表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
40/580

第六話 三日目夜 宴会編 4

 「ほれ、まぁ飲め」


 安が雪に猪口を渡して、酒をついだ。


 それを受けながら、雪は困った顔をして見せた。


 「えー、いやよ。後で二人のとばっちり食うかも知れないじゃん。あんた責任とってくれるの」


 「あぁ、とらん」


 はっきり言う安。


 「ま、いいけどね。たいしたことなさそうだし」


 雪も肝が太い。


 一方。


 「そうでしょ、山っちも安さんも、はっきり言わないのが悪いのよ」


 矢守がチューハイをあおる。


 「隠すなんて、男らしくないですよね」


 優乃もぐいっとチューハイを飲む。


 「隠すのはいいのよ。態度って言うか体で示しなさいよってことよ。つくもんついてるんでしよ」


 「何言ってるんですか、やらしいですね。乙女の夢はキスですよキス。ロマンチックな口づけ」


 「あんたはだからねんねなのよ。体が一つになって始めて、心もつながるのよ」


 「だったら口づけも一つになってるじゃないですか」


 「ふぅー」


 矢守は子供の相手はしてられないとため息をついた。


 「私はね、安さんと夫婦の約束を交わしたのよ」


 「えぇっ」


 優乃の目が大きく開いた。


 「そっ、そんなこと聞いてません。それは間違いです」


 必死になって言う優乃に、矢守も大きく頷いた。


 「そうなのよっ。安さんったら仮面夫婦でもいいって言うのに、イヤだって言うのよ。もう何とかしなさいよっ」


 「それは矢守さんがエロ魔人だからですよ。何ですかっ、さっきの体が一つになってだなんて。安さんはもっとプラトニックなんですよ」


 「プラトニックっ」


 突然山川がむっくり起きあがって叫んだ。


 「プラトニックって言うのは、プラトン的って意味で、皮肉屋の言う所の首から上の恋って奴で、いわゆる哲学のー」


 「あんたは寝てなさいよっ。この優柔不断っ」


 何が優柔不断なのか矢守は自分の飲んでいたチューハイを、机越しに無理矢理飲ませて山川を眠らした。


 「山川も不憫ね」


 生のキャベツをかじりながら雪は言った。


 安も一緒になって食べている。


 「仕方ないだろ」


 「ねぇ、そろそろお開きにしなくていいの?この調子だとどっちかが泣き出すか、同じ所回り出すわよ」


 熱燗を雪に酌し、自分も飲んで安は答えた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ