13.優柔不断系の悪役令嬢です!
アイリスがいろいろ考える回です。
後半はシロさん多めです。
はい、結論から入ります。
ロイオスめっちゃいい奴です。
いやぁ、ゲームではロイオスって皮肉屋で嫌味をちょくちょく言ってくるような奴だったんですけど、素直ないい子でした。
あの後も、とっても友好的に最後までお茶会をしましたよ。ロイオスは自分と同等の知識をもった友人が欲しかったんでしょう。確かゲームないの彼は、攻略対象の中でも簡単目なルートで、ロイオスだけは唯一、アイリスに自らの意思で従っていたのだ。もはや、崇拝とも思える程に。
なぜロイオスがアイリスにそこまで溺れたのか、理由は簡単だ。
ロイオスも孤独な少年時代を過ごしていたからだ。
彼は幼い頃から秀才と言われ、ある意味孤独だった。同年代の子供とは話が合わず、かといって大人ばかりと話していると、家族に非難されるため、我慢するしか無かった。
そこに現れたのがアイリスだ。
彼女は美しく、頭の切れる子供であった。ロイオスのような知識はないものの、ロイオスの知らないことを数多く知っており、しかも公爵家の令嬢で、仲良くすれば家族も褒めてくれる。いくら秀才とはいえ、子供である。褒められたいし、愛されたい。そうしてロイオスはどんどんアイリスに傾倒して行ったのだ。
アイリスもロイオスの前では、綺麗な自分しか決してみせない。
そしてロイオスもアイリスを疑わない。
頭のいい彼は、勝手にアイリスの都合のいいように、最善を尽くして行動する。
...ってゆう感じだったよなぁ。
なんというか、主人公さえ現れなければ幸せだったんじゃないかなぁ...。2人とも。とか思ってしまうのは、今アイリスに私自身がなったからですね!
けど、どうしましょう。
私、結構仲良くなっちゃいましたよ。普通にファーストネームで呼び合うことになりましたしね。
うーん、これは良いのか悪いのか...
原作通り進んでいる気もしないでもありませんが、彼はいい人でした。純粋で、真っ直ぐで、そして美男子です!しかも、黒髪が親近感湧きます!
はは、だめですね。
もう今を知ってしまえば、実際に会ってしまえば、ゲームの世界の登場人物とは違うと分かってしまう。
ちゃんと分かってるつもりだったんですけどねぇ。
その上で割り切るつもりだった。
攻略対象は、私にとっては毒と同じだから。
攻略対象と関わりを持つことは、爆弾を近くに置くのと同じだ。
主人公の選択によって全て変わってしまうかもしれない。
私はビビりだ。
向き合うことが怖くて仕方ない。だから関わらないって選択を取ろうとしてたのになぁ。本当に上手くいかない。
けど、ゲームの中の人物と割り切るのは私には無理みたいだ。
よーし、方針変更!
その人柄をみて、ちゃんと関わるか関わらないか決める!
『アイリスは優しすぎるよねぇ~』
はい、うるさいー。
優しいんじゃなくて、ただの優柔不断ね!
『ふふふ、まぁ安心してよぉ、アイリスは僕が絶対守ってあげるからぁ~』
ふふ、確かに世界一のボディガードね!
はぁー、頼れる存在って大事です!
『...それがこの人の望みだろうしねぇ』
ん?なんて??
『ん~?クロには負けないぞぉ~ってぇ!』
なーに言ってるの。
2人仲良く、いや3人仲良くね!
『ふふ、そうだねぇ~!』
シロはアイリスの前に姿を見せると、アイリスの手に顔を擦りつける。
「んー、いいもふもふ!」
アイリスはシロを嬉しそうに撫でる。
ずっと笑顔は絶やさないアイリスだが、今は本当に幸せそうだ。
この笑顔を守る。
シロはひっそりと心の中で誓うのでした。
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