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青春病。  作者: 翠吉
7/7

足の重さと、心の温度

「今日はここまで!」

部長の声でようやく動きが止まる。

その場にしゃがみ込む。

息が、整わない。

「はっ……はっ……」

何もしてないはずなのに、

体の奥がじんわり熱い。

(……きつい)

それでも、やることはまだある。

ボールを集めてケースに戻す。

床に転がるボールを拾おとして――

少しだけ、動きが止まる。

(……足、おっも)

「おいおい、大丈夫か」

軽い声。

振り向くと、守屋たちが立っていた。

「顔やばいって」

「え、そんなやばいですか」

「やばいよやばいよ」

笑いながら、近くのボールを拾い上げる。

「ほら、こっちやっとくわ」

「え、でも……大丈夫です」

「いいっていいって」

そのまま、自然に他の2年生たちも動き出す。

ボールを集めてケースに入れていく。

「こういうのも、チームプレーだろ!?」

守屋がくしゃっと笑った。

「マネージャーが倒れたら意味ないしな!」

「……すみません」

小さい言う。

「いやいや」

守屋が笑う。

「むしろさ、今日たくさんボール回してくれて助かったよ」

少しだけ視線を向けながら

「ちゃんと動けてたじゃん」

「え……いや全然です」

思わず否定する。

「最初はもっとやばかったし」

「それ言っちゃう?」

「いや、事実だろ」

小さい笑いが起きる。

「でも、ちゃんと周り見えてたし」

「ボール出すタイミングも良かったよ」

別の2年も口を出す。

「……そう、ですか」

自分ではそんな気はしない。

(全然ダメだと思ってたのに、)

「まぁ、でも」

「明日からはもっとやばいな」

「……え?」

一瞬、時が止まる。

「練習試合だし」

「相手もガチで来るから」

「こっちも余裕なんて、ないぞ〜」

(……明日)

さっきまでの疲れが別の形で重くなる。

「大丈夫だって」

守屋が軽く手を振る。

「今日くらい動けてたら問題ないよ」

「いや、それ結構ギリギリじゃないですか?」

「うるせぇ」

笑いながらやり取りが続く

その空気に少しだけ、救われた。


最後のボールをケースに入れた。

体育館の中はさっきまでと違って、静かだ。

(……明日)

まだ全然自信はない。

それでも、

このチームの力になりたい。

そう強く思えた1日だった。

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