、と答え、僕は言う。
「様付やめてくれない?アカシでいいよ?」
それを聞くとノルンは困惑しているようだった。
「え、でも王様を呼び捨てはさすがに、さん?君?・・・どれも今更感が」
んー。別に呼び捨てでも全然いいのに。
困惑してるノルンにクララがとんでもないことを言う。
「じゃぁお兄ちゃんで」
「「それだ!」」
それだ!じゃないよ!僕に変な属性つけないで!
ていうかアクア!君まで一緒にそれだ!はないでしょ!
「や、やめて・・・ただでさえみんなからロリコンにされてるのにこれ以上は」
「では改めて・・・よろしくね。お兄ちゃん♪」
・・・ぐはっ!僕は10000のダメージを受けた。
この日僕は勇者であり、王様であり、そして義妹デレになりました。
義妹恐るべし!
そして翌日。
いよいよこの世界とお別れする日が来ました。
僕たちは昨日のうちに準備を終え、コンバットさんの喫茶店の前まで来た。
この世界とも暫しの別れか。
ノルン達の計画じゃ僕の世界と外交を結ぶ話があるみたいだから、またすぐ来れそうな気はするけど。
みんなも僕らを見送りに来てくれた。
「アカシ君、アクアさん。頑張ってくださいね。ノルンも二人に迷惑ばっかりかけないようにね?」とクララ
「私が見込んだ男が一緒だ!大丈夫だろ?」
とイリエ
「なんや?ずいぶん信頼してるやね?」
とミリヤ
「うふふ。ここにいるみんなが彼を信頼していますからね?」とルルが言う。
「それじゃみんな!お世話になりました!また来るよ!」とみんなに僕が言い
「世界が平和になったらいつでも遊びに来るから」とアクア
「私も異世界の勉強頑張るよ!お姉ちゃん!みんな!」とノルンがみんなにいった。
「「「「「いってらっしゃい!3人とも」」」」」
みんなが元気に見送ってくれた。
さてそれじゃ開けますか。
カランとコンバットさんの喫茶店のドアを開けた。
「じゃあね、妖精の世界!また会う日まで!!」




