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悪魔へ墜ち、天使を殺せ  作者: 大器晩成
序章 滅びの十年後
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序章 滅びの十年後Ⅰ

荒廃した世界で、主人公は生き残るために戦う。

そんなお話。

天使と悪魔をいっぱい出したいです。

単的に言えば、十年前に人類は滅びを迎えた。


何処からともなく現れた異形の生命体。彼らは何も求めず、何も語らず、殺戮だけを繰り返した。

その姿は伝承によって語られる神々の伝令者『天使』に類似していたため、彼らの名はそのまま、『天使』と呼称されるようになった。


数十億人と多くの土地が彼らによって奪われた。だが二か月後、彼らの進行は不意に止まる事になる。その理由は、憶測でしか語られず、新の理由は誰も知りえない。ともかく、人類は残った土地を守るため、強大な壁を建設し、人間の領域と、天使の領域を分け隔てさせた。


誰もが最初は気休めに済まないと考えていた。だが、壁は不思議と効力をなし、天使たちが壁を超える事は滅多にない。あくまでも滅多、であるが。ともあれ、安全地帯を得た人類は、天使たちが占領する場所を皮肉を込めて『聖域(サンクチュアリ)』と呼称するようになる。


そして今、反撃の狼煙が上がりつつあった。


――かつて東京と呼称された場所。その上空。凄まじい爆音を響かせながら、輸送ヘリが廃墟と化したビルの谷間を縫うように飛行していた。


「そういや知っているか? 最近、戦場で噂になってる話」


機内後部キャビンにて。浅黒い肌の男が、不敵な笑みを見せながら、隣の青年に声をかけていた。

青年は、興味なさ気に男を一瞥し、仕方なさそうにため息を吐く。


「何の話だ? 幽霊でも出たとか? それなら最高にお笑いだな」


皮肉気な返答を然して気にした様子を見せず、男は話に乗ってくれたことを素直に喜んだ。


「はっはっは! 幽霊なら探さなくても会えるだろ! この話はそんなチャチな話じゃねぇのよ!」


勇んで話を始める男を尻目に、青年は窓から見える景色に集中し始める。外には廃墟と化したビル群が、無数に移り変わっていった。


「――ってな話だ! どうだ、イカすだろう!」


「あー、はいはい。要は俺らの尻拭いをしてくれる最強の部隊があるって話だろ? そんなのウソに決まってる」


男曰く、壊滅的な状況に陥った戦場に、颯爽と現れて、天使どもを掃討していく、最強の部隊があるとこのことだった。この手の話は一次大戦のころから尽きない。そしてそのどれもが、気の所為だったり、敵を混乱させるためだったり、希望的観測であったり、士気を高めるためだったりした。そんな幼稚な話を聴くほど、青年は幼稚ではない。鼻で笑って一蹴する。


「第一にそんな部隊があるならもっと別なことををしてるだろうさ。――連中のクソの処分とかな」


吐き捨てて青年は興味を失せさせる。代わりの慰めとして、手元に握られているアサルトライフルを舐める様に眺め始めた。その銃は、天使を殺すために改造を繰り返されて、元となった銃がなんであったか判別不可なほど、歪な様相をなしている。


「言うねぇ! だが、この話はどうだ? なんとその部隊の奴らは全員モノホンの悪魔で――」


 男は無視されながらも胡乱な話を続けていたが、やがて周りの仲間に小突かれて、抵抗して、銃のストックで頭を殴られてようやく静かになった。


青年――諏訪野夕(すわの ゆう)はため息を再びため息を吐く。これから戦場だというのに、よくこんなお気楽で入れるものだ。その図太さは尊敬に値するが、真似たいとは死んでも思わない。


キャビンの中を見渡す。先ほどの男は頭を痛そうに擦っていた。他の者達は、各々好きなように雑談に興じていたり、沈痛な面持ちで下を向いていたりした。夕は視線を手元に戻し、足のホルスターにある拳銃を取り出す。オートマティックの大口径拳銃――こちらも、改造という改造を繰り返されており、元の原型を留めていない。だが、生身の人間が撃てば、只では済まない事だけはヒシヒシと感じられた。


『間も無く目的地上空に到達。掃討部隊は降下準備を』


無機質なアナウンスが響く。その途端、キャビン内の空気が変わった。

ひりつく様な緊張感。あの男ですら、目にみえて雰囲気が変わっている。

夕も表情を引き締め、拳銃をホルスターへ戻した。


『目的地です。アルファより降下を開始してください』


その言葉と共にキャビンの後部ランプが開かれる。途端、風がキャビンの中へと吹き込み、皆爆風に戦闘服をはためかせる。ランプから覗き込むと、10メートル程下にひび割れたコンクリートが見えた。どうにもビルが立ち並ぶ場所の十字路へと降下しようとしているらしい。

爆風も酷いがローターが回転する音はもっと酷い。会話は碌にできず、ハンドサインで合図を出し合う。

アルファ部隊、その隊長が指示を出し、皆ランプへと慎重に進んでいく。アルファの一員である夕もそれに続いた。


『降下後速やかに周辺を警戒せよ』


そのような意味合いのハンドサインが交わされ――隊長が飛び降りた。それに続くようにアルファが降下を開始する。

夕も大きく深呼吸をして、空中へと身を躍り出した。

続きはそのうちに。

当方暇なので、多分上がります。

多分。

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