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桑崎亮太 2

感想を頂けたので、勝手に頑張ってみた☆

何か違う気がする…

中学にあがってから、段々と男女で行動や思考の違いが顕著になってきたせいか、小学生の頃よりも俺と晶子に対する周りの目、というのがあからさまになってきた。


まぁ、だからと言って、何か変わるというものでもない。


「亮くん! 聞いてる?」


必死に、浮気なんてしていない、と弁解している晶子。

野崎の、ふざけて言った言葉を俺が聞いてしまったせいか、かなり慌てている。

俺の腕を掴むのは構わないが、力を入れすぎだ、シャツがしわくちゃになってる。


「聞いてる。というか、疑ってはいないから、少し落ち着け」

「むぅ…」

「ほら、とりあえず帰るぞ。高柳達も、気を付けて帰れよ」

「あ! 今日はうちに集まるんだっけ? 急がなきゃ!」


バイバイ。と高柳達に手を振り、カバンを持ってくる晶子の手を取り、下校する。

ちらほらと残っている生徒が俺達を見てくるが、晶子はあまり気にしていない。というか、視線の意味を正しく理解していないんだろうな。


晶子は、俺が見られている。と思っているみたいだし、おとこと一緒にいるから変に目立っている。と考えている。

まぁ、それも理由の一つにはなっているが、視線を向けてくる男達は、単純に晶子に見惚れているだけだ。


「亮くんあのね、早苗ちゃんに聞いたんだけど~」


繋いだ手をプラプラ振りながら俺を見上げ、楽しそうに喋る晶子。

南川のように目立つ美人といわれてはいないし、野崎のように可愛いと評されてはいない。でも、いつもにこにこと誰に対しても笑顔で話すし、細かい気遣いも自然体にこなし、成績も良い。‐亮くんに成績を言われたくない、私より頭良いもん。と拗ねられた‐

男女問わず態度を変えない、人当たりの良い性格。きちんと手入れをされた髪や爪。変に着崩してない服装。

思春期に入った男どもに女の子として意識されている。


晶子に伝える気は微塵もないがな。





「桑崎~、おっはよー!」

「長谷部、おはよう」


朝練を終えて教室に向かう途中、こちらも朝練終わりだろう長谷部に声を掛けられた。

二年にあがってから、長谷部も女子人気に拍車が掛かり、二人で居ると周りの視線が鬱陶しい。話し掛けてこないのに、じっとりと見詰めてくるのには苛つきしか感じない。


「お前、ま~た神代といちゃつきながら帰ったんだって? うちの部の三年が怒りながら泣くっつー荒業してたぜ?」

「晶子と帰るのに、見ず知らずの奴に配慮なんてするか。勝手に泣かせておけ」

「ははっ、ひっでぇ」


何とも思ってなさそうな表情で笑うお前の方がよっぽど酷いと思うがな。


「お前、一年の時に神代に近付こうとした男どもをスゲェ勢いで倒したからなぁ。二、三年はもう神代には近付けねぇ。でも神代は自然体で優しいから近付きたいって奴等はまだ多い……生殺しって言うんだっけ?」


別に物理的に倒してはないぞ。

ただ、下心見え見えで晶子に声を掛ける奴を睨み付けたり、呼び出そうとした奴のメモを晶子が手にする前に握りつぶしただけだ。


「晶子に手を出そうとする方が悪い。遠くから眺めるだけにしておけば…それはそれで鬱陶しいか…」

「……神代、自分がモテるっての知らないんだろうな~。可哀想に」

「別に知らなくても問題はないだろ。俺がいる」


長谷部の呟きを切り捨てると、だからコエェって。とため息を吐かれた。


長谷部を伴い教室に入れば、ちらほらと声を掛けられる。

男からの挨拶には返し、女からの下らない声は無視をする。

幸い、隣の席の女子生徒は大人しい奴だから害はない。これで一年の時のようなかしましい女だったらぶちギレる気がする。


「桑崎、さっき南川が来てたぞ」

「南川? …分かった」


朝一で南川が俺を訪ねて来たってことは、`また´馬鹿な男、もしくは女が晶子と接触しようとしたんだろう。

俺は昼休みに長谷部を呼び、二人で晶子のクラスへ向かった。


「晶子」

「あれ、亮くん? どうしたの~?」


他クラスだが気にせず入っていけば、晶子は首を傾げながらも笑顔で俺を迎えた。

晶子の隣に椅子を付けて座り、南川をチラリと見れば、軽く頷き、長谷部に幾つかの封筒やメモを渡した。


昼休み中は晶子達と他愛ない話をし、晶子のクラスの奴等を軽く牽制してから帰ってきた。

廊下に出れば、長谷部は呆れた表情で南川から渡された物を俺に手渡す。


「ほんと、神代は愛されてんなぁ」

「棒読みにもほどがあるぞ。……、ふん」

「……頼むから、手は出すなよ」


二通の手紙と一枚のメモ。

メモと一通の手紙は無視して問題ないな。

もう一通の手紙は…





「昨日、裏門付近で男子二人が気を失ってたのが見つかったんだってよ~…桑崎、感想は?」

「ふん、知らないな」


朝、何時ものように朝練後の長谷部と会うと、呆れた表情で開口一番疲れた声を掛けられた。

視線を合わせずに返すと、深いため息を吐き隣に並んだ。

批難を含んだ呆れた視線を向けてくる長谷部。


知らないな。

晶子を人気のない裏門近くの林に呼び出した、ゲスだと噂の馬鹿どもの事も、現れた俺に懇切丁寧に、晶子に暴行しようとしたのだと嗤った事も、気を失った奴等の体に痕が付かないよう痛点のみを集中的に突いた事も。

二人が失禁していたことも。二度と晶子に近付かないだろう事も。


晶子は、知らないままで良い。

晶子のモテ具合を書こうとしました…

亮くん視点だと何か…

次は違う人で書いてみようかな?

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