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シャネル五番・2
………?
母と婦人が笑ってます
顔を真っ赤にした少年が
障子の向こうへと飛び出して行きました
うぶな子供の欲情と ふたりは許してくれたけど
はて天使だか悪魔だか
その時のスリリングさと喜びが 少年の心の中で
いつまでも続くものだとは
ふたりは考えもしなかったでしょう
女性女神派はけっして大人になれないとか
存外に業深きものなのかも知れません
シャネル五番の妖力は 少年を少年でいさせ続け
異性を異性としか見させない 無明への媚薬 また睡眠剤として またたびに恍惚となる猫のように
彼はそれをずっと、嗅いで……いたい?




