32話
やはり遅れました(´;ω;`)
明日までお仕事に時間とられますが12日は多分休みなので書きます!
「もうそろそろですね」
5間かけながらカタカタと揺れながら私は王都へ向かっていた。
マリーはこの様な遠出は初めてらしく馬車の中で嬉しそうに外の景色も堪能しながら喜んでいた。
私はと言えば……
「……マリー、外に王都は見えますの?」
ぐったりとマリーの膝で馬車酔いをしていた。
さすがに何時間も何日も揺られると気分が悪く、初めの頃は良かったが段々、休憩を挟んでも酔いは増すばかりだ。
マリーの使用人服に感動していたのが遠い昔の様だ。
今回、ラクシエルに頼み、極秘で依頼を出してもらい、旗なき騎士の円卓の幹部を含む皆様をシッカーの所へ、団長、副団長と黒き旅団の皆様は私の護衛だ。
流石にお城へ行くのに使用人を悩んだのだがメリルを連れて行くとミーヤ達は不安だしまだ他の使用人達を信用できないのでメリルに使用人の代わりを務まる者を連れて行くと伝え気がついたらマリーが付いてくるようになっていた。あれ?なんでマリーだっけ?でもマリーが付き添ってくれても違和感もないので、まぁ、いいか。
「でも何も起こらなかったですね」
王都と領地結界の境界は結界の中心に近いからか魔物も低級のモノしか出てこないらしいが今回の遠出では魔物に出くわさなかった。
遠征メンバーの皆も今回は幸運だなんて言っていたからそうなんだろう。
狭間も何もなく通り過ぎ私の馬車酔いも限界を通り過ぎぐったりとしている。
「クレア様、もう王都の入場門です。それにしても凄い数の馬車や人が並んでますね」
気怠いが私は起き上がり外を確認する。
……これ待たないと行けないの?
しかし、馬車はその列に並ばずに隣を通り過ぎる。
「並ばなくていいのかな?」
マリーの疑問を答えようとクレア嬢の記憶を見ても分からなかった。
予想だがこの国の事を考えると貴族と平民と分けてそうだけどクレア嬢には当たり前過ぎて記憶の疑問にもない。
それにギルドから借りたこの従者と馬車が私が乗っているからって横暴を許すだろうか?ラクシエルなら許さないはずだ。
しばらくすると大きな門の隣にある豪華な門があった。
メリルが用意してくれた家紋入りの杖を見せ、ここにいる人数分の手続きを済ませる。
これで身分の低い平民でも公爵家の庇護下の身となるので何かしらの問題に絡まれても逆に貴族相手でも罪にできる事もある。
「お兄さん、お兄さん!私王都初めてなのです。お貴族様用と平民用と分けている理由を存じません。宜しければお聞きしていいですか?」
……聞けば一瞬の恥、聞かねば一生の恥。
流石、マリーだ。私にできない事をやってのけるいい子!
私もこそこそと聞く耳を立てる。
「あぁ、よく聞かれる事だから良いぞ。そもそも大昔だな魔物から身を守る為に作られた外壁なのだ。しかし、結界のおかげで魔物も少なくなりいつの間にか避難場所が王都へ変わり、中を豊かにする為にあの大きな門が出来た。だが、時代が進むにつれ、大きな門は商人を始め、平民も使うようになり全てが平等に通れる様になったのだがそれがおかしいと唱える者が出てきてこの貴族門が出来たのだよ」
「そうだったのですか。話を聞いてみると楽しいですね。でも作るのを考案した方の扱いが少し良くない様なお話ですが何故でしょう?」
疑問に思ったのだろう。首を傾げ赤い髪がサラッと揺れる。
「お嬢ちゃんの中々鋭いね。その者は後にこの国の神に裁かれている。それで冒険者ギルドがこの国に介入するようになったのだから貴族は面白くないのだよ」
ふむふむと私も聞く。
マリーが兵士のおじちゃんと世間話をしている間に体も大分楽になった。
「ではマリー、行きましょうか」
マリーは頷くと兵士のおじちゃんに御礼を伝え、私について来る。
私は歩いて行こうとするとマリーに呼び止められる。
「クレア様、さっきの門の方から王城までは馬車で行くように言われてますよ」
……。
「これからの為に三半規管を鍛えなきゃ」
私の決心にマリーは首を傾げるのであった。
王城へ着くと城の使用人達が駆けつけ私はあれよあれよと部屋に連れ込まれ、化粧直しされ、赤いドレスへ着替えさせられた。
そのスマートなお仕事にこれが使用人なのかと感心した。
しかし、ただ、話すだけの非公式の場でここまで気合いを入れなくてもいいのじゃないの?って思いう。
王族は大変ですな。
「私の使用人と警護の者達は?」
「はい、クレア様、公爵家の令嬢の使用人としては着ていた服が下級使用人のモノだったので失礼ですが此方の方で只今近衛メイド隊の者達がマリーナ殿を王城メイドの制服へきがえさせてます。護衛の冒険者の皆様は貴族門の所で既に身元確認等を済ましてますので彼らも同じく殿下へお会い出来る服装へ変えております。それとお渡しした服等は殿下からの贈り物と言う事で頂いて下さいませ」
……会うのも一苦労だよねぇ。面倒になって来たからもう帰ろうかな。
しばらく待っているとノックがなる。
扉が開くとメイド服を着たマリーが現れた。
……最高だ。
前世で見たメイド服などもう見れないと思っていたがこの世界が前世と変わらない所もある事を忘れていた。
紺と白の主張なき作りだがデザインが良い。
フリフリが少し短いのなんかポイントが高いぞ!マリー!
「クレア様!どうですかこの服」
そう言うとマリーはクルッと赤い髪もふわっとさせ回る。
ちゃんと回り終えたと共にニコッと笑う。
私は満遍の笑みで微笑み意思を伝える。
殿下よ、ありがとう!
遅れて旗なき騎士の円卓の皆もやってきた。
手持ちの武器は既に使用人達に預けているようだ。
城内の使用人達は武の心得等持ち合わせてあるので王族は常に守られ安全だが貴族は違う。なので護衛は武器を持って警護に当たりながら待機するのだが今回は非公式であり第2貴族派だと思われているので警戒されたのだろう。
実際は王城以外では貴族同士呪文があるので対面的に護衛には武器を持たせる。
だが王城には理の結界がある。攻撃的な呪文達は大人しい。無力な貴族の代わりの護衛なのだがどうなんだろう?
ケイト達も背広やドレスを着ているが戦闘用のモノのようだ。
皆も似合っているんじゃない?
マリーを早くお持ち帰りしたい!
「では皆様、準備が整いましたので殿下の元へお連れ致します」
私達は殿下の元へ向かった。
思ったよりお話が進まない!
ちょこちょこお話が横にずれちゃう(´・ω・`)
お読み頂いきありがとうございます!




