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全員が俺だ ~6666回転生した記憶過積載者~  作者: 雨音トキ


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第37章 仲間割れ

3日が過ぎた。

ミラが去ってから。

リオンは一人で街を彷徨っていた。

目的もなく。

ただ歩く。

市場を通る。

人々が笑っている。

家族が買い物をしている。

恋人が手をつないでいる。

リオンは足を止める。

見つめる。

そして歩き続ける。

一人で。

宿に戻る。

部屋に入る。

空っぽの部屋。

ミラのベッドは空いている。

リオンは自分のベッドに座った。

食事を持ってくる。

でも喉を通らない。

一口。

二口。

それ以上は無理。

皿を置く。

窓に向かう。

外を見る。

街の景色。

人々が行き交う。

笑顔で。

幸せそうに。

リオンは思った。

「また一人か……」

つぶやく。

その時。

心の中で声が聞こえた。

6666人格の声。

「当然だ」

「仲間など不要」

「お前は孤独が似合う」

「6666回、一人で戦ってきた」

「今回も同じだ」

リオンが頭を抱える。

「黙れ……」

小さく言う。

でも声は続く。

「ミラは去った」

「お前が傷つけたからだ」

「お前といると、皆不幸になる」

「諦めろ」

リオンが叫ぶ。

「黙れ!」

声が止まる。

部屋に静寂が戻る。

リオンは座り込んだ。

床に。

「なぜだ……」

つぶやく。

「なぜ、俺は……」

涙が出そうになる。

でも出ない。

ただ虚しさだけが残る。

時間が過ぎる。

夕方。

夜。

リオンは動かない。

ただ座っている。

窓の外。

月が昇る。

星が見える。

リオンは立ち上がった。

ベッドに横になる。

天井を見つめる。

「俺は……何がしたいんだ……」

独白。

誰にも聞こえない。

ただ自分に問いかける。

「世界を救いたいのか?」

「それとも……」

答えが出ない。

リオンは目を閉じた。

精神世界に入る。

暗闇。

円形劇場。

6666人格が現れる。

全員がリオンを見ている。

リオンが立っている。

中央に。

一人の人格が前に出る。

農民トム。

「リオン」

優しい声。

リオンが見る。

トムが続ける。

「お前は何がしたい?」

リオンが答える。

「わからない……」

トムが微笑む。

「嘘をつくな」

リオンが黙る。

トムが続ける。

「仲間を守りたいんだろ?」

リオンが頷く。

「ああ……」

トムが続ける。

「ミラを守りたいんだろ?」

リオンが涙を流す。

「でも……俺がいると皆傷つく……」

戦士アレクが前に出る。

「弱音を吐くな」

厳しい声。

リオンが見る。

アレクが続ける。

「強くなればいい」

リオンが答える。

「強く……?」

アレクが頷く。

「そうだ。お前が弱いから、皆傷つく」

リオンが黙る。

アレクが続ける。

「強くなれ。カインに勝て」

リオンが顔を上げる。

「カイン……」

アレクが頷く。

「ああ。あいつに勝てば、お前は変わる」

リオンが問う。

「変わる……?」

アレクが答える。

「自信を持てる。仲間を守れると」

リオンが考える。

学者ルシアンが前に出る。

「リオン」

知的な声。

リオンが見る。

ルシアンが続ける。

「カインに勝つには、修行が必要だ」

リオンが頷く。

「修行……」

ルシアンが続ける。

「6666の人格を完全に制御する」

リオンが驚く。

「完全に……?」

ルシアンが頷く。

「そうだ。今のお前は、一度に3人格が限界」

リオンが答える。

「ああ……」

ルシアンが続ける。

「もっと増やせ。10人格。100人格」

リオンが驚く。

「そんなこと……できるのか……」

ルシアンが微笑む。

「できる。お前なら」

忍者カゲロウが前に出る。

「俺たちを信じろ」

静かな声。

リオンが見る。

カゲロウが続ける。

「俺たちは、お前の一部だ」

リオンが頷く。

「ああ……」

カゲロウが続ける。

「お前が強くなることを望んでいる」

他の人格たちが頷く。

全員が。

6666人格が。

リオンを見ている。

応援している。

リオンは涙を流した。

「ありがとう……」

小さく言う。

「みんな……」

人格たちが微笑む。

そして。

一人ずつ消えていく。

最後に。

原始人ゴルが残る。

「リオン」

ゴルが近づく。

「お前は一人じゃない」

リオンが頷く。

「ああ……」

ゴルが続ける。

「俺たちがいる。6666人」

リオンが微笑む。

「そうだな……」

ゴルが消える。

「頑張れ」

最後の言葉。

リオンは精神世界から戻った。

部屋。

ベッドに横になっている。

目を開ける。

天井を見る。

「強くなる……」

つぶやく。

「カインに勝つ……」

決意する。

「そして……ミラを取り戻す……」

立ち上がる。

窓の外。

まだ夜。

でももうすぐ朝が来る。

リオンは荷物をまとめた。

修行の準備。

剣を磨く。

本を整理する。

薬草を確認する。

全てを整える。

朝が来る。

太陽が昇る。

リオンは宿を出た。

街を出る。

北門から。

森に向かう。

修行をするために。

一人で。

でも心の中には6666人格がいる。

一人じゃない。

リオンは思った。

『カイン……』

『次は……勝つ……』

決意を新たにする。

森に入る。

深く。

人里離れた場所。

そこで修行を始める。

剣を振る。

何度も。

何度も。

「戦え!」

アレクを呼ぶ。

剣技を磨く。

「戻れ! 隠れよ!」

カゲロウを呼ぶ。

身のこなしを学ぶ。

「戻れ! 燃やせ!」

リズを呼ぶ。

魔法の制御を高める。

一日中。

修行を続ける。

休まない。

食事も最低限。

ただ強くなるために。

夜が来る。

リオンは倒れ込む。

疲労で。

でも満足している。

「もっと……」

つぶやく。

「もっと強くなる……」

目を閉じる。

眠りに落ちる。

翌朝。

また修行を始める。

同じことを繰り返す。

剣。

忍術。

魔法。

全てを磨く。

そして。

新しい試み。

「戦え、隠れよ、燃やせ!」

3人格同時召喚。

体が動く。

剣を振るう。

影に溶ける。

炎を吐く。

同時に。

でもまだ完璧ではない。

動きが乱れる。

集中が切れる。

リオンが倒れる。

「くそ……」

つぶやく。

「まだ足りない……」

でも諦めない。

立ち上がる。

また試す。

何度も。

何度も。

失敗しても。

倒れても。

また立ち上がる。

リオンの修行が続く。

孤独の中で。

でも心には決意がある。

カインに勝つ。

ミラを取り戻す。

世界を救う。

全てを成し遂げる。

そのために。

強くなる。

必ず。

リオンは修行を続けた。

日が昇り日が沈み、また日が昇る。

その繰り返し。

でもリオンは止まらない。

前に進み続ける。

強くなり続ける。

長い修行が始まった。


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