Sub Act.1 所長さんの超わかりやすい!怪異授業!
事務所での生活が始まって二日目、私は所長に呼ばれて席についた。何をやるかの詳細は何も聞かされていない。どうせまた変なことなのだろう。
目の前には所長が立っていて、ペンでホワイトボードに文字を書いていた。
「それでは、これからこの僕である所長による、超わかりやすい!怪異授業をはじめるよー!」
「なんなんですかそれ!」
なんとまさかの怪異についての授業だった。確かに私自身も怪異についてはあまり理解していなかったから、怪異について知れるのは嬉しい。
が、あまりにも唐突すぎる。もっと、他に前フリとかあるよね?
「まあまあ、三琴ちゃんには怪異について知ってもらわなきゃいけないわけだし、それじゃあ解説といこう!」
「良い授業、期待してますよ…」
「それじゃあまずは怪異とはそもそも何なのかという概念的な話からやるか。そもそも怪異とはどのような言葉か、三琴さん!」
「え、えっと…恐ろしいこととか幽霊のことですか?」
「2点!」
いや、点数が低すぎる。もっと他に数字とかあるでしょ。せめて、20点とか30点とか…。
「怪異っていうのは、現実では到底ありえない現象や未知の生物とかについてを示す言葉なんだ。そのくくりで言うと、幽霊やお化けはもちろん、UMAや神話生物もこのくくりに入るんだよね」
「なんか怪異のくくり広くないですか?」
「ほんっとうにくくりが広くて僕も調査する時は参っちゃうよ。しかも生態的に共通点とか法則性とかもあるわけじゃないし、嫌になっちゃうよね」
しかし、私はある疑問点があった。もし怪異が広く捉えられるのであるなら、八尺様と猫又も怪異に当たるのでは?
「所長さん、質問です。八尺様と猫又さんは怪異に当たると思いますが、調査対象とかではないんですか?」
「良い質問だね、三琴さん。それじゃあ説明しよう。実は怪異も一概には全員が全員悪い怪異とかではないんだ。そんな悪意を持たない、もしくは無害で有害要素が限りなく少ない怪異を僕たちは純怪異と呼んでいるね。逆に悪意のある怪異たちの特別な呼び方はないね」
「ということは2人は純怪異に当たるんですね。安心しました!」
「純怪異の中には普通に人間生活に馴染んでいて、なおかつ怪異として戸籍をもらっているものもいるからね。多様性がすごく認められる時代になったものだよ」
ここで気になったところは、逆に悪意のある怪異は何をしているのかである。またしても私は質問をしてみる。
「所長さん、逆に悪意のある怪異はどのようなものなのですか?」
「悪意のある怪異の特徴としては何より、人々の恐怖や魂のエネルギーを糧として暮らしているんだ。しかも、人の命を喰らうものも存在している。だから、僕たちはそのような怪異を調査して排除していかなければならないんだ」
「…私たちはそんな存在にどうやって戦うんですか?」
「アウスカイト(異能力)を使って対抗するんだ」
「あうすかいと?」
「みんな、気づいていないようで能力を持っているんだ。もちろん、君にもね。これを覚醒させるためには複雑な条件が必要なんだけどまあ、これに関してはまた後々説明していこう」
私の心臓がドクンと高鳴った。この普通の女子高校生の私にも、そんな力がある?私の能力はあるとしたらどんな能力なのだろうか。
「さて、今日の授業はここまで!それではまた、いつかの授業で会いましょう!」
「ありがとうございました!」
これからの生活、私はすごく楽しみかもしれない。愉快な仲間たちと私の中にあるかもしれないアウスカイトと呼ばれる力。私の未来はどうなるのやら。
主な世界観はこんな感じです




