表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
近未来SF短編集 in United Corporation of JAPAN  作者: あのワタナベ
0010

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

43/97

インディペンデント系AI開発業


 AIってのをちょっといじってみたけど、これ面白いね。


 何回もいろんなパターンを繰り返させるだけで、いろいろ最適化してくれるっていうか。自然な感じに落ち着くっていうか。なんか無駄っぽいところもあるけど、繰り返せば繰り返すほど馴染んでくる。むりやり無駄なところを削ってやってもいいけど、なんかしっくりこない。


 そんなことをなんでも屋のおっちゃんに言ってたら。


「そりゃ学習した結果が反映されて、そうなってるんだから無理やり削ってもまた出てくるもんだ。それが本当に無駄なら学習させるためのデータが間違ってんだよ」


 とか言われた。用心棒のおっちゃんの強化神経AIはおっちゃんの動きを学習してて変な無駄が出るってことはおっちゃんの癖ってことなのかな?


「もしくは現実的な状態で学習させてないってことだ。歩かせたいのにスキップのデータを入力するようなもんだ」

「街を歩くデータが欲しいのに階段を上り下りさせるようなものかな」

「そうだ。毎日歩く場所を歩かせないで、ビルの階段を上り下りばっかりさせてりゃ、そりゃまともなデータになるはずがない」

「ついでに筋肉痛、と」


 なんとなく分かったような分からないような。


「めったにやらないことは上手くいかないし、できないだろ。たとえばお前、そのゴミをそっちの箱に投げてみろ。しょっちゅうやってたら上手くいくし、あまりやってないなら入らないかもしれん。そんな感じで人間もAIも慣れだ」


 ふーん、と納得したフリをしておく。もとのきっかけ(・・・・)結果(・・)を入力して学習させてるのはどうなんだろう?

 今は上手くいってるからいいのかな。自然学習モードってのを使おうとした時はおっちゃんにとめられたけど。

「それは変な学習をする可能性があるからな。入力されたデータを溜めておいて端末(デバイス)で処理して学習させてAIチップに反映させたほうが安全なんだよ」

「どういうこと?」

「AIにへんな癖をつけないためだ。人間側が学習しちまうことも多いからな。めったにない状況や、ノイズが混じったデータでAIを学習させると使いにくくなるんだ。それに人間側が慣れちまうとやっかいなことになる。癖がつくってやつだ」

「だからソフトのアップデートって形で学習を反映させたバージョンアップをさせてるんだね」

「そうだ。自然学習モードで変なデータをむりやりぶち込んで学習汚染させるハック方法もある」

「なにそれ、面白そう」


「お、坊主がなんかはしゃいでんな」


 と言いながらあくびをかみ殺して出てくる用心棒のおっちゃん。

 寝癖がついてる。


「こいつにAIの事を教えてたんだ」

「ん、また足のアップデートか?」

「いや。AIのハック方法」

「また俺をモルモットにするつもりか? 勘弁しろよ」

 とため息をつきながらコーヒーを(あお)る。

「またコーヒーだけ? 朝ごはん食べないの?」

自然(ナチュラル)のコーヒー、これ以上の贅沢はねえだろ」

「せめてパンくらい食べなよ。また胃を壊すよ」

「そんときゃ胃薬でも飲むさ」

「俺の金で買うつもりか? 健康のために飯を食えよ。じゃなきゃコーヒーを禁止して完全栄養食を飲ませるぞ」

「それは勘弁してくれ。カフェインが俺を離してくれないんでな。寂しがる」

「ただの中毒だろうが」

「お前のメタンフェタミンよりはマシだ」

「アンフェタミンだよ。最近はモダフィニルかメチルフェニデートしか使ってねえ。くそ忙しい古巣時代よかずいぶんマシになったもんだぜ」

「なんだかよく分かんないけど、あんまりよくない話っぽいね」

「ああ、お前はおクスリのお世話になるんじゃねえぞ。人生のランニングコストがバカみたいに跳ね上がるし、体力の前借りの利子がクソみたいに跳ね上がる」


 といっても使わないと死ぬって時はあるんだよねぇ。使って寿命が縮むのと、使わないで死ぬのとどっちがいいかって言われたら、そりゃ使うよ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ