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娘たちに与えられるカビたパンは少数で、手にはいることは希だったが、それでも遥香は率先して、耳の尖った友達にそれを与えた。
ある日、「旦那様は、異種をお求めです」という使用人の男がやってきた。
奴隷商人は、多くの娘子たちの中から、遥香と耳の尖った少女だけを選んだ。
「うーん、エルフか、うーん」
奴隷を買い付けに来ていた使用人が悩ましげな声を上げる。
その刹那。
耳の尖った友人が、今まで遥香が聞いたことがないような流ちょうな言葉使いで声を荒げた。
「わたしはただのエルフです! けっして、珍しいものではありません! こっちの娘は人間ではありません、まさに異種です!」
遥香が訳も分からず困惑していると、若い男が笑顔で言った。
「そちらの方が無垢そうだ。黒い方にしよう」
「ありがとうございます! ありがとうございます! わたしはただのエルフです! ありがとうございます!」
耳の尖ったエルフの少女がいやらしいほど勝ち誇ったような笑みで、遥香の顔を見た。
「ほんとうに、愚かな子」
遥香とすれ違う僅かな時間に、エルフの唇は残酷な言葉を刻んだ。
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旦那様と呼ばれる太った男は、さまざまな種族の少女たちを裸にして鎖でつなぎ、檻へ入れては、出して、入れては、出してを繰り返していた。
入るときは皆、心から安堵する。だが、出るときは酷く怯えている。
当初、遥香にはその意味がよく分からなかった。
だが、それを身を持って体感する機会はすぐに与えられた。
寝台に裸のまま放り出された遥香は、まずトゲのある鞭で打たれた。
「お前は、お前はなんだぁ!?」
「いだい、やだぁ、わからないよぉ」
「人間かと聞いてるんだ、詳細に答えろっ」
「いぎいっいぐ、いぎ、ぐあっ!!」
頬も、腕も、足も、ボロボロになった頃、旦那様は満足げな顔をした。
やっと終わった。遥香は薄れゆく意識の中でそう思ったが、これは始まりにすぎなかった。
「いだっ!」
下半身に鈍い痛み。続いて、まるで肉が引き裂けたような激痛が走る。
「やがっや、ぎゃあ、やっがっ」
状況も理解できぬまま虚空を掴むように暴れたが、相手に傷口を強く押さえつけられ、痛みで体が大きく跳ねた。
「いっぎゃ!」
その瞬間、初めて体感する現象が起きた。腹の下の圧迫感、何かが体の中に割って入ってくる。
恐怖を感じる間もなく、太った男の恍惚とした顔が迫り、唇を奪われた。
舌が進入して、口の中をナメクジみたいに口内をなめ回す。
下腹の辺り激痛が走っている。激しく揺らぶられていても、遥香には何の行為か理解できない。




