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美人悪役令嬢は生きる為に悪役をあえて貫く  作者: イブ
4章 立ち直る悪役令嬢
69/80

69話

ハンデルン卿が色々と裏で色々と動いてくれたので私はただ戦いの日を待つだけだった。


ただこの数日で色々と考える事が出来た。

まず、ハンデルン卿についてだ。私の知識の中では名前だけは良く聞くがストーリーには全く出てこない。攻略者であるジュリアスが尊敬し偉大な功績を残した者と言う曖昧な情報だけだ。しかし、対面して分かったが貴族的な一面があると思ったら騎士らしい一面もあり、飄々としていて摑みどころが分からない。平民には情報はいかない。貴族の間にも様々な情報の制限などあり、互いに情報の探り合いの中でやる為、信憑性にかける事がある。この世界の曖昧な情報を正確な情報を把握している。

それにハンデルン卿は独自の文化をこの地に根付かせている。この地の貴族よりも発言力があり、権威や武威も長けている。私が公爵家と知っても態度は変わらなかったのはその為だろう。

独自の情報源は忍びに近いと感じた。ひょっとしたらエルザはこの地の出身かもしれない。

ハンデルン卿が間逆の領地に居たからこそ、私達の領地は余り知られて無かったし干渉も無かったが近かったらどうなっていただろうと考えてしまう。そして、王族の争いも把握している可能性がある。干渉は考えてない様だが自分達に不利にならない立ち位置に常にいる。今回の騒動も騎士の間で片付ける事により、貴族からの干渉を避け、貸しを作らずに事を終わらそうと流れだ。だから、騎士のやり方で正々堂々とやる。

それにハンデルン卿から縁繋ぎに何かあった時、また頼ると良いと言われてしまった。私に正義があればどの様な状況でも勝ってみせようとまで言われた。

ハンデルン卿の考えが分からないが敵でなくて良かったと思った。


ジュリアスも私に忠義を誓っているんじゃないか?って位に懐いてくる。私が公爵家であってもクレアと呼び捨てのままなのがジュリアスらしい。彼は強さだけで貴族と対等な立場になるのを目指しているようだ。

だから、私の事をクレアと呼んでいる。


レオンは考え事をする事が多くなった。ボケっとしている時に私が話しかけると顔を真っ赤になってあたふたしてしまう。病気じゃない様なのでそのまま様子見だ。私もリリィ達の事を考えるがレオンは血が繋がった家族なのだ。気が気でないのだろう。騎士は平民よりなので家族の仲も良いのだから。



そして、30分前にハンデルン卿率いる船鎮圧部隊が攻めているはずだ。もうそろそろ広間の公開処刑が始まる。広間には平民達が集まらされている。その中に私達も紛れこむ。



「我々の義のある戦いだ。大切に楽しもう」



そう言ってお弟子さん15人はこの戦いにギラギラしていた。何というかバトルジャンキーって感じがして引いてしまった。


処刑は公爵家の皆とリリィ達が騎士からの処刑で村人達は火炙りで纏めてだ。村人達は村で会った子供達など顔見知りばかりだ。手始めに公爵家から始まる。



「皆の者よ、良くぞ集まった!今、王国は新たな道を歩んでいる。新しい王の為に我々騎士は過去の清算をする事を誓った!魔族を徹底的に排除し我々は本当の平和を手に入れよう!それが我々の願いだ!だが、この者達は王命であるのにも関わらず反抗した。王国騎士の名の下に王の剣としてこの者達に粛清をする」



騎士団長は高らかに声をあげて話す。

公爵家を見ると陛下と謁見した時にいた方も居る。良く見ると既に手足が曲がってはいけない方向へ向いている。それに口に何か詰められていた。魔術を使われない為だな。それに騎士団長の近くには私と同じ位の歳の女の子が青ざめている。常にその子に剣が向いているのはそう言う事だろう。公爵家の皆が黙ってやられた理由はあの女の子が人質だからだろう。そう考えると怒りが出てくる。リリィも両腕が無くなっているし、シリウスも片方の足が無い。

私は今までにない位に怒りを感じている。



「この愚か者達は聖なる剣により浄化する。異議のある者はいるか?」



そう叫ぶ騎士団長はニヤッとした。周りの騎士たちもニヤニヤしている。ハンデルン卿の言う通り真正面から叩き潰した方がスカッとするだろう。

私は広間で1人だけ手をあげる。そうすると周りの平民達が私から離れる。ポツンと私だけが残った状況で被っていたフードを取り顔を出す。

騎士団長は顔を引きつらせる。



「異議は大ありです。貴方の言い分や建前は幼稚過ぎて話にならないわ。国を守るのが貴族の役目、王が間違っていたら家臣が正すのは当たり前の事です。それが出来なければ国が滅ぶでしょう。それに300年以上続いた平和を自ら壊す愚か者には分からないのかしら?その程度の事も分からない貴方に何を話しても理解出来ないでしょうね」



そう区切って私はとびっきりの笑顔で騎士団長へ挑発する。



「ですから私と一騎討ちをしませんか?」



遂に始まってしまった。


いつもお読み頂きありがとうございます!

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