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猛烈一途なあたしに堕ちろっ!~素っ気ない君に届け~  作者: みみまる.com


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5.容赦のない空くん。



今日も朝から空くんと一緒に登校して教室につくと、自分の席に座る。



「桜兎~、昨日は目黒くんと追いかけっこしてたんだって?」

とクスクス笑う佳奈ちゃん。


げっ…昨日走りながら冗談で言ってたのに現実になるとは…。


「うぅ…本当だけど噂になるような何かがある訳でもないんだけど…噂になるなら空くんがいい」

とガックシするあたしに

「まぁ目黒くんほら顔綺麗だし、学年で1番人気だからね~。すぐ噂なるよ?」

と佳奈ちゃんは面白そうに笑う。



そんな話をしていると、登校してきた京が

「桜兎、てめぇ昨日逃げやがったな」

とキレている様子。

「えへへっ、ごめんね?昨日は空くんで頭の中がいっぱいだったから~」

とニコニコするあたしに

「そーかよ…むかつく」

とあたしのほっぺたを抓る。

「い!いひゃいいひゃい!」

「はっ、変な顔」

と言うと自分の席に戻るとふんっと偉そうに座る京。京のどこが人気なんだか…。



そして、今日は1年生の宿泊研修の班決めをしている。


班決めと言ったら空くんと組めなきゃ楽しめないよね。急げ!!


「空く~ん!!!!!」

とあたしは急いで空くんの席に向かう。

「なんすか?」

「なんであたしがここに来たと思う?」

とニコニコと空くんの席の前にしゃがみ込んで下から空くんを見つめる。


「あぁ、宿泊研修すか?」

と頬杖をついてあたしを上から見てくる空くんかっこいい…好き…。

「あたり!」

とニコニコ答えて空くんを見つめてると


「あぁ…一緒組みますか?」

と何かを察して空くんから誘ってくれた。

「ほ、ほんとに?!いいの?」

「その為に来たんすよね?いいっすよ」

「すごく嬉しい!やったー!ありがとう!」

と大喜びするあたしに

「いいっすよ」

といつも通りな顔で答える空くん。

「じゃあ他のメンバーも適当に決めてくるね~」

と空くんに手を振りあたしはニコニコと自分の席に戻って行く。



「なんだよその顔」

と京がつまんなそうに聞いてくる。

「え~聞いちゃう?」

とあたしはニヤニヤが止まらない。

「はっ、どーせまた柏木だろ?」

「あったり~!空くんに誘われちゃった~!宿泊研修超楽しみ!」

と満面の笑みで笑うあたし。


「じゃあ俺もその班入るから」

と京が言う。

「え?京も入りたいの?別にいいよ」

とキョトンとした顔でオッケーを出す。

「あ、そうだ、佳奈ちゃん佳奈ちゃん」

と目の前の席の佳奈ちゃんにも声をかける。

「ん?」

と振り向く佳奈ちゃんに

「一緒に宿泊研修組もう!」

「うん、そのつもりだったよ!」

と佳奈ちゃんも班のメンバーになった。



そして放課後、京が女の先輩に連れ去られて行ったので邪魔者なし!空くんに着いて行こうと決めて席を立つと。


目の前の光景にあたしは目を見開く…。ついにこの日が来てしまった…。


「か、柏木くん…ちょっといいかな?」

とモジモジして頬を赤らめてる女の子が空くんに話しかけている…。

あたしは自分の席から聞き耳を立てる。


「なんすか?」

と通常運転の空くん。

「あ…ここじゃなんだからちょっといいかな?」

「はぁ…あんまり時間ないんで手短にお願いします」

と言うと席を立ちその女の子と教室を出る。


もちろんあたしもこっそり着いて行く。


人気のない踊り場に着くと

「で、なんすか?」

と容赦のない通常運転空くん。

「あ、えと…あの…柏木くんに…一目惚れして、好きになりました!!」

「はぁ、そうなんすね」

と興味無さそうな空くん。

「つ、付き合ってくれませんか?」

「すみません無理っす。もういいっすか?」

と、即答してもう帰ろうとする空くん。自分が振られてるようでグサグサくる。


帰ろうとする空くんの腕を掴む女の子。


「つ、冷たくないですか!!」

とうるうる涙を零しそうな女の子。

「はぁ…手離してもらっていーすか?」

と言われて悔しそうに手を離す女の子。

「好きな人…いるんですか?」

「それ貴方に言う必要あります?」

と容赦のない空くん。

「もういいです…」

そう言うと女の子は泣いて踊り場を後にした。



ひいいいい!やばい!!バレちゃう!!

あたしの後ろを泣きながら走り去っていく女の子。


あたふたしてあたしはその場にしゃがみ込んで頭を手で覆い壁になりきれ!と気合いで壁に同化する。


スタスタと歩いてきた空くんに

「なにしてるんですか?」

と一瞬でバレて顔をあげると空くんに見下ろされるあたし。

「…えへへ。ちょっと…えと…壁ごっこみたいな…?」

と目線を泳がせるあたしに

「…なるほど」

と全然なるほどじゃない顔をして、手を差し伸べてくれる空くん。あたしはその手を握って立ち上がる。

「…あ、ありがとう」

「どういたしまして」


気まずくてなんだか無言になるあたしに

「頭隠して尻隠さずの具現化初めて見ました」

とフッと笑う空くん。

「か、隠れてた訳じゃないから!壁ごっこだから!」

と照れるあたしに

「そういうことにしときます」

と珍しく笑ったままの空くん。


空くんが笑ってる…かっこいい…好き…。



そして、放課後の廊下を二人で歩く。


「空くん女の子泣いてたよ」

とチラリと空くんを見ると

「まぁ、そうっすね」

と全然興味無さそうな顔をしていた。


「あの女の子可愛いかったね」

と前を見るあたしに空くんがチラリと視線を移すと

「そうっすか?吉岡さんの方が可愛いと思いますよ」

といつもの顔で言う空くん。

「……!!!!」

まさかの返答に顔が赤くなってあたふたするあたし。

そんなあたしを空くんはチラリと見るとまたいつもの表情で前を見て歩き出す。


たぶん深い意味はない癖に…空くんめ……。


教室に着くと

「俺帰りますけど」

とカバンを持つ空くん。

「あ、あたしも一緒に帰る!!」


急いでカバンを掴むとまだ少し赤いほっぺたを隠し、今日も空くんをあたしは追いかける。




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