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4話


 20XX年8月13日



 昨日の夕方、ホアヒンからバンコクに戻ってきた。

 お父さんと龍馬は、新潟のお父さんの実家へと里帰りするために、一足早く日本に帰国しました。


 龍馬は「カブトムシとクワガタを捕まえる!」とか、張り切っていたけど、小学生の男の子って虫が好きだよね。

 私にはカブトムシの良さが、これっぽっちも理解できないよ。


 お父さんの実家は新潟で、越の雪宿という銘柄で有名な淡麗辛口のお酒を造っている、江戸時代から続く造り酒屋になります。

 でも、お父さんは次男坊で稼業を継げないから、サラリーマンになったとかなんとか言ってました。


 もっとも、実家のお酒を海外に向けて販売しているのは、お父さんの会社みたいなんだけどね。

 だけど、そのコネでお父さんが今の会社に入ったわけではないよ?


 お父さんが新規開拓したとか言ってましたし。

 というか、公私混同の気がしないでもない。


 日本からは実家とかの日本酒を海外に売って、海外からはワインとかを仕入れてきて、それを日本で売っているそうです。

 だからなのか、お父さんは一月のうち半分ぐらい家に帰ってこない月が多いんだよね。


 その埋め合わせなのかは知らないけど、今回みたいな長期休暇は取りやすいみたいだけど。



 それと、別にお母さんが嫁姑の問題で、お父さんの実家と仲が悪いから一緒に帰らないというわけではないよ? たぶん。

 私がタイに残るから、お母さんは保護者として残ってくれたということです。


 今回のタイ遠征は私のプライベートなのだから、テニスクラブの子たちと一緒に遠征に来ているわけではないので、コーチの引率とかもないし、私を一人にはしておけないということなんだろうね。


 ちなみに、お母さんの方の実家はというと、我が家の隣にあります。

 つまり、お父さんは実質的に、マスオさんということです。


 まあ、実家とは言っても、お祖父ちゃんは海外暮らしが長かったから、日本に帰国してから新しく松戸に家を建てたみたいだけど。

 ついでに言うと、お父さんはお祖父ちゃんの部下だった縁で、お母さんと結婚したんだってさ。


 でも昨今、親が旦那候補に自分の娘を紹介するとか珍しい気がするよね。

 ということは、お父さんは優秀でお祖父ちゃんに認められたってことなのかな?



 話は変わるけど、ノンタブリーにあるLTATのテニスセンターに行ったら、ちょうどマレーちゃんも居たので、今週もマレーちゃんと一緒に練習をさせてもらったよ。

 明日の予選は、二人揃って突破できるように頑張ろう!






 20XX年8月14日



 ノンタブリーJ30大会二週目の予選も、無事に通過することができました!


 やったね!


 スコアは、地元タイの選手を相手にして、6-1 6-1のダブルポッキーを完成させました。

 やっぱ、予選に出てくる選手のレベルは低かったよ。


 予選に出てくるような選手と、本戦で上位にシードされるような選手との、実力の差が大きいとでも言えばいいのかな?

 でもまあ、これは日本国内の大会でも似たようなものだったかも知れない。


 今日の反省点は、特になし!


 アンフォーストエラーも少なかったし、ダブルフォルトも一本もしなかったしね。

 ファーストサーブのIN率が90%を超えていたから、ダブルフォルトのしようもなかったともいうけど。


 つまり、ファーストサーブをフォルトしないことが、とっても大事ということになります。

 ファーストサーブをミスしないでサービスコート入れることは、本当に超重要!


 それでも、しいて反省点を挙げるとすれば、ベーグルを作れなかったことかな?

 ラブ30があったんだから、相手が4ポイント取る前に、私が2ポイントブレイクできれば良かったんだけど、そう甘くはなかったよ。


 今後の課題としては、ラブ30やラブ40とかブレイクできそうなチャンスの時に、ブレイクする確率を上げれたらもっと勝てるようになるのだから、そこら辺が課題かな?

 まあ、言うは易し行うは難しの典型ではあるんだけどね。


 テニスという競技は、サービスゲーム側が有利なスポーツなのだから。



 あと、マレーちゃんも順当に予選を勝ち上がることができました。おめー。


 お互いに、明日の本戦一回戦も勝てるように頑張ろうね!


 今回、マレーちゃんと同じ山に入ったけど、SFまで勝ち進まなければ当たらない遠い位置にドローされたよ。

 「セミファイナルで対戦できたらいいね!」とは言ってはみたものの、どうなるだろうね?






 20XX年8月15日



 ノンタブリーJ30大会、本戦の一回戦R64はといいますと……

 危なげなく、6-2 6-2のストレートでインドの選手を下して、順調に勝ち上がることができました!

 

 私が強くなったというよりも、相手が弱かったような?

 いやまあ、私も少しは強くなっているとは思うけどさ。


 今日も反省点は、特になし!


 とか、言えたら良かったんだけど、昨日に比べたらアンフォーストエラーの数も少し増えちゃったし、ダブルフォルトも一本しちゃったんだよね。

 まあ、対戦した相手が弱かったとはいえ、昨日の相手と比べたら多少は強かったのが、アンフォーストエラーの数に影響したんだと思う。


 ……ダブルフォルトは言い訳できない気もするけど。


 だけど私には、試合中にフォルトを一本もしない庭野環希みたいな、そこまで精密なサーブのコントロールはないからね。

 私もコーチに褒められたこともあるし、自分でもサーブのコントロールは良い方だと自負もしているけど、庭野選手のアレはちょっと次元が違いすぎる。


 年間を通して、ダブルフォルト0本とか何の冗談だよ。

 1セットも落とさず、無敗で年間ゴールデンスラム達成したことの方が凄いとは思うけど、ダブルフォルト0本も異常だよね?


 年間、120試合ぐらい無敗で、その間ダブルフォルトも0本とか、俺TUEEEのラノベの主人公も真っ青な成績だよ。

 きっと庭野環希は、テニスの自動人形なんだろうな。確信。


 だから、普通の人間である私の中では、ダブルフォルトも一試合に二本までなら、許容範囲だと割り切ってはいるんだよね。

 コラテラルダメージというヤツです。たぶん。


 もっとも、試合中の重要な場面におけるダブルフォルトは、当然ながら厳禁ではあるのだけど。


 ほら、40ラブの場面でダブルフォルトしたとしても、40-15になるだけだけど、30-40とかの場面でダブルフォルトをしてしまえば、ゲームを落とすことになるじゃん。

 そういう場面でのダブルフォルトは厳禁ということです。


 小学生時代に、それで試合に負けてしまって悔しい思いをしてからは、特に気を付けるようになったんだよね。



 あと、マレーちゃんも初戦を突破することができました。おめでとう!

 明日の二回戦も勝てるよう、お互いに頑張ろうね!


 でも、明日の私の対戦相手って、第4シードの選手が相手なんだよね。

 相手の特徴とかまったく把握できてないから、行き当たりばったりの出たとこ勝負になりそうな悪寒。


 相手選手のプレー動画とかって、ネットに転がってないかな?

 あとで、ノンタブリーJ30大会とかで、検索してみましょ。



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