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すかさず、ヒールを唱えて回復する。
ノルンはかろうじて立っていた。「頑張れ十五の老体よ」と自分へエールを送ってから、叫んだ。
「どうやら、死にたいようですねっ」
「かかってこい。逆に、お前を地獄送りにしてやる」
体制を低くした獣たちが睨み合う。ただ、ノルンは手加減が苦手だ。その部分は、謝っておきたいと思う。
おじさんは、屋根を突き破って、上空へ登って、庭先へと落下した。地面へ突き刺さっている相手を見て、ノルンはペロリと舌先を出した。
「ごめーん、やりすぎたかもぉ」
しかし、おじさんはこれで死ななかったのだから。人体というものは、本当に不思議なものだ。
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「まったく、二人ともいい加減にしなよ。毎日、毎日、喧嘩ばっかりで、生傷が絶えないじゃないか」
隣のおばさんがそのような苦情を言う。
ノルンは回復魔術が使えるので、おじさんが死を迎えることはない。適切な分量を、間違えなければの話だが……。
そういう言い訳をしていたら、おばさんがため息をついた。
「はぁあ、ノルン、あんた、明日から学舎に通いな」
「それは、お断りします」
「もう、グラウスさんとは話がついてるんだ。あんたは、もう少し加減を学ぶべきだよ。じゃあ、これ。通学服だよ」
「学校なんて嫌です、おばさま」
「朝一番で、学長に挨拶に行くから、今日は早く眠るんだよ? いいね」
本当におじさんを含めてこの辺りには勝手な人しかいないようだ。どうにもノルンには拒否権はないらしい。
日本にいた頃のノルンは、まだ小学生だった。だが、学生時代の中には嫌な記憶しか残っていない。
「がっこう、かぁ……」
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果たして、ノルンは学校に行けるのか?!また、次回(お察しください)ありがとうございました。




