ゼツの結婚
《1》
この地区にある家の塀は、全部石造で内側は植栽された木々に囲まれて居るのね。
石塀から見えるミモザやマグノリア、リンゴの木の花などを見上げながら雑草が短く映える裏路地を歩く。
角のパン屋ロニーから右へ入って、くねくねとした路を歩き、雑貨屋さんの裏、そしてゼツさんが宿泊している黒犬屋敷が見えて来た頃、沈黙していたシュウが、小声で私の後ろを歩いていたロン毛のゼツさんに問い掛けた。
「なあ、ケイトさんには言っているのか?今年で26歳だろ?ゼツ。」
ああ、黒の一族の寿命は、30歳前後だと言うことか。
「言ってない。僕としては言う必要性を感じないかな。」
(どうして?)って言葉が私の胸に落ちる。
「死ぬのが何歳の何時に決まっているなら兎も角。そんなことを考える毎日って面倒だろ、互いにな。 それはそうと僕たちって結婚出来るのか?何か王都の結婚て難しかった気がするが。」
「ああ、それは貴族や姓や家名を持つ奴の話だ。 王都に家を持たない平民は一緒に男女が暮らし出したら事実婚として結婚したと認められる。結婚の契約書とか必要ないぜ。そもそも字を書けない平民て多いしな。」
「うん?僕たちも書けなかっただろ? うーん、でも皆、家に住んでいたよな?」
「ふぅーぅ。俺も二月頃に教わっただけだから未だ結婚制度は、ピンと来ないが、聞くか?ゼツ。」
「まっ、一応。」
「うむ、ゼツとケイトさんを例えてみようか。」
広大な王都は、王家と7大公爵が分割して管理していて、結婚や住民登録などを契約書など管理しているのが、各地区の公爵たちが運営している公民館。(行っているのは代官だが。)
パン屋ロニーの主人はマーサ・ブラウニー(ケイトの母親)。
マーサは、姉からパン工房の家を継ぐことを公民館に申請、新たに地代納税者として登録され、王都で〔家主〕となり、マーサ・ブラウニー一家を管轄している土地の領主から認可された。
(細々とした税関係は割愛)
こうして公的に家主から認められ、マーサの夫、娘のマーシー、ケイトたちがブラウニーの姓を使用することが出来る。
そして現在マーサ夫妻の長女マーシーが、結婚してパン屋ロニーで同居している状態。
マーシーの結婚は、家主が許可を与え、公民館へ申請した物。
1ヶ月~3ケ月の公民館での公示期間を経て、結婚契約書に両家の家主と結婚する2人が立会人の元サインをし、公民館に届けられて結婚税と引き換えに結婚証明書が発行され、公的な夫婦となっている。
あくまで後継娘マーシーが結婚しても、家主はマーサ・ブラウニーであることは変わらず。
ケイトも母親(家主)と同居している娘に過ぎないので、家主の許可なく、ゼツとケイトが同棲すれば事実婚と呼ばれる平民的にポピュラーなものになる。
特典は、婚姻税を払わずに住むこと。
居住環境で周囲が事実婚ばかりの場合は、風評とか気にせず済む。
ただケイトが希望している結婚は、公的な結婚である為、家主の許可と婚姻税が必要になる。 後は立会人への謝礼なども。
その為、新郎は支度金。 新婦は持参金などが必要となる。
「だから、ケイトと結婚するには、家主の許可が必要となる。って話だ。分かったか?ゼツ。」
「ん-。で、シュウ、結局僕は、キチンとした結婚が出来るってコトか?」
「恐らくな。ロー先生の叔母さんのパン屋だし、ケイトの両親だってゼツは、ロー先生が世話をしている人間の1人だって分かっているだろうしな。でもコッチの結婚のルールだと基本は、一夫一婦制だからケイトさん以外とはエッチ出来なくなるぜ。ロー先生やヴィさんはモラルってのに五月蠅いしなぁ。」
「まぁ、大丈夫。色々な愉しみ方がケイトにはあるから。 今日ケイトの話が終わったら僕は彼女と暮らして良いよね?」
「さあな。まっ、おれらと一緒にロー先生の所へ行こうぜ。」
「おぅ。」
「お待たせ、お嬢。」
「何か疲れた。ゼツさんもやっぱり駄犬だったのね。」
「うん?」
会話が終わって3人で路地裏を歩き出し、柔らかな光を浴びつつ目に鮮やかな家々の庭木の花々で、汚れた駄犬どもの会話を洗い流す。
ゼツさんのシリアスな話をシュウが追及するかと思ったのに、面倒って言うゼツさんの言葉だけで納得するとか。
そりゃ死期をカウントダウンしたりされたりしながら暮らすのは、シンドイと思うけども。
ケイトさん、こんな男で大丈夫かな。かなり心配になって来た。
《2・雑感》
唐突にその日がやって来た。
真冬、日が完全に落ちた頃、僕たちの里が襲撃された。
どうやら僕たちは襲撃者たちに観察されていたようで、昼間シュウが影渡りのスキルを使っていた所を見られていた。
シュウは抵抗していたが、子供たちが人質に取られてからは襲撃者への反撃を止め、大人しく襲撃者に捕らえられ、引き摺って何処かへ連れていかれた。
誰も1人影スキルの有無を言わないことに焦れた襲撃者は、拷問する人間を選別し始めた。 その時、長は「そっちに居る人間は、全て影スキルを持っている。自分たちは持って居ないので逃がしてくれ!これは我が里の長の言葉だっ!」と叫んだ。
(何を言っている。長は影スキルを持っているだろう。年長者たちだって。だが、長の言葉として話された。否を言うことは許されない掟だ。)
僕たちは、里の集会場として使っていた長の屋敷へと拘束して閉じ込められた。
4~50人程監視者として集会所で、僕らをバケモノを見るような目で、敵意を込め睨みつけて来ていた。
静かな山々に長たちの悲鳴や襲撃者たちの怒声、嘲り、耳障りな笑い声、そして年著者たちへ剣を振るう音、何かが弾ける音が、黒々とした夜空と真っ暗な樹々に囲まれた里に響き渡っていた。
僕たちの力を封じ込める夜の世界。
長たちは先の長い僕たちを生かすために殺される決意をしたのだ。
絶望の中朦朧としていたら目を開けて居られない程の眩い純白の光に照らされ、、、眠りからされると里とはまるで違う異世界だった。
高い天井に見たこともない明かりが灯され、広くて隙間の無い屋内を明々と照らし出していた。
暖かさを帯びたその灯りに胸の奥から全身が緩み、13歳の成人を迎えた日以来、僕は初めて涙が滲み、嗚咽が止まらず、瘧のように身体を振るわせて号泣した。
長たちに生かされ、女神ルミナス様の奇跡で存在を許された僕たちは、それぞれに無事を確かめ合い、子供たちが欠ける事なく6人全員居ることに喜び合った。
長から次の長として指名されていたシュウは「女神ルミナスさまに祈ったら光に包まれ、ここで眠っていた。」と話した。そして自分が連れ去られた後の話を聞き、黙とうし、顔を上げた。
「長は、長としての務めを果たされた。そして生き残った我らの為すべきことは、言わずとも理解しているだろう。安全が確認されたら、先ずは女たちを懐妊させねば成らない。生き残った彼女らは現在誰も孕んではいない。 森と山さえあれば、我らは何処ででも生きていける。 長であるおいらが何としても一族の者たちは生き残らせて遣る。だから力を皆は貸してくれ。」
シュウの目が爛々と輝き、僕たちに力を与えた。
この時シュウは、黒の一族の新たな長となった。
長が逝き、新たな長が決まる。
この掟は、あんな惨劇の後でも変わらずに僕たちを繋いでいく。
そう思っていたのに、、、。
此の屋敷の持ち主だと言う品の良い男性が子供たちの様子をチェックしつつ、僕たちにこの場所の説明をしてくれていた。
そんな時にコウが人とは思えない美しい女性?男性?と抱き合って前戯を始めた。
その妖しくも美しい様子に刺激され、椅子に座っていた夫のいないマイやミラやノラに里の男たちがまたがり抱き始め、夫のいる6人はそれぞれの夫と睦始めた。
性欲が刺激された男たちは、相性の良い者と唇を合わせ、僕は糸使いのヨウを目で探すと、女神の様に美しいかの人にヨウは目を奪われ、夜だと言うのに影糸をその人に放っていた。
僕は、信じられぬ思いでヨウと美しいその人を見詰めていた。 やがてその人とヨウとコウは3人で絡み合いながら暗い通路へと消えて行った。
その様子を呆気に取られて見詰めていたのは僕だけでは無かった。
翌朝シュウは居なかったが、少し経って僕たちの前に姿を見せたコウとヨウの2人の話を聞いて、息を飲んだ。
里の者同士でしか出来ないと言われていた性交が、髪も目の色も違う他族の人間とでも可能だと言うのだ。 そして今まで感じた事も無い絶頂を幾度も体験したと言うのだ。
信じられない子種が溢れ、かの人が女であったなら絶対に孕ませて居ただろうと確信を持って僕たちに語ったのだ。
しかし、かの人は人外の美貌を持った特別な人であったからと里の掟を爪開きながら、他族間の性交に慎重な者も居た。
そんな僕たちの鬱々とした思いを晴らそうとシュウとリクは、娼館なる場所へ検証に出掛けて行った。
実は僕たち自身、今いる里の娘達を懐妊させるのは無理なのでは無いかと里に居た頃、口には出さないが考えて居たのだ。
里に古より伝わる秘儀を悉く試し尽くし、男同士でも研鑽を積んだ。影スキル使いは主に影糸を使い、敏感だと言われる箇所を丹念に刺激し、仮初婚の夫へ介添え迄していた。
狩りか性交かと言う日々を送っていたのだ。
そんな焦燥感に追われるような日々が、検証実験から戻ってきた二人によって、終わりを告げたのだ。
本当に夢のような時間だった。
夢中にならない男たちが居るだろうか。
戦い凌ぎを削り合うような緊迫感漂うセックスでは無く、何処までも柔らかい心地良い一時、それは一瞬のうたかたの夢のようで、幾らでも堪能したくなる時間だった。
自分がオスとして生まれたことの歓びが万能感を齎して呉れる。
幾度でも味わいたいが銀貨が愉しむ時間だけは掛かってしまう。
そんな時、王都の女性と結婚すれば銀貨を消費しないで幾らでも気の済むまで抱けると言うのだ。
しかも王都での結婚は、娘が自分以外の子種を受け入れないと言う。
一応、結婚して3年間続いて懐妊しなければクーリングオフなる制度もあるそうだ。
御物知りのライさんから教えて貰った。
そんな時、一族の仲間内でよく話題に登ったのはパン屋ロニーの姉妹の話だった。
姉妹の肉体は、一度見ると目を離せなくなり、ずっと見ていると体の芯まで疼いて来ると言う。
幾度もハントしているが、手強く、スルリと逃げられて仕舞うらしい。
文字の読み書きが出来るように成るとヴィさんから街での禁止事項の回文が出され、パン屋ロニーの姉には夫がいるのでハント禁止なるモノが追記された。
そしてその頃には、街で過ごす為の一般教養とモラル等も教えられ、目当ての大物へトライを始めた。
本当にケイトの肉体を始めて目の当たりにした時は、下半身の血が逆流しているのではないかと言う錯覚に囚われた。
(ああ、アレが欲しい。ここが里なら此の侭押し倒すのに。)
ケイトに対する時、エロイ言葉や目付きは厳禁!と、一番エロイ言葉を使うリクに念押しされた。アレはリクの失敗談だったのかも知れない。
あくまでソフトな喋りで、でも欲しいモノは手に入れると言う情熱を燃やして、僕はトライし続けた。 余りにもケイトに集中し過ぎて、宿泊させて貰っている先生の屋敷で鼻血が出てしまった。
周囲が僕の年齢を心配し労って呉れて、何故か金周りの良くなった仲間が娼館イブに連れて行ってくれた。折角、相手をしていてくれた女性には悪いが、僕の上で揺れる胸を見て、これじゃぁないと感じてしまった。
もう僕の身体は、ケイト仕様になってしまっていた。
トライしてトライして、トライして、何だかよく分からないが先生経由で給金大銅貨1枚を貰ったので「ゼツさんに給金が貰えれるようになったら、結婚して上げても良い。」って言うケイトの言葉通りにパン屋ロニーへ駆け出して、大銀貨1枚をケイトに渡しプロポーズしたら、バインバインと弾けるダイナマイトな胸を押し付け抱きついて呉れたので、そのまま抱えてケイトの案内の侭、小さなベットへと突撃した。
魅惑的な胸に吸い寄せられ、自分の両手から溢れる心地良い宝玉をいつまでも堪能して居たいけど、先ずはケイトに里に伝わる秘儀を堪能して貰い、僕の子種をいっぱい受けて貰わないとね。
ケイトの悦ぶ声は、僕の脳を刺激して、次から次へと情欲が噴き出して来る。
そしてどんな角度にしてもケイトの魅惑的な胸はバインバインと揺れ、僕は新たな歓喜に震える。例え結婚がダメだったとしても、今、僕の子種がケイトの一番奥へと届いたから、これで僕の命は繋がれる。
ぐったりとしたケイトへの愛撫を続けながら、再びケイトの肉体を僕は堪能し始めた。
ライさんは、結婚したら飽きる程だけると言ったけど、きっと僕はケイトの肉体に飽く日など来ないと思う。
死に行くその瞬間まで僕はケイトを抱き続けたい。
『自分の子種が芽吹き命を持った日は、どんな絶頂より喜びに溢れ、幸福感がゼツの全てを包み込むだろうよ。』
僕は果てながら、長の言葉を思い出していた。
《3》
叔母の娘ケイトが黒の一族のゼツと結婚することが決まった。
初夜を終わらせてからゼツは叔母夫婦に挨拶したそうだ。
俺からすれば、突然の話しだが二ヶ月くらい前から、パン屋ロニーへプロポーズをしに突撃して居たらしい。
ゼツに初給与として大銀貨1枚を手渡したその足でケイトの元へプロポーズしに来たと言う。
花束も持たずに。
それをボヤ居たら「花なんて、そこいらじゅうに咲いているっスから要らないッスよ。」とリクは宣う。女心が分かってないなとリクを皮肉ろうとしたが、大銀貨1枚でケイトはゼツからのプロポーズを了承した事実を思い出し、恋愛のセオリー本など役に立たないなと自沈した。
叔母は、「ロニーが面倒を見ている子なら安心ね。」と、俺に対する無上の信頼感を見せていた、、、ゼツ、ゼツね。確かスキルは無かったなと、思い出した。
皆、濃い性格しているからインパクトの無い奴なら返って安心だと考えた。
「あっ、ゼツさんは今年で26歳ッスよ。」
「はっ!?」
「ゼツ、ゼツ」と口の中で呟いていたつもりの独り言にリクが応えた。
「ばか!そんなの寿命が、あと4年前後じゃないかっ!」
「うん?何かいけないッスか?」
「いとこの相手に、そんな、、、。いけないとかそうでなく、ケイトは未だ18歳なんだぞ。」
「でも若くても、例えばケイトさんだって今日明日、馬車の事故に遭うかも知れない。 もしかしたらゼツは、今年の冬に流感に罹って死ぬかも知れない。 モリの一件以来(ゴージャス美女イブ襲来事件)黒の一族の寿命に対して、先生はナーバスに成り過ぎッス。 それに長のシュウが、ゼツの意見を聞いて納得したことっス。 なんなら先生が今から、ゼツとケイトさんとの結婚ブチ壊しますか?」
「出来るワケないだろう。あんな、、、・」
あんな幸せそうな顔をして叔母のマーサと共に結婚の報告をしていたケイトに。
ケイトは、11~13歳の頃から、標準より大きく育つバストに大きなコンプレックスを抱えていた。
特に同年代のオス子供からは揶揄われ、違う地区から訪れた野郎どもからはイヤらしい目で見られ、触って来る奴もいた。(直ぐに地区の衛士へ見回りの強化を依頼した。)
しかも結婚年齢前になると女友達が居なくなり、ジーンたちがブラウニー医院で暮らすようになるまでは、パン窯が並ぶ厨房で父親と一緒に裏方の仕事か、独り部屋で繕い物をしている毎日だった。
叔母さんの気の強い性格を継いだケイトは、決して弱音など吐かない子だった。しかしトニーが毎朝のパンを仕入れに行っていた。その時、ケイトが思い悩んでいるのを知った。昨年ケイトが18歳を迎えた或る日、「結婚しないで生きてく方法ってありますか。」と尋ねられたそうだ。
「ロニーお坊ちゃまが居りますよ。」等と、慰めたことを聞き「馬鹿野郎!」と怒鳴ったモノだ。
叔母夫婦は嫌がるだろうが、ケイトが独り身で生きたとしても将来、生活に困らないようコッソリ資金援助をしようと決意していた。
頑固なマーサ叔母さんは、母から遺言でパン屋を譲られた。
母が亡くなった12歳の俺は、母が恩人であり、俺の父方の親戚を名乗っていたトニーへと引き取られていった。
パン屋ロニーから、4軒右に離れた現ブラウニー医院だったが。 (この頃は未だブラウニー医院は、普通の民家だった。)
俺が引っ越してから夫と叔母は、パン屋の厨房を広めに改築した。
その結果が狭いケイトの部屋だ。
俺は、二軒隣の空き家をマーサ叔母さんたち一家の居住する屋敷にとトニーから提案させたが、「姉(俺に取っては母)の残したパン工房から離れたくない!」とキッパリと断られた。
姉を未婚の母にした顔も名も知れない父を半端なく叔母のマーサは恨んでいたが。
未婚の母となった姉と生まれた俺を持ち前の気の強さで守ってくれたのは、叔母のマーサであった。
本当に俺の頭が、全く上がらない順位ナンバーワンの女性である。
その叔母のマーサが嬉し気な目をして、娘たちにも引き継がれた立派な胸を張り、幸せそうに眼を潤ませる娘のケイトの背中を優しく手で支えていた。
────駄目だ。あの二人が幸せそうな表情を浮かべている結婚を俺が壊して、悲しませることなど出来るワケがない。せめて此の怒りを事前に伝えなかったシュウへと、ぶつけさせて貰わねば俺の気が済まない。
「まあまあ、そんなに〔気〕を荒立てないでよ、先生。」
俺は、サロンのソファーに背を起こして座り、苛立たし気に肘掛けを人差し指でトントントンと荒く叩いた。
人の気を知りもせず、側に立っていたリクは、座る俺の後ろ背に近付き、宥めるように項へと手を当て軽く揉み始めた。
「やっぱり凝っているッスね。首と肩。少し俺に解させてよ。先生。」
項をリクに撫でられながら、耳元で囁かれる低い声は、苛立っていた頭を落ち着かせ始めた。 リクの手で、俺は自分の強張っている肩や背中を自覚した為、リクにそのままマッサージを任せることにした。
背後でリクの口が、三日月に笑んで居るのを俺は知らずに。




