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月が太陽を絆すまで  作者: ウパ戌


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夏休みの終わりと心配

「やあやあ、久しぶり!」


 夏休みが終わり、久しぶりに学校へ来た。こんなに騒がしいのも久しぶりだ。最後に彗が家に来てからはバイト漬けの日々だったしなんだか懐かしい。


「元気だった?」

「おう」

「朝日、全然SNS投稿しないから何してるか分からないんだよねー」

「逆に鈴たちはあげすぎだって」

「えー、だってせっかく遊んでるならみんなに共有したいじゃん!」

「そんなもんか」

「そ!」


 鈴が机に手をついて乗り出して言う。


「あれ? 健吾はまだ来ていないのか?」


 ホームルーム始まる五分前なのにまだ来ていないのは珍しい。夏休み明けでボケてるのか?


「あー、今日の朝練でスタメン発表らしいよ」

「だからか」


 きっとそれで少し時間が押しているのだろう。部活勢は大変そうだ。

 結局健吾が帰ってきたのはホームルームが始まる一分前だった。ただあまり浮かない顔をしていたのが気になった。


「健吾おはよう。何かあったのか?」


 俺はホームルームと一時限目の間の時間に聞いた。


「ああ。おはよう。別に嫌な事があったわけじゃないんだが」


 健吾は背もたれに体重を預けて天井を見上げる。


「今日は部活で今度の大会に向けたスタメン発表があったんだ。一年だから選ばれないと思っていたんだけど、ベンチ入りすることになってな」

「それはすごいじゃん」

「そう。そうなんだけどな。一年で選ばれたのは俺だけで、しかも二年生でもベンチに入れない人がいてどう接していいか、わからなくなってな」

「べつに悪いことはしてないのに謎に気まずいやつね」

「そーなんだよ」


 そのまま手を伸ばして伸びをする。


「実力で勝ち取ったんだろ? 堂々としてればいいんじゃないか」

「まあそうなんだけどな。これから練習メニューも変わっていくし気にならなくなるっちゃなるんだけど。けど今日雰囲気あんまよくなくてな。特にマネージャーがな」

「マネージャーが?」

「そうなんだ。付き合ってる二年生の先輩がレギュラーから外れてな、それでちょっと。ま! 何とかなるから大丈夫だ!」

「本当か?」

「おう!」


 健吾はさっきの平坦なトーンから一変、明るく振舞った。実力主義であっても自分が上手いだけでは駄目だという、部活はなんとも面倒くさい。こういうところは高校になっても変わらないらしい。


「何かあったらすぐに言ってくれ」

「おう。何だったら朝日もサッカー部入るか?」

「それは遠慮しておくよ」

「残念だ」


 笑ってそう言う。


「次の授業は移動だろ? 早く行こうぜ」

「おう」


 俺たちは教科書を取り出してからいっしょに教室へ向かった。このまま何事もなければいいのだけれど。

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