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美人悪役令嬢は生きる為に悪役をあえて貫く  作者: イブ
1章 一人ぼっちから始まる悪役令嬢
20/80

20話

7話もしないうちに1章的なモノは終わるはずだったのに思った以上に膨れ上がりました。


沢山の方々へ見て頂いて光栄です。

それにブックマークありがとうございます。

では、この物語を読んで皆様がクスッと笑える時間になっていたら嬉しいです。

家に帰り、疲れている身体を叱咤し離れではなく、屋敷に魔導書を戻しに向かう。



「あれ?お姉様ではないですか」



中に入ると真逆の弟にエンカウント。



「御機嫌よう、ハルト」



とりあえず挨拶をして、すぐにこの場を離れようとする。

だが、ハルトは私の前に立ち、身振り手振りを使い私へ話しかけてきた。



「お姉様!離れから出てきて此方へ暮らしましょう!お父様には僕から言っておきますから」



……いや、大丈夫です。



「うふふ、ハルトは優しいのね。ですが、良いのですよ。私が居ない方が色々やり易いでしょうし」



私は後ろに控えている使用人へニッコリとする。

私ん蔑んでいた目を見開く。



「でも僕はお姉様と居たいのです。ご飯はどうなさっているのです?身の回りは?ちゃんと使用人達はお姉様の世話をしてますか?リュッカに聞いても心配いりませんの同じ答えしか返ってこないので心配です」



純粋に心配する気持ちが伝わるので後ずさりしてしまう。

弟の設定は確か犬っぽいだったっけ?

しかし、内容は知らないが前世の彼の記憶でのネット評価で陵辱令嬢クレアちゃんでは弟とのやり取りが凄く燃えたとのコメントが蘇り、ハルトの顔を見るとこの純粋そうな顔の裏に何があるか怖くて仕方ない。なので、弟の対応に困ります。保留です。

それに元々原作でも弟が家名を背負い当主になるのをクレア嬢は良しとせずに虐め抜いたのにそれでも姉を慕うハルトに狂気すら感じる。



「それは心配要りませんわ。タタルミーヤと言う使用人が中々気に入りまして、彼女のおかげで離れでも凄く快適に過ごしてますわ。では、私はここの用事を済ませて離れへ戻りますね」



急いで書物庫へ行く。そして、書物から少し離れた場所で残りの呪文と契約を結ぶ。

今回結んだのは【ファイヤーアロー】と【ファイヤーブレス】と【ファイヤーボール】、【ファイヤーウォール】後【フレイム】をひとまず覚えた。

【インフィルノ】が居るせいか大人しく呪文達が従ってくれる辺り、炎呪文の縦社会を見た気がする。

【インフィルノ】も炎呪文が増えた事を良しとしている様に感じる。

更にもっと集まれと強調されているようだ。

……これ、私だから身体が持っているけど他の人にそれしちゃうと心と身体が壊れちゃうよ?

呪文同士が惹かれ合うと聞くがこれの事だろう。

炎の魔導書のページを開いても真っ白だ。

全ての呪文は私の中に移動したようだ。

また時間を置いてしばらくしないとこの魔導書に呪文がやってくる事はない。

……はずなんだけど何で呪文が浮かび上がるの?

今回はすんなりとこの国の炎呪文をマスターしたはずなのに知らない呪文が来た。


私の周りをふらふらと回る。

文字を読む。


『我、イフリートに愛されし者なり、塵から塵に、全てを塵へ帰す者』


『我、イフリートに愛されし者なり、炎無くとも煙は立つ』



身体にすんなり呪文が入っていく。

コレは一体何の呪文?

原作とかでも知らないよ?


身体の中で【インフィルノ】が踏ん反り返っているのが分かる。顔があったらドヤ顔間違いなしだ。


だが、呪文を感じてもまだ扱えないようだ。

多分、【インフィルノ】自身がまだ使われてないのに先に使われる事が許さないのだろう。

いや、しかし、今回の片方は出来るなら金輪際使う予定が無いことを祈ろう。

……呪文から感じ読み取った能力は自分より魔力値の低い者への死、塵となって消える。あらやだ、怖すぎて泣きそう。

もう一つは何もないところから煙を扱う呪文の様だ。

でも、前世での記憶だと火災などでの死は煙を吸って死んだ例が多いようにこの呪文も場合によっては危ない。

……あれ?私、攻撃特化になっちゃうよ!


とりあえず、自分の使える呪文をおさらいしておこう。

炎呪文

【ファイヤ】下級

【ファイヤーアロー】下級

【ファイヤーボール】中級

【ファイヤーブレス】上級

【ファイヤーウォール】中級

【フレイム】最上級

【インフィルノ】伝説級


水呪文

【ウォーター】下級


風呪文

【ウィングアロー】下級


聖呪文

【ヒール】中級

【ハイヒール】上級

【エクストラヒール】最上級

【キュア】上級

【エクストラキュア】最上級

【リーフヒール】最上級

【ホーリエンジェル】伝説級


塵呪文

【 】??級

【 】??級



……我ながら良くこんなに覚えたと思う。私ってマゾだっけ?いいえ、違います。

しかし、死ぬ未来や死んだ方がマシな未来を変える為には私には力がない今は呪文に頼るしかない。せっかく全てを扱えるのだから。

しかし、これ以上は無闇やたらと増やしたくても考えながらになる。炎呪文を覚えたので土は嫌がって木は怖がり水や氷辺りとの反発は凄いかも知れない。

水の上位呪文を覚えようとしたら【インフィルノ】が身体の中で怒り狂って燃やされてしまう恐れもある。

水もこんな恐ろしい呪文と一緒に居たくないって逃げてしまう。

契約はし始めたらキャンセルは出来ないので普通に殺されるだろう。

多分中級までは覚える事は可能だろうが他の上級呪文を覚えるのには苦労がありそうだ。しかし、炎呪文は戦闘馬鹿が多い。戦闘で負ける位ならと水呪文とも仲良くなってくれる可能性もあるかもしれない。

私が今は好戦的な考えなので炎呪文も大人しい。いや、炎呪文を覚えたから好戦的な思考になっているのかも知れない。呪文を欲しがるのも【インフィルノ】と契約してからだ。強さを求めている。

……少し引っ張られているかも。

一呼吸置き、冷静になる。

強くなるのは構わない。

没落後、この力を使えば生きていける。よし!シンキングタイム終了!








魔導書を元の場所へ戻し、離れへ戻る。

離れではマリーがすぐに出迎えてくれた。

相変わらず癒されます。



「どうなさいました?クレア様」



少し不安になる。上手く行きすぎて私の未来の没落も嘘で前世も偽りで何もかもが予定とは違ったら?

そんな思いが寄せてくる。



「私は不安なのです。貴族達を説得して仲間にするのは難しいと思い、平民を仲間にしましたが上手く行きすぎて怖いのです」



「そうなのですか?上手く生きすぎていいではありませんか。何事も大丈夫です」



「ありがとう。でも彼等は本当に私に力を貸してくれるのか分からないし私が強要させたとしても子供の戯言と言わずについてくれるのかしら?」



上手く生きすぎて弱気になってしまう。ケイサツベライの件もエルザの件もラクシエルの件も本当は不安で仕方ない。動機も曖昧な未来で死ぬかも知れないと訳の分からないものだ。



「クレア様、クレア様が子供でも貴族です。私達は平民です。平民はこの先、立場が良くなっても貴族には逆らう事はしないでしょう。貴族がいるから安全な土地に住めるのですから。ナタール皇国やこの国みたいな魔力土地は安全でいい場所です。私が居たリッカ国は力が無いと生きてけません。いつも魔物や魔獣に怯え、気がついたら隣の村が滅んでいたなんて良くあります。リッカ国はそれでもマシな方です。その事実を知っている平民は沢山居ます。他国から流れてきた平民は安全を求めてこの国へ来ます。そして、この国は受け入れてくれます。だから、私達平民は貴族から何されても文句は言えないのです。そんな私達をクレア様は更に救って頂けると言うではありませんか。なら力を貸すのは当たり前です。貴族は私達を消耗品と思ってます。私達平民が居なくなっても他国からこの国へ行きたい方は多いので数に困りません。ですが、クレア様は私達を個として扱ってくれます。ですから、クレア様は自分の信じる事を行動すればいいのです。それに皆がついていきます」



マリーはニッコリと笑う。



「ありがとう。私はやはり自分のやりたい事をするわ。私は私だ。貴族からしたら私のこれから行う事は悪でしょうね。なら私はやっぱり悪役なままでしょう。案外悪役も悪くないわ。これから沢山の人が私のせいで不幸になるわ。だけど、その倍の人を救ってみせるわ」



「一つ、クレア様へ良い事を教えますね。私は以前、お姉ちゃんと一緒にスキル鑑定をしてもらった事がありました。私のスキルは幸運です。クレア様にこれからも幸運がありますようにプレゼントです」



確かに最大の幸運を頂いた。

マリーははにかむと顔を近づけ私の唇と重ね、私も求める様に抱き締める。


コレで1章は終わりです!

次からは少々、荒事や乱暴まではいかないですが呪文を使った戦闘シーンも書いていきたいと思います。

まだまだ戦闘のシーンも書けるか不安ですがご指摘等ありましたら吸収したいので感想も受け付けます。

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