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妖精界編「戦いの理由、つきとめます」

今回、少々残酷とも取れる描写が含まれます。

苦手な方がおりましたら、ご注意ください。


※今回より警告のタグを付けさせていただきます。

付いた警告タグ 『残酷な描写あり』

クララさんと密談していた部屋から出て、僕らは用意された客室で休んでいた。

もちろんそれぞれ別の部屋を用意されているが、アクアは今僕のほうの部屋にいた。

「アカシ君。さっきの話、どう思う?」

「・・・明らかに何か隠してたよね?たとえば他国の戦の理由のこと・・・とか」

そう。前にも言ったように、ここにはアースドランのようにヤツらに似た生物はいない。

つまり他国からの攻撃と考え、戦争になりかけたアースドランのような理由が無い。なのに、他国での戦が行われた。疑う理由なんてないのに。しかもここの王は異世界のシステムを知ってる。なら異世界の侵略と考えるの当然なのに。

「・・・観光、してみようか?」

「え?」

ニカッと笑う僕に唖然とした表情で返すアクア。

「私達の目的は調査だろう?せっかく最高責任者が許可をくれたんだし、調査のついでに本当のこの世界を調べて見ましょ?」

「うん。そうだね?」

それに他の国の現状を知りたい。

異世界に来てさっそく忙しくなりそうだ。


アクアが部屋を後にして、日も完全に沈み、部屋に運ばれてきたこの国で、はじめての食事をしていた。

お、うまい。けど・・・

食事を進めていてあることに気付く。

すべて生のフルーツやら野菜の盛り合わせ。

スープもあるが地球のビシソワーズに似たぬるいスープ。そう。暖かい料理も冷たい料理もない。

飲料品も水とかではなく、フレッシュなフルーツジュース。

そう。どれも火も水も使ってないものばかり。

たしかアクアの話ではこの世界はノームを含む四大妖精達によって環境が管理されている。

つまりサラマンダーが火を、ウンディーネが水を、シルフが風を、そしてノームが重力を管理してるらしい。野菜は植物族の管理らしいけど。

他国の戦争中の今はこの国には他国管理の物がここにはこない。

だから火も水も、気づけば窓を開けてるのにそこから来るはずの心地のいい風もない。

本当に何があったんだ?

食事を終え、その頃合いを見計らったのか呼んでないのにメイドさんが来て片付けてくれた。

そこからまたしばらく過ぎて、外は完全に月が真上になっていた。

どの世界も太陽も月も変わらないんだな。

なんて黄昏ながらそんなことを考えながら外を見ていると、誰かが城庭を走っていた。

あれは・・・ノルン?こんな時間に何処へ?


気になったので彼女のあとついていってみた。

あっ。見つけた。

見つけた時にはノルンは城下町の門から外に出るところだった。

城下の外?まさかこんな時間からお姫様が見回りにでもいくわけじゃないよね?

僕もあとに続いて門から出る。

って、あれ?門番はいないの?昼間はいたのに。

いくら頑丈な外壁があるからって無用心じゃないか?

こっちも気になるが、先にノルンの方を追いかける。

門からしばらく走って、やっと目的地に着いたのかノルンは止まる。

でも何もないな。ここ。

すると

「ギギ(ノルン)」

森の奥から肉食植物のバクウさんが現れた。

「バクウ!怪我は大丈夫か?」

「ギギギギ(あぁ。あいつも言っていたが、怪我はすぐ治るように攻撃したらしい。いきなり襲った私に情けをかけおって)」

なるほどバクウさんの傷の具合を見に来たのか。なら僕は邪魔になるだけたな。バクウさんの傷は心配だけど、大丈夫そうだし

僕はそのままその場をあとにしようとした。

「ギ?ギギ(ん?ふっ。私が認めたやつはどうやら、お前に気があるらしい)」

「 ん?誰のことだ?」

「ギー!(おい!お前に言ってんだよ!ストーカー野郎!)」

「って僕かよ!ていうかストーカーじゃないよ!」

ノルンは振り向き驚く。

「アカシ!?なぜここに!?・・・まさかつけてきた?」

あっ。すごい変態を見るような目。

「ちがうちがう!確かにつけて来たようなもんだけど、その心配で・・・」

「ふーん。でもここ私の地元だぞ?」

と彼女は言って再びバクウさんの方を向いていたけど、なんかまだ疑ってる顔だったな。

ノルンはバクウさんの傷に何かの薬を塗る。

植物用の傷薬かな?

「バクウさんは平気そう?」

「あなたのつけた傷はだいぶ回復してますよ?腕いいんですね?」

あれ?急によそよさしいような。

・・・ん?何かに肩を触られ振り向く。

バクウさんのツルだった。

文字があった。バクウさんが書いたらしい。

「コノコハモトモトヒトミシリデイツモコンナカンジダカラキニシナイデクレ」

なるほど。

「バクウ?」

あっ。気付いてた。

「ギガ(すみません)」

「ごめんなさい」

彼女の笑顔の怒気についふたりのとも、平謝りしていた。

「ぷっ、あははははは」

彼女は急に笑いだす。

「バクウとこんな話するなんて、すごく久しぶり」

・・・。

きっと2年前のあの日からずっとピリピリしていたんだろうな。

それが久しぶりにこんな話をできることが嬉しかったんだね。

「ごめんなさい。アカシ。心配でついてきてくれてありがとう。ちょっと待っててバクウの治療もうすぐ終わるから」

そういえば。

「さっき僕がやった傷はっていってたけど、まさか他にも傷があるの?」

「・・・」

確かによくみると僕がつけた傷よりも深い傷後がけっこうある。誰にやられたんだ。奴らか?でも傷新しめだ。最近の傷が多い。

「他国のなに者かにやられたんだ」

彼女は悲しい声で言う。

え?他国の妖精が!?なんで!?

「どういうこと!?まさか戦争が始まってからずっと!?」

ノルンは首を横に振る。

「最近のことだよ。何処の奴かはわからないけど、ここ最近みんなが襲われてるの。門番いなかっただろ?」

「うん」

そうか。その奴らに襲われて、防衛は外壁とバクウさん達に任せてる。

でもそれでも心配なノルンはこうやって毎晩のように見に来てるということか。

「・・・君、いい子だね?」

そう言われノルンは持っていた薬道具を落とす。

「ななななな、何をいきなり!やはりそういった趣味の持ち主か!」

「っ!ちがうっ!てかやはりってなんだ!?そういった趣味ってなに!」

「うー!・・・もう治療終わったから帰ろ」

いつの間にかデカイバクウさんの治療が終わっていた。

ノルンはセクセクと歩いて、一度バクウさんを見る。

「それじゃぁバクウ。気を付けてね?」

「ギ」

と言い合い、再び歩き出す。

「あっ、待って。それじゃまた明日」

「ギギ(あぁロリコン勇者)」

誰がロリコンだ!?

・・・あれ?今勇者って言わなかった?

僕はバクウさんの方へ振り向く。けどもうバクウさんの姿がなかった。

・・・明日聞きに来るか。

このあとノルンと軽い話をしながら歩き、城に着いた後はすぐ別れ、部屋に戻り今度はすぐに眠った。


ガヤガヤ

・・・ん?なんか騒がしいな。

窓からは朝日が差し込んでいた。

もう朝か。でもなんだろ?

部屋の外から?

僕はベッドから出て、扉に向かう。

そっと扉を開け、外の様子を見る。

外では兵士たちが慌ただしく、駆けずり回っていた。

なんだ!?

僕は近くに来た兵士に声をかけた。

「すいません。何かあったんですか?」

「あ、ドワーフの・・・実は」

兵士は暗い顔で言った。

「王族の門番植物 バクウ様が・・・何者かに殺られました 」

・・・え?何を言ってるんだこの人。

「バクウ様ってバクウさんのことだよね?」

「はい。外壁の門前にて門番が空高くに煙を発見。火事かと思い、消火に行ったところ、燃やされた何かを確認。調べたところノルン様が・・・バクウ様だと」

彼は涙ながらに言った。

ノルンが確認した・・・?

ウソだろ?

っ!

「ドワーフ様?」

「外壁の門前だな!?」

「あ、はい!」

それを聞き僕は走った。


はぁはぁはぁ!

僕は市場を通り、門へ向かって走る!

「アカシ君!」

誰かが僕を呼ぶ。

振り向くとそこには僕と同じく走るアクアがいた。

「城の人から聞いたわ!急ぎましょう!」

「うん!」

僕らはひたすら走った。


門をくぐり、現場に着いた。

そこには・・・黒い煙を出し、黒焦げになった何かがあった。

これが・・・バクウさん?でも・・・昨日会ったのに・・・ウソだろ?そう。ウソだよ!

「バクウさん!」

僕は駆け寄り、調べる。

でもこれじゃ何かわから・・・ん?

影に人がいた。ノルンだった。

「ノルン!」

ノルンは僕の声に振り向く。

顔は涙で、くしゃくしゃだった。

「・・・アガ・・・シ」

「そこにいるの・・・本当にバクウさんなの?」

ノルンは顔をうつ向かせ、ある方向に指差す。僕はそちらに顔を向ける。

そこには昨日の彼女がした治療あとである包帯が燃え残っていた。

そんな・・・。

「いったい何があったんですか?」

僕の後ろにいたアクアが質問する。

「こんなひどいこと、自然発火はあり得ないし、誰かがやったとしか・・・でも」

・・・確かにこんな燃え方、自然じゃありえない。でも・・・そうなると

「サラマンダーだ!」

現場に集まった野次馬の中から誰かが言った。

「オレ達は、サラマンダーの供給がなく、炎は使えない!いや!サラマンダー以外の奴らも同じだ!最近の兵士たちの殺傷事件もすべて奴らの・・・!」

「だまれ!!」

その野次馬の声を誰かの声がかき消した。

クララさんだった。

「誰が言ったか知らないが今はそれより早くバクウを連れていってやれ!このままじゃ」

彼女の声も涙を堪える声のトーンだった。

兵士たちもそれに気付き、直ぐ様バクウさんを城へと運ぶ準備に入る。

しかし先ほどの野次馬の一人はまた、今度はクララさんに食って掛かる。

「しかしよ!クララ様!これは明らかにサラマンダーの仕業です!ここは一層早く戦争にて奴らに思い知らせてやりましょう!?」

なんだ!あいつ!今クララさんは傷付いたって言うのに・・・。

「おい!あんた・・・っ!」

「消えろ」

え?今の誰の声?

振り向くとそこにはノルンが立ち上がり、こちらに向かって歩いていた。

「ノルンちゃん・・・」

アクアも今の声に驚いていた。

「な、なんです?ノルン様。私はクララ様とお話を・・・」

「・・・っ!今すぐ私の前から!バクウの前から消えろ!」

・・・。

ノルンの怒りの声が森中に響き渡った。

その後ろからそっとアクアが抱き締めた。

「ノルンちゃん。・・・彼女の言う通りさっさと消えなさい。あなたのような方がここにいては、バクウさんが浮かばれません。彼女達が心配で」

「ドワーフがなにを・・・」

「彼女の言う通りだ。貴様は消えろ。さもないと・・・」

彼女は腰にさした剣を抜いた。

「公務執行妨害で貴様を逮捕する」

冷たい表情で言う。

「・・・ちっ!わかりましたよ!でもね、クララ様。そう思ってんのはオレだけじゃねぇんだ忘れないでくださいよ!」

男は逃げ台詞を言いそそくさと逃げ去る。

クララさんがノルンに駆け寄る。

「ノルン?大丈夫?」

アクアに抱き締められたままノルンは頷いた。

「そうか。ありがとう、私の分も怒ってくれて・・・アクアさんも」

「いいえ、私もあの人にはひどくムカついたから」

僕も。それにしてもこんなときに戦うことだけしか考えてないとは、そこまでひどいのか。今のこの世界は、それにバクウさん、こんなの、ひどすぎる!燃やすなんて!

・・・でも本当にサラマンダーがやったことなのかな。いくら今は敵対したとしてもここまでひどいことを平気で出来る物なのか。

「クララ様。これよりバクウ様をお運びします」

一人の兵士が駆け寄り、言った。

ここにずっと放置よりいいだろからね。

「あぁ頼む。ではノルン私たちも行こう。二人も」

「あっ。すみません。僕は残ります。ちょっと気になることがあるので」

「ごめんなさい。私も彼と残ります」

「・・・そうか。まだ犯人がいる可能性があるから気を付けて」

僕らはハイと言い、その場に残り、クララさん達はクララさんが乗ってきた精馬という馬に乗り、この場を去ろうする、するとノルンがこちらを見て言う。

「アカシ・・・。こんなこと頼める義理じゃないけど君たちならできる気がするから・・・お願い!バクウを殺した奴を捕まえて!」

僕は静かに頷いた。

再びノルン達は行ってしまった。

さてと、調べますか!バクウさんをやりやがった犯人を!


昨日の夜は全然元気だった。

つまりそれ以降に何者かに襲われた。

ここには時計がないから正確な時間はわからないけど、体の感じ的に僕がとれた睡眠時間は約四時間前後。

ここから城まで歩いて約30分ぐらい。

それだけ時間があればこれくらい魔法が無くても出来る。

が、ここには、いやサラマンダーの国以外では火を使うことは出来ない。

うーん。やっぱり犯人はサラマンダーだって答えが出ちゃう。でもなんか証拠残しすぎだよな。

「アカシ君、そっちはどう?何か見つかった?」

「いや、まだ何も。そっちは」

「ちょっと気になるものが・・・こっち来て?」

お?何か見つけてた!さすがアクア!

僕はアクアの元へ行く。

「これを見て」

彼女の指差すとこらには何かの液体らしき物が落ちていた。

半透明でちょっと黄色染みた色をしていた。

僕はそれに触り、調べる。

くんくん。

「この匂い。油?」

「そう。これは油よ。しかもこれこの世界じゃサラマンダーより、よく火がつくって言われてる油なの」

それがここに落ちてるってことは。

「ねぇ?サラマンダーの魔法ってこんなの使うほど火力弱いの?」

アクアは首を横に振る。

「いいえ。これ使って魔法も使ったらここから町だってあっという間に燃えるわ」

「そんな強いんだ、なら・・・」

「うん。ここにこれがあるのは不自然だよね」

ここでは火がないならあ油を使うことなんてことめったに無いだろうに。

「アクア。この世界にサラマンダー以外に火の魔法を使う種族っているのかな?」

「うーん。聞いたことないけど、もしかしたらクララさんの書庫に情報があるかも」

・・・けど、このままじゃあの男の言うとおりサラマンダーへの疑いで暴動が起こるかも。それに戦争も始まっちゃう。

なんとかして犯人見つけないと。

「・・・アクア。僕、サラマンダーの国に行ってみる」

「サラマンダーの!?危険だわ。まだ彼らが犯人じゃないと決まったわけじゃないのよ」

「でもどうしても僕には彼らが犯人だなんて思いたくないんだ。だって2年前のより前にはこの国もサラマンダーの国も他の国だって、お互い助け合って暮らしていた。それなのにいきなりこんなに変わるなんて明らかに変だよ。いくらヤツらの仕業でも。だから僕は納得するまで調べるよ。そして絶対にこの世界の戦争を止めてやる!」

僕の啖呵にアクアは黙っていたが、すぐに溜め息まじりで口を開いた。

「君は勇者だもんね。わかった。それじゃ私も・・・」

「あっ、アクアはここに残って例の奴のことを書庫で調べてほしい」

彼女はそうでしたと顔をしてしぶしぶ頷く。

「それともう一つ、ノルンの事お願いします」

「・・・うん」


僕らは森を出て、一旦城に戻った。

ちゃんとクララさんに話しておかないと後々面倒そうだし。

僕らはクララさんの書庫に再び入り、このことを話す。

「サラマンダー領に行く!?」

案の定、彼女は驚きのあまり座っていた椅子から滑り落ちた。

「大丈夫ですか?クララさん」

「えぇありがとう。じゃなくて何を考えているんですか!?我々を襲ったやつがいるかもしれないのに」

「・・・かもってことは、やっぱりあなたも様んだーたちを疑ってないんですね」

彼女ギクッとなり少し黙ったがすぐに口を開く。

「仕方ないですね。お話ししましょう。たくっ異世界の人を巻き込みたくないから出てほしかったのに、社交辞令で言った観光のほうを取るとは、はぁ」

彼女は置かれた紅茶を少しすすり、落ち着かせ、話し始める。

「たしかに2年前、あなた達と同様に謎の奴らの襲撃にあいました。ですが我々は他国と協力し、それを撃退、我々も多く失いました。私たちの両親も・・・その悲しみは幼いノルンにはあまりに酷だったため、あの子の、そして同じく苦しむ民へも記憶消去の魔法をかけました。すべての国が同じことしたとのことです。ここまでは昨日お話ししましたね」

僕らは頷く。

「・・・それから復興作業は忙しかったものの、無事終わりしばらくは平和な時が訪れていました。しかしある日こんな手紙がシルフ領から送られてきました」

といい机に一枚の手紙を置く。

僕は手紙を取り、アクアに見せながら読む。


『クララ どういうことですか!うちの兵士たちが突如の地震で怪我をしてしまいました。そういう管理は君のところの役目のはずです 早急に調べてください』


と書かれていた。たしか地族系統としてそういった災害を起こさないようにするのがノーム役目らしい、重力制御もそうだが、地震なんかの災害防止もそこに入るらしい。

「もちろんそれをもらった後すぐに調べました。けどそんな問題はどこにもなく、そもそも、その日に地震なんてシルフ領以外で起きたはいなっかったんです。我々は速やかにシルフ領に向かい、原因の追究に調査員を向かわせた。ところが彼らはシルフ領に着く前に何者かによって瀕死の重傷をおい帰ってきました。その調査員には全員ひどい凍傷が見られ、犯人を聞きたいところだけど今もその調査員は意識不明。それでこちらはその凍傷から氷系を使えるウンディーネ領に話を聞きに行きました。そして今度はそのウンディーネ領でも事件が起きていたことが分かったのです」

「ッ!まさか」

「ウンディーネでも大火傷を負った兵士が発見されたそうです。」

「ということは、サラマンダー領でも・・・」

「はい。兵士達が鎌鼬のようなもので斬られ大怪我をしたと」

これですべての国で、それぞれ別の国の被害を思わす事件が起きた。

でもさすがにこれは・・・。

「我々はすぐまた異世界のヤツらの仕業かと思い調査を開始しました。でも結果は散々。何も見つからず、なのに事件は一向にに収まらない。次第に国と国とがお互いを疑り合うということになっていきました」

「なるほどね。でも確かにそれは私たちには話しにくいわね。そちらから見れば同じ異世界人だもの」

「うん。それなのに突然来た僕らをよく信用できたね?普通はその事件僕らの原因と考えるのが当たり前なのに」

「そういったチェックはバクウが行っていましたから、彼はにおいでそれが敵かを判断すんです。最初あな方を攻撃したのはより強くにおいを出させるためだそうです。それであなた方が敵でないと判断した。じゃなきゃ彼は草しらべという緊急信号を使い、我々を呼んでいた。でも・・・今回に関してもそれがなかった」

「・・・その草しらべっていうのはなんか条件があるの?」

クララは頷く。

「凶悪な異世界人に対してのみ使うと彼は言っていました。だから今回の犯人は・・・」

この世界の火を使う者になると、これじゃいっそうサラマンダーが犯人ってことになっちゃうな。

「でも、それなのにあなたはまだ信じてるですね。彼らが犯人でないことを」

「えぇ。実はその国のみんな、幼馴染で昔っからよく知ってるからあの子たちがこんなことするなんて信じられなく・・・でもやっぱり」

彼女は暗い顔のなり俯く。

僕は彼女の両肩に手を置き、言った。

「なに言ってんですか?そんなちゃんとした理由があるなら、最後まで信じなきゃ」

「え?」

「実は僕にもいるんですよ。幼馴染が。今はアクアの世界でヤツらと勇者として戦っていますけどね。いやぁ、その中のリーダー格、誠士郎って言うんですけどね。そいつがもう勝手で・・・僕なんて何回あいつのせいでひどい目にあってるか、この異世界への旅立ちだって最終的には僕が決めたことですけど、あいつにいきなり言われていきなり6人目の勇者になったんですよ」

「そ、そんなことが・・・」

「でもね。信じてるんですよ。あいつの言うことに間違いはないって、だから僕らは15年間もあいつの友達やってるんです。ちなみにクララさんは?」

「えっと同じくらいの付き合いかな?たぶん君と同い年だし」

僕はニカッと笑い言う。

「だったら信じましょう。そしてもし裏切ってたら、古い青春ドラマっぽく・・・拳でわからせます」

「アカシ君、それ男の喧嘩の話」

あっ。

「っぷ。あははははは。なにそれ、男くさッ。ダッサいあははははは」

これが彼女の初めて見た本当の笑顔だった。うん、やっぱり姉妹だけあって似てるな。ノルンと。

ひとしきり笑い、彼女はだんだん落ち着いてきた。てかそこまで笑いますか?なんか僕も落ち着いた途端超ハズいんですけど。

「ふぅ。こんなに笑ったの久しぶり。・・・そうだね。アカシ君の言うとおりだ。私もう少し信じるよ。でも」

ん?まだなにか?

するとバタンと玉座の間の方から扉が開く音が聞こえた。

「クララ様!クララ様!一大事にございます!」

この声は大臣のヒルルガさん?

クララさんは隠し扉を開け、玉座の間へ行く。僕らもその後を追って出る。

「ヒルルガ?どうした?そんなに慌てて・・・」

「あぁそちらにおられましたか。大変です。各国からこれが」

ヒルルガさんは3通の手紙をクララさんに渡す。

クララさんは僕らにも見えるように手紙読む。

 

『もう堪忍袋の緒が切れた!こちらの準備ができ次第、即刻貴様らの国を攻め落とす』


と書かれていた。

まずい!やっぱり他の国でも同じことが起きていたんだ。

このままじゃ戦争が始まっちゃうよ。

「ヒルルガさん。この準備、どれくらいでできると予想できますか?」

「え?そうだなぁ。昔はゲートでつながっていてすぐこれたが、今はそれが無いため、早くても三日はかかるかと」

なるほどだったら

「・・・僕、やっぱり行ってみる。でも今度はサラマンダー領だけじゃなく、他の国にも」

「なっ、危険です!今度は本当に彼らは今こちらを攻めるため気が立っています。もしバレたら殺されます!」

「でもこのままじゃ罪のないみんなが・・・」

「あ、あのう・・・」

ヒルルガさんが何かとても言いづらいことを言いたそうにしていた。

「ヒルルガ!君からも言ってやってくれ!これ以上君を・・・」

「いえ、すいませんが、もし彼がその気ならお任せしたいかと・・・彼、バクウ殿に勝たれたんですよね?」

「ん?そうだが」

どうしたんだ。なんか変だぞヒルルガさん。昨日のような棘がない。ていうか心配すぎて髪の毛が・・・。

「あの・・・何かその他にに問題でも?」

息を詰まらせながらヒルルガさんは言う。

「それが・・・このことを知らせに、クララ様を探す最中、ノルン様に居場所を聞こうとしたのですが」

・・・え、ちょっ、まさか!

「ノルン様が国のどこを探してもいません!」

「「「な、なんだってぇぇぇ!?」」」

「遠出ようの聖馬一頭なくなっており、恐らくサラマンダー領に向かわれたのかと・・・ってギャフン」

おもわず三人はヒルルガさんを蹴っていた。

「「「そういうことは先に言え!!バカルルガ!!」」」

「す、すみましぇん!」

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